定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年5月25日(木)
午前10時00分~午前11時55分
第2 出席者 川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「6月1日付け地方警務官2名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)警察官の服制に関する規則の一部を改正する規則について
官房長から、「精強な第一線警察の構築」の一環として、第一線警察官からの改善要望等を踏まえ、警棒の長さ等形状の改良を内容とする警察官の服制に関する規則の一部を改正する規則について説明がなされ、原案どおり決定した。
(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
官房長から、5月23日に行われた参議院法務委員会等の状況について報告がなされた。
(2)平成17年度第4四半期監察の実施状況について
官房長から、都道府県警察等に対して行った平成17年度第4四半期における監察の実施状況について報告がなされるとともに、3月30日開催の国家公安委員会において、葛西委員から指摘のあった過年度卒で採用した警察官の状況、新卒で採用した警察官と過年度卒で採用した警察官の勤務成績等における差異等に関し、「平成13年度から平成17年度の間に新規採用された警察官で見てみると、新卒の割合が約41%、残りの約59%が過年度卒であった。さらにこれらの者で懲戒処分を受けた者は、過去5年間の新規採用者について見ると、新卒の方が懲戒処分を受ける比率がやや高いが、新規採用者数の割に懲戒処分を受けた者が極めて少ないこと等からすれば、有意の差があるとは言えないのではないかと考えている。また同じ5年間の新規採用者の警察学校での成績優秀者の状況を見ると、新卒の方が成績優秀者の比率が高いが、懲戒処分と同様、有意の差があるとは言えないのではないかと考えている。なお、各都道府県警察では、過年度卒で警察官を志望する者に対しては、面接試験の際、大学・高校等の卒業後の経験内容、志望動機等を十分に確認するなどしているとのことである」旨、同日開催の国家公安委員会において、委員長から指摘のあった新卒と過年度卒の初任給の差異に関し、「高卒で3年間民間企業に就職している場合、その3年間の80%、つまり2.4年分が経験年数として加算され、その分初任給が高くなり、また、大卒で3年間民間企業に就職している場合、高卒の新規採用と比べ、大学の4年分と、民間企業の3年間の80%の2.4年分の合計6.4年分が経験年数として加算されることになる」旨の報告がなされた。
葛西委員より、「警察官採用に関する人事委員会からの権限の委任状況の説明があったが、採用に関するすべての事務を委任される都道府県警察は、今後増加する傾向なのか」旨、質問し、官房長から、「47都道府県のうち、平成18年度現在、全面委任されているのは5都道府県、一部委任されているのは26県、委任されていないのは16府県であるが、各県の人事委員会との関係もあるので、早い時期にすべての都道府県警察が全面委任されるのは難しいと思う。しかしながら、平成17年度以降、平成19年度までに、一部委任から全面委任、委任なしから一部委任となったのがそれぞれ1県、3県であることから、今後、いかに委任される部分を増やしていくかが課題である」旨、説明があった。
葛西委員より、「どのような人物を採用するかは非常に重要な問題であり、会社経営で言えば、経営の根幹である。一般事務職員、教員、警察官は同じ県の職員であっても、業務の性格が異なっているので、違った目で採用する必要があり、警察官であれば、警察業務に精通した者が警察官としての適性を見極めることが重要である。監察結果を見ると、第一次試験の合格者数を採用予定者数の4倍以上確保して面接試験の対象者を増やすことが重要である旨の内容となっているが、面接試験の対象者を少し増やしたとしても有意の効果は出てこないのではないか。面接するというのであれば、民間で行っているのと同様、長期にわたって反復して行うことが大切だと思う。また、例えば警察が推薦する者を人事委員会で採用してもらうという枠組みを検討しても良いのではないかと思う。今回のように警察官の採用に関して様々な監察を行うことに異論はないが、やはり、精強な警察を構築する上でも、業務を遂行する側、つまり警察が責任を持って適性のある者を警察官として採用するという仕組みを構築していくことが重要であると思う」旨、発言し、官房長から「御指摘の点はもっともであり、我々の理想とするところではあるが、警察官採用試験の権限は人事委員会に属し、人事委員会は委任をすることができるという法制度を変えることは難しく、このスキームの中で努力を続けていくことが必要である」旨、説明があった。
葛西委員より、「警察官の採用形式の違いが、不祥事案の発生比率に影響していることを示すようなデータはあるのか」旨、質問し、官房長から、「現在までの検証では、そのような結果は得られていないが、人事委員会に対しては、ただ権限の委任を求めるのでなく、採用した警察官の採用後の警察学校での成績、配属先での勤務成績等を十分に検証した上で、採用試験の方法等について改善を求めていくことが必要であると考えている」旨、説明があった。
