定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年7月6日(木)
午前10時00分~午前11時40分
第2 出席者 沓掛委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
総括審議官、首席監察官、情報公開・個人情報保護室長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「7月28日付け内閣承認人事2名の人事異動について内閣に承認を依頼していただきたい」旨、「7月19日付けを始めとする地方警務官50名の人事異動について発令していただきたい」旨、それぞれ説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「群馬県警察の巡査が、独身寮内の同僚警察官の居室から現金等を窃取した事案に関し、同県警察は、7月7日、同巡査等を懲戒免職処分等とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、地方警務官の前警察署長を本部長注意の措置とする予定である」及び「沖縄県警察の巡査長が、交通事故事件の捜査において、内容虚偽の供述調書等を作成した事案等に関し、同県警察は、7月7日、同巡査長等を懲戒免職処分等とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、地方警務官の前警察署長を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。
大森委員より、「沖縄県警察の事案は、警察官としてやってはならない基本的なルール違反であるという点で、重視しなければならない非違事案である。特に、実況見分をした後、被疑者の取調べをしないで内容虚偽の供述調書を作成したことは問題であり、内容虚偽の供述調書作成が1件だけではなかったということになると、当時の本人の上司は、重い監督責任を問われてもしかるべきである。このような内容虚偽の供述調書作成は、警察官の供述調書自体の信用性を失うことになりかねない。話は変わるが、愛媛県警察でのウイニーによる情報流出事案で、『自白させるまで取調室から出るな』という覚悟で取り調べろという趣旨のメモが流出していたが、そのようなものが表に出ると、ある事件で供述の任意性が争われた場合には、任意性に疑いありとの推定から出発して審理していかなければならないことになるので、やはり、警察としては守るべき最低限度の部分は100%守るということでなければならない。本件のような事案については、直属の上司の責任は大変に重い。部下職員が内容虚偽の供述調書を作成していたことを見逃していたということであるから、本来、戒告くらいであってもしかるべきであると思う」旨、発言し、首席監察官から、「事案が発覚する以前から、現場では、本人は交通捜査に適格性がないのではないかということもあって、直属の上司もよく観察していた。観察していたところ、長期未処理事案が多数出てきたということで、直属の上司が本人の異動を意見具申し、被害をこの程度で止めたという点もあることから、本部長訓戒が相当であろうと考えたとのことである」旨、説明があった。
(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、7月4日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。
大森委員より、「開示決定の判断に関してではないが、開示対象となった行政文書として、交通取締りに関する無罪事件発生報告というものがあるが、無罪事件がかなりあるようでは問題である。道路交通法違反事件を立件して無罪になった事件は毎年かなりあるのか」旨、質問し、交通局長から、「今回は、平成17年、平成18年分が対象となっているが、それぞれ無罪事件が1件ずつである」旨、説明があった。
(2)「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」について
官房長から、7月上旬に閣議決定される予定の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」の概要等について報告がなされた。
(3)平成18年警察白書(案)について
総括審議官から、7月下旬に閣議配布される予定の平成18年警察白書(案)の内容等について報告がなされた。
大森委員より、「先ほどのいわゆる骨太2006では、『治安再生』という用語を用い、平成18年警察白書(案)では、依然として『治安の回復』という用語を用いているが、再生と回復ではどう違うのか、また用語を使い分けるに至ったのはどういう理由なのか」旨、質問し、官房長から、「昨年の骨太は、『世界一安全な国、日本』の復活を図るための強力な治安対策を推進する旨の内容であったが、『治安対策』はあくまでも手段であり、政策目的を明らかにした方が良いのではないかということで、『治安の回復』という用語も一つの選択肢ではあったが、前後の文脈から『治安再生』の方がふさわしいとの判断に至ったものである」旨、総括審議官から、「警察では、これまでの警察白書や通達等で『治安の回復』という用語を使用しており、今回の白書でも『治安の回復』という用語を用いた次第である。意味的には違いはないと思う」旨、説明があった。
(4)平成18年6月末現在の刑法犯認知・検挙状況について【暫定値】
生活安全局長から、「刑法犯の認知件数が、前年同期に比べ10.2%減少し、また検挙件数、検挙人員はともに減少したが、検挙率は前年同期に比べ2.1ポイント上昇している」旨の報告がなされた。
