定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年6月1日(木)
午前10時00分~午後0時50分
第2 出席者 沓掛委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、交通局長、警備局長、情報通信局長
組織犯罪対策部長、総括審議官、長官官房審議官(生活安全局担当)、首席監察官、人事課長、情報公開・個人情報保護室長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
人事課長から、「6月2日付け地方警務官2名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)平成18年度における警察留置場の巡察に係る実施要領等について
総括審議官から、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の施行に伴う平成18年度における警察留置場の巡察に係る実施要領等について説明がなされ、原案どおり決定した。
(3)監察の取扱い事案について
首席監察官から「沖縄県警察の生活安全部長が、平成17年12月上旬、車両内で女性の胸を触るなどのセクシュアル・ハラスメントを行った事案に関し、平成18年5月11日、国家公安委員会から懲戒審査の要求を受けた警察庁懲戒審査会は、同年5月25日及び30日、当該事案の審査を行い、本日、決定事項を本委員会に答申する」旨の説明がなされ、同答申を踏まえ、沖縄県警察の生活安全部長を戒告の処分とすることを決定した。
吉田委員より、「懲戒審査会でも本人の弁明を聴いており、事実認定はこれで良いが、『戒告では甘すぎる、身内をかばっている』との批判もあり得るのではないか」旨、発言し、首席監察官から、「処分量定については、基準や前例から見て妥当なものと考えられる」旨、説明があった。
葛西委員より、「戒告で良いが、事案処理から見ると、幹部の不祥事が早期に上がっていないということは問題であり、組織管理の点から教訓とすべきである」旨、発言があった。
大森委員より、「自分も結論については戒告で良いと思う。ただ、事案が発生したのは前警察本部長の時であるが、現警察本部長においても、着任後、直属の部下である部長の不祥事がすぐに上がって来なかったことは、反省すべきであって、その点、葛西委員と同意見である」旨、発言し、長官から、「基本的には、不祥事に係る情報は飛び越え報告もあり得るものと考えている」旨、説明があった。
佐藤委員より、「処分としては本案で良いが、本件に関しては、他の委員の発言にもあるように、警察本部内で情報が本部長も含めて然るべき部局に早く上がらなかったことについては、将来の反省材料にして欲しいと思う」旨、発言があった。
(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、5月30日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。
(2)国会の状況について
総括審議官から、5月26日に行われた衆議院内閣委員会等の状況について報告がなされた。
(3)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「大阪府警察の巡査部長が、4月24日、自らが入質した金地金1本を、架空の警察官になりすまして、騙し取ったとして、5月11日、通常逮捕された事案に関し、同府警察は、5月31日、同巡査部長を懲戒免職処分とした」旨、「和歌山県警察の警部補が、平成18年5月、知人の女性を姦淫しようとして、5月15日、通常逮捕された事案に関し、同県警察は、6月2日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として上司を本部長注意とする予定である」旨、「高知県警察の巡査部長が、会社役員から、警察情報の提供を受けたことの謝礼等として平成17年10月から11月にかけて、合計数万円の貸与を受け、同額相当の金融の利益を得た事案等に関し、同県警察は、6月2日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任等として上司ら15名を停職等とする予定である」旨及び「長崎県警察の巡査部長が、平成18年5月20日、飲酒運転の上、自損交通事故を起こし緊急逮捕された事案に関し、同県警察は、5月31日、同巡査部長を懲戒免職処分とした」旨の報告がなされた。
大森委員より、「本日の非違事案4件のうち、高知県警察の収賄事件を最も重視しなければならない。賄賂となった現金の額が少ないから書類送致になったと思うが、本来取締りの対象となるべき風俗営業店から重ねて飲食接待を受けていたことは非常に遺憾である。また、本人に対する懲戒免職の処分は当然であるが、本人とともに今回の風俗営業店に行って飲食接待を受けていた別の警察官が、その行為責任として、停職3月や戒告というのは少し甘いのではないかと思う。次に、大阪府警察の事案であるが、今後、どのような行為を立件することになるのか」旨、質問し、首席監察官から、「証拠品である別のもう1本の金地金についても、今回と同様の手口で犯行に及んでいるため、今回と同様に詐欺罪等で立件するとともに、そもそも証拠品保管庫から2本の金地金を勝手に持ち出した行為を窃盗罪で立件する予定と承知している」旨、説明があった。
大森委員より、「この大阪府警察の事案については、行為者本人が懲戒免職で当然の処分結果であるが、監督責任については十分に検討していただきたいと思う」旨、発言があった。