川口委員より、「以前、会議において、ある県の公安委員から、『公安委員会から、人事委員会に対し熱心に、警察官の採用業務を任せて欲しい旨を働きかけたところ、これが実現した』旨の発表があったことを記憶している。このような面でも、公安委員会が積極的に活動し、役割を果たしていることは素晴らしいことだと思う」旨、発言し、官房長から、「全面委任を受けた各県それぞれの経緯の詳細は把握していないが、私も、全国公安委員会連絡会議において、各都道府県警察における人事委員会からの権限の委任状況についてご説明しており、関心を持っていただいたのではないかと思っている」旨、発言があった。
川口委員より、「警察官採用試験に関する改善施策の効果を把握する旨の報告を受けたが、改善施策はここ1,2年のことであり、その検証を急ぐと予断を与えかねないので、検証時期・期間・方法について注意しなければいけないと思う。また警察官の資質を高くするという意味では、採用業務の改善も必要だが、採用後の教養、つまり教官の資質が大きく左右するのではないかと思う」旨、発言し、官房長から、「委員御指摘のように、早急な検証の実施により結論付けることは考えていないが、例えば、従来の第一次試験合格者数の枠では成績下位のために合格しなかったであろう者が、枠を拡大したことにより結果的に警察官として採用され、警察学校での成績が上位であったり、また勤務意欲が旺盛で配属先で高い評価を受けている場合もある。現時点でも、改善施策の中に、その効果が現れていると思われるものもあり、引き続き、時間をかけながら検証を進めたい。また、採用時教養の充実に関しては、意欲や情熱のある優秀な者を教官にするよう指示しているところである」旨、説明があった。
(3)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「奈良県警察の巡査部長が、平成17年9月、警察署に交通事故の申告に訪れた女性のスカート内の下着等を隠し撮りしたとして、5月13日、通常逮捕された事案等に関し、同県警察は、5月24日、同巡査部長を懲戒免職処分とすると」旨の報告がなされた。
川口委員より、「隠し撮りに使用したデジタルカメラは本人の物なのか」旨、質問し、首席監察官から、「本人の物である。デジタルカメラで撮影した画像は修正が可能で、刑事事件の証拠資料として使用することに馴染まないことから、警察では、フィルム用のカメラを多く整備しているが、デジタルカメラは便利であるため、証拠資料とする場合以外などで使用するものとして公費で整備しているものもある。しかし、奈良県警察では、今回のように、私物のデジタルカメラを公務で使用している実態が判明したことから、再発防止策を講じるべく、現在、公務に使用している私物のデジタルカメラの実態について調査中である」旨、説明があった。
大森委員より、「職場の上司、同僚は、本人の犯行等に気付いていたのではないか」旨、質問し、首席監察官から、「本人がデジタルカメラを使用していたことは知っていたが、今回のようなことをやっているとまでは分からなかったとのことである。本人が使っていたデジタルカメラは、手の中に入るような非常に小さなもので、被害者でさえ、全く気付いていなかった状況である」旨、説明があった。
長官から、「今年の第1四半期の懲戒処分数が前年同期と比べて増加していることから、先日、都道府県警察等に対して官房長名の通達を発出し、対策の強化を指示したところである」旨、説明があった。
(4)銃器対策推進本部第12回会合の開催について
刑事局長から、「5月25日、内閣官房長官を長とする銃器対策推進本部第12回会合が開催され、平成17年度における銃器対策推進状況を確認するとともに、平成18年度銃器対策推進計画が策定される予定である」旨の報告がなされた。
(5)暴走族取締強化期間の実施について
交通局長から、「暴走行為が本格化する夏期を控え、先制的に取締り等の諸対策を強化し、暴走族の封圧を図るため、6月中に暴走族取締強化期間を実施する」旨の報告がなされた。
(6)第4回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議開催に伴う警護警備について
警備局長から、「5月26日、27日の両日、沖縄県下において、『第4回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議』が開催され、小泉総理大臣及び太平洋諸島フォーラム加盟14か国2地域の首脳等が参加する。本会議開催に伴い、沖縄県警察では警護警備を実施する」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)大森委員より「人事委員会の採用権限の都道府県警察への委任という点が議論されたが、これに絡めて申し上げると、我が国の警察は基本的には自治体警察であって、県の組織であるという問題が公費パソコンの整備という問題にも及んでいること、そして各都道府県警察本部が、なお一層の努力をする必要があることを痛切に感じたことがあった。5月22日、中国管区内公安委員会連絡会議に出席し、その協議事項が情報セキュリティ対策であったが、この問題の基本的な対策は、公費パソコンの100%整備であるにもかかわらず、鳥取県、島根県以外の3県は100%に至らず、特に広島県は非常に低い整備率であった。