大森委員より、「刑法犯認知件数が前年同期と比べて、10%減少したことは、非常に結構な推移であり、これは、全国警察を挙げての懸命な努力の成果だと思う。今後、なお一層の努力を続けていただきたい。なお、主な街頭犯罪の認知状況を見ると、街頭における暴行が増加しているが、どういう理由なのか」旨、質問し、生活安全局長から、「昨年も暴行が増加しており、その傾向が続いている状況にある。ほとんどの犯罪が減少している中で暴行だけが増加しているが、はっきりした原因は分からない」旨、刑事局長から、「暴行事案の被疑者を年齢別に見ると、比較的低年齢層が多いが、最近では、中高年層が増えてきている状況にある」旨、説明があった。
大森委員より、「街頭における治安状況が悪化しているとまでは評価する必要はないのか」旨、質問し、刑事局長から、「重大な傷害事件が急増し、またそれが続いているというような傾向はなく、逆に軽微な暴行事案の認知が増加しているという状況である」旨、説明があった。
大森委員より、「刑法犯認知件数が減少し、非常に結構なことであるが、それに引き替え、警察官の非違事案が増加しているというのはいかなるものか。刑法犯認知件数から見れば、国民の全体としての素行は良くなってきているのにもかかわらず、警察官だけは非違事案が増加しているというのは、まさに対照的であり、是非とも警察官の非違事案の防止に努めていただきたい」旨、発言があった。
(5)暴力追放運動推進センターの活性化に向けた行動計画について
刑事局長から、「暴力追放運動推進センター及び都道府県警察は、同センターの事業活動の充実、財政基盤の強化を図るとともに、運営体制を整備することなどを目的とした行動計画を策定し、センターの一層の活性化に取り組むこととした」旨の報告がなされた。
(6)AT限定二輪免許導入後1年の状況について
交通局長から、AT限定二輪免許に係る運転免許試験の合格者の状況等、同免許導入後1年の状況について報告がなされた。
(7)北朝鮮による弾道ミサイル発射事案について
警備局長から、北朝鮮による弾道ミサイル発射事案及び政府の対応について報告がなされた。
吉田委員より、「今回のような事案が発生した場合、国家公安委員会としても、武力攻撃事態なのか、それとも武力攻撃予測事態なのか、あるいは緊急対処事態なのか等を判断しなければならないが、現在までの状況では、いずれのケースにも当たらないという感じは持っている。いつから武力攻撃事態等に変わるのかとの判断は、短時間で着弾するミサイルだけに非常に難しいとは思うが、今回政府としてはどう判断したのか」旨、発言し、警備局長から、「政府としては、今回の事案を総合的に判断し、武力攻撃事態等に当たらないとしており、このことを前提とした所要の体制を整備したところである」旨、説明があった。
委員長より、「私は国家公安委員長であると同時に、有事法制担当大臣としての職にあるが、武力攻撃事態等といった状態ではないと考えているところであり、また政府としてもそのような判断をしているところである」旨、発言があった。
(8)皇太子殿下の「第42回献血運動推進全国大会」御臨席等(群馬県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、7月12日から13日までの間、『第42回献血運動推進全国大会』御臨席等のため、群馬県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(9)小泉総理大臣のイスラエル、パレスチナ、ヨルダン及びロシア訪問に伴う警護警備について
警備局長から、「小泉総理大臣は、7月11日から15日までの間、首脳会談等のため、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンを訪問し、15日から18日までの間、G8サミット出席のため、ロシアを訪問する予定である。本訪問に伴い、警視庁では警護警備を実施する」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)警備局長から、竹島周辺における韓国・海洋調査船の7月5日の動向について報告がなされた。
(2)吉田委員から、7月3日から4日にかけて山形県公安委員会及び同県警察本部等を視察した結果に関し、「現在の山形県の公安委員長は9年間の任期を終えて今週にも退任されるとのことで、公安委員に就任されたころを含めていろいろお話を聞かせていただいた。それによると、公安委員として着任したころの定例委員会は、県警察からの報告事項等を公安委員が聞き、そのまま、決裁して終わりという形であまり議論もなされていなかった。しかし、警察改革以降大きく変化しており、最近の公安委員会は、例えば、会計監査の現場を見せてもらったりするなど、活発に活動している。公安委員長は銀行の顧問であるが、公安委員長の目から見ても、きちんとした会計監査がなされていることが分かったとのことであった。ほかの公安委員の一人は公認会計士で、県警察に対して会計処理のノウハウを教示するなどの役割を果たしており、またもう一人の教育界出身の公安委員は、警察と教育委員会との連携に取り組んだ結果、教育委員会自体も、学童が被害に遭う事件が多発していることもあって、積極的に動いてくれるようになったとのことであった。委員長の説明では、残された課題では非違事案の発生が一番心配で、多重債務者等はよく観察していれば分かるはずなので、幹部職員は部下職員の日常生活をもっと観察して欲しいとのことであった。最後に、委員長は、公安委員会としての『警察に対する管理』に関して、先日の全国公安委員会連絡会議で青森県の公安委員長から発表があった『一年間の県警察の活動指針を公安委員会が主体的に作成している』という手法も、公安委員会の一つの在り方を示しているのではないかということで大変に参考になったと評価していた」旨の報告がなされた。