葛西委員より、「公安委員に就任して以来の感想として、非違事案が結構多いように感じる。昔ならこの程度は許されたという雰囲気が警察組織全体にあって、それが最近では許されなくなったという情勢の転換に現場の対応が少し遅れているということはないのか。以前から同じ物差しで厳しく対応してきたのか」旨、質問し、長官から、「本日、ここで報告しているような事案については、以前から厳しく対応してきたところである。いずれにしても、非違事案が相変わらず発生し、基本的には警察職員一人一人の意識改革が必要であることから、これまでの非違事案に分析を加え、今週の全国警察本部長会議でも、警察本部長等に対して細かく指示しているところである」旨、説明があった。
大森委員より、「長崎県警察の飲酒運転による自損交通事故については、単なる飲酒運転による事故ではなく、事故後にタイヤ交換をして逃げようとした行為があることから、犯情が極めて悪く、厳しく処断する以外にないと言わざるを得ない」旨、発言があった。
(4)平成17年中における自殺及び家出の概要について
長官官房審議官(生活安全局担当)から、平成17年中の自殺者数は3万2,552人で、前年に比べ227人(0.7%)増加し、同年中に捜索願を受理した家出人は9万650人で、前年に比べ5,339人(5.6%)減少したこと等、平成17年中における自殺及び家出の概要について報告がなされた。
川口委員より、「家出人の原因・動機別について説明があったが、家出の動機・原因は、基本的には家出人本人に聞かないと分からないことであるが、原因・動機はどのような方法で確認しているのか」旨、質問し、長官官房審議官(生活安全局担当)から、「基本的には、家出人捜索願の届出を受理する際、その家族、職場関係者、知人等から話を聞いて、原因・動機を確認している。なお、委員御指摘のような点もあり、原因・動機が『不詳』に分類される者も多い」旨、説明があった。
(5)FATF勧告実施法等について
組織犯罪対策部長から、「FATF勧告実施のための法律の整備について」(平成17年11月17日国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部決定)に基づきとりまとめられた犯罪収益流通防止法案(仮称)の概要等について報告がなされた。
大森委員より、「いずれ日本弁護士連合会から正式に意見が出され、また同会と法務省が協議を重ねることになると思うが、法案の概要で、弁護士についても疑わしい取引の届出義務等を課すことになっていることについて、私から意見を述べておきたい。資金洗浄やテロ資金対策のため、疑わしい取引の届出義務の主体として弁護士を特記するものであるが、弁護士としての資格がなければ行えない業務の中で、資金洗浄やテロ資金を職務として取り扱うことは想定し難い。確かにそのようなことに関与する弁護士がいないとは言い切れないが、そのような場合の関与して行う取引は、弁護士資格を前提とした弁護士としての行為としては位置づけられないのではないかという疑問がある。弁護士を特記して届出義務を課すということが制度の趣旨上必要なのか未だに理解できないので、この点は今後十分に検討していただく必要があるのではないか」旨、発言し、組織犯罪対策部長から、「参考であるが、アメリカでは、弁護士を含め何人も現金1万ドル以上を受領したら届けなければならない仕組みとなっているが、これではFATFの相互審査をクリアできるか微妙であると聞いている。いずれにしても、御指摘の点については慎重に検討してまいりたい」旨、説明があった。
(6)天皇皇后両陛下のシンガポール国及びタイ国御訪問に伴う警衛警備について
警備局長から、「天皇皇后両陛下は、シンガポール国大統領閣下から、我が国との外交樹立40周年に当たり、同国御訪問の招請があり、また、タイ国政府からは、同国国王陛下即位60年記念式典への御臨席の申出がなされ、6月8日から15日までの8日間の御日程で両国を御訪問になり、その途次、マレーシア国にお立ち寄りになる。本御訪問に関し、皇宮警察を始めとする関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(7)「重点計画2006」(案)について
情報通信局長から、平成18年1月19日にIT戦略本部において新たなIT戦略として「IT新改革戦略」が決定されたことに伴い、同本部において検討されている「重点計画2006」(案)の概要等について報告がなされた。
葛西委員より、「『重点計画2006』(案)の説明資料には、カタカナが多く使用されているが、今回のようなIT関連では『パブリックコメント』という用語を用い、それ以外では、公表案や発表案という用語を用いるなどの使い分けがあるのか」旨、質問し、情報通信局長から、「御指摘のような使い分けはなく、パブリックコメントという用語は既に定着しており、法律案、政令案等で広く国民から意見を聴取する場合に、この用語を使用している」旨、説明があった。
3 その他
(1)総括審議官から、高知県警察における県費捜査費の予算執行に係る住民訴訟の提起に関し、「5月26日、市民オンブズマンのメンバーらは、高知県監査委員が同県警察に対し、県費捜査費の返還を勧告するなどした住民監査請求の監査結果報告(5月1日)を受け、同県警察本部長に対し、監査委員から既に勧告のあった『支出の実体がないと判断するもの、85件、約78万円』、『支出が不適正と判断するもの、115件、約69万円』に加え、監査委員の勧告では、自主的に返還することが望ましいとしていた『支出が不自然で疑念のあるもの、3,178件、約1,645万円』を含め、合計約1,792万円を県に返還するよう住民訴訟を高知地裁に提起した」旨の報告がなされた。
(2)警備局長から、2006年ドイツ・ワールドカップ・サッカー大会をめぐる情勢と対策について報告がなされた。