広島県警察では、副知事を始め知事部局とも折衝中とのことであるが、自治体警察として目的を達しようとすることは大変なことであるということをあらためて感じた」旨、発言し、次長から、「来週の全国警察本部長会議では、情報セキュリティ対策の推進が協議テーマの一つになっているが、警察職員の数を上回る数の公費パソコンが既に整備されている島根県警察の本部長から、公務使用私有パソコン解消への取組みについて発表してもらうこととしており、各都道府県警察の本部長がこれを参考にして、今年度、あるいは来年度で必要な数の公費パソコンが整備されればと思っている」旨、長官から、「今回の公費パソコンの整備に当たっては、各都道府県警察の本部長を始めとする上層部がパソコンの必要性を十分に理解した上で、知事部局と折衝することが重要である」旨、説明があった。
大森委員より、「これまで公務使用承認私物パソコンについては、私用でも公務でも使用できると理解していたが、今回の会議に出席する前に、その位置付けについて確認したところ、私物パソコンについて公務使用の承認を受けると、原則として私用で使用できないことを知った。このようなことがまかり通っていることに驚き、喫緊の課題として、公務で使用するパソコンに公費パソコンを整備すべきであると感じたところである」旨、発言し、長官から、「警察庁でも国費での整備を検討しているところであり、また、各都道府県警察に対しても、平成19年度までに必要な数の公費パソコンの整備について努力するよう指示しているところである」旨、情報通信局長から、「自治体の財政状況もあるため、警察庁としては、今すぐ一人一台とは考えておらず、少なくともパソコンを必要とする者が必要な時にパソコンが使えるように整備するよう指示している。例えば、機動隊で部隊活動している隊員一人一人に一台必要かというと必ずしもそうではなく、3交替制で勤務をしている者に対しては、単純に考えると3人で1台となるが、交替した後でも残務処理があることを考えれば、必ずしも3人に1台で良いとはならない。まずは、各都道府県警察で、必要なパソコンの数を算定し、これを公費で整備して欲しいと考えている」旨、説明があった。
(2)吉田委員より、5月19日開催の近畿管区内公安委員会連絡会議に出席した結果に関し、「現在、ボランティアのパトロールカー等で、青色灯火が普及しているが、奈良県の公安委員会委員長から、『昨年の6月から、奈良県では、全国に先駆けて青色防犯灯の色彩効果を検討したところ、青色は人心を落ち着かせる鎮静効果と、防犯灯付近が浮かび上がって見えるという視認性向上の効果があることが分かり、実際に青色防犯灯を設置した付近では空き巣、自販機荒らし等が減少したので、引き続き青色防犯灯の設置を進めたい』旨、報告があった。体感治安に関して言えば、検挙率の向上も重要であるが、それ以前に犯罪発生を抑止することが大事なので、警察庁で、このような青色防犯灯の効果を確認しているのであれば、全国に広げて行ったら良いのではないかと思う」旨、発言し、生活安全局長から、「奈良県における青色防犯灯に関する取組みは警察庁でも承知しており、また沖縄県でも同様の対策を講じて犯罪の発生件数が減少しているとのことで、これらの内容は、全国会議でも紹介している。御指摘のあった青色防犯灯の効果については確信を持つには至ってないが、青色防犯灯の効果を様々な場で紹介する際には、『変わった防犯灯にすれば、被疑者になる人あるいは被害者になる人を含めて通行人に、何かあるのではという思いにさせることで効果があるのではないか。やはり、地域住民を巻き込みながら自発的に何らかの対策を講じていくという試みが良いのではないか』等と申し上げている。いずれにしても、御指摘を踏まえ、青色防犯灯の効果の検証を進めてもらい、検証結果とともに各県に紹介したいと思う」旨、説明があった。
(3)川口委員より、5月23日開催の13都道府県公安委員会連絡会議に出席した結果に関し、「出席したのはいずれも大きな都道府県であり、公安委員会は、県のために地域と警察の間に入って一生懸命活動している状況をお話になっていた。北海道では不適正経理問題に関して、非常勤の公安委員がこれほどまでになさるのかというくらい、財務アドバイザー制度の導入、公安委員会直接通報制度の導入、警察改革委員会への積極的な関与等に取り組まれ、いろいろ審議しているとのことであった。公安委員に関しては、『公安委員は何をしているのか』という声が聞こえてくるが、一生懸命取り組んでいる姿が、すべての人達に知らされていないのかなと感じ、非常に残念に思った。愛知県では、以前、愛知県の公安委員にNHK名古屋放送局の番組審査委員を務めていた方がいて、その方が積極的に働きかけ、NHKのテレビ放送の中で警察からの情報提供の枠を確保してもらい、現在でも、週に何回か『安全・安心一口メモ』として放送され、犯罪抑止に非常に効果的で県民の評判も良いとのことであった。そのほか、福岡県は、少年非行が最も深刻な県ということで、汚名返上のために、自治体、教育委員会、公安委員会、警察等が一体となって取り組んでいる状況、また北海道では、不正経理問題のほか、交通事故死者数ワースト1脱却のために取り組んだ状況について報告があった。このような取組みは警察の仕事であるかもしれないが、その一部を公安委員、地域社会のボランティア等の方々が担っていることをあらためて感じた」旨、発言があった。