定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年8月31日(木)
午前10時00分~午前11時55分
第2 出席者 沓掛委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
生活安全企画課長、国家公安委員会会務官、情報公開・個人情報保護室長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「9月6日付けを始めとする地方警務官34名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会委員長に対する異議申立てに関する決定(案)について
国家公安委員会会務官から、「平成18年5月9日付けでなされた国家公安委員会の回答を処分ととらえてその取消しを求める異議申立てについて、同申立てを却下する決定を行い、申立人に決定書を送付することとしたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(3)座席ベルトの装着義務の免除に係る業務を定める規則の一部を改正する規則案について
交通局長から、道路運送法の一部改正に伴う座席ベルトの装着義務の免除に係る業務を定める規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(4)国家公安委員会臨時会議(平成18年9月1日開催)のテレビ会議方式による開催について
平成18年9月1日に実施される平成18年度警察庁総合防災訓練に併せて開催する国家公安委員会臨時会議をテレビ会議方式により行うことについて了承した。
(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置等について(情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、8月29日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。
(2)平成18年上半期における人身取引事犯について
生活安全企画課長から、「平成18年上半期における人身取引事犯の検挙状況は、32件、36人で、その内訳は経営者等が23人、ブローカーが13人である。被害者については、4か国38人を保護した。国籍等別では、フィリピン25人、インドネシア7人、中国(台湾)5人、タイ1人である。被害者女性らは、多額の借金を負わされるなどして売春等を強要されたり、旅券の取り上げ、監視カメラでの行動制限、ノルマを課した店外デートや同伴出勤の強要、不合理な罰金制度による金銭の搾取等の扱いを受けたりしながら、ホステスとして役務を強いられていた」旨の報告がなされた。
川口委員より、「ブローカー等どのような立場の者が検挙され、その国籍はどうなっているのか」旨、質問し、生活安全企画課長から、「36人の被疑者を国籍等別で見ると、日本が22人、タイ、台湾がそれぞれ4人、フィリピンが3人、インドネシアが3人である。36人の被疑者のうち、ブローカーが13人で、これらを国籍等別で見ると、日本が7人、台湾、インドネシアがそれぞれ2人、タイ、フィリピンがそれぞれ1人である。経営者は15人で、これらを国籍等別で見ると、日本が11人、台湾が2人、タイ、フィリピンがそれぞれ1人である。従業員は8人で、これらを国籍等別で見ると、日本が4人、タイが2人、フィリピン、インドネシアがそれぞれ1人である」旨、説明があった。
川口委員より、「人身売買罪でインドネシア女性をブローカーとして逮捕しているが、日本人間、日本人と外国人間の組織犯罪として敢行されていると見て良いのか」旨、質問し、生活安全企画課長から、「御指摘の事例は、インドネシア国内のブローカーが送り出した被害女性を、日本国内のインドネシア人女性が受け入れていたという事案である。組織というものをどの程度の大きさととらえるかにもよるが、当然に双方で連絡は取り合っていたことを考えると、少なくとも、送り出す側と受け入れる側とが通謀していた事案であることには間違いない」旨、説明があった。
川口委員より、「検挙された被疑者36人は、日本国内で検挙された者とのことであるが、日本国外の送り出す側のメンバーを摘発することも必要なのではないか」旨、発言し、生活安全企画課長から、「日本に送り出す国・地域で対策を講じてもらうため、日本で捜査した過程で判明した内容について、必要に応じて当該国・地域にも提供し、また、送り出す側からの情報提供が日本での捜査に役立っているなど、随時、必要な情報交換を行っているところである」旨、説明があった。
川口委員より、「4か国38人の被害者を保護したとのことであるが、この38人は、何らかの事件の被害者として保護されたものなのか、事件の被害者というよりは助けを求めて来たのに応じて保護された者を含んでいるのか」旨、質問し、生活安全企画課長から、「38人のうち、入国管理局に保護を求めて出頭するなどし、未だ事件化されていない被害者もおり、このような被害者は20人である」旨、説明があった。
川口委員より、「保護を求めて逃げ込んでくる被害者がそれなりの数になっているということは、人身取引に関する内外の取決めに基づいて関係機関が連携を図り被害者を受け入れるための対策を強化した効果が現れてきたと見て良いのか」旨、発言し、生活安全企画課長から、「被害者が保護を求めて警察署等に駆け込んできているというのは、昨年からの様々な取組みの効果が現れ、『警察署等に駆け込めば助かる』ということが被害者の間で周知されるようになったのではないかと考えている」旨、説明があった。
(3)幼児3人死亡の飲酒事故の発生と飲酒運転抑止対策の強化について
交通局長から、「8月25日、福岡市内において飲酒運転により幼児3人が死亡する事故が発生するなど、飲酒死亡事故の増加傾向を踏まえ、警察庁では、交通局長通達を発出し、飲酒運転取締りの強化、飲酒運転追放気運の高揚等、飲酒運転抑止対策を強化することとした」旨の報告がなされた。
大森委員より「福岡市内で発生した飲酒運転による死亡事故はあってはならない事故であり、時機を失せず昨日付けで飲酒運転抑止対策を強化する旨の通達を発出して対策を講じられたことに対して、敬意を表したい。しかし、本年上半期における飲酒死亡事故件数が昨年同期に比べて増加するという由々しき事態にあり、飲酒運転については、警察が取締りを強化することによって、ある程度効果が出てくるので、今回の通達の発出を契機に、取締りの強化等、通達に盛り込まれた施策の実施について厳しく督励していただきたいということを要望しておきたい」旨、発言があった。
吉田委員より、「大森委員御指摘のとおり取締りを強化して欲しいと思うが、依然として警察職員が飲酒運転を行っているという状態では国民から大きな批判を招くことになるので、取締りの強化と同時に、取り締まる側である警察職員の飲酒運転を防止する対策が必要ではないかと思う。福岡市長は、事故を起こさなくても飲酒運転自体で懲戒免職とするという方針を打ち出し、いささか唐突にも思えるが、『飲酒運転をすれば懲戒免職』という方向性は間違っていないと思う。警察職員が飲酒運転をした場合の現行の処分基準と、この基準をさらに厳しくする必要はないかについての判断を聞きたい」旨、質問し、官房長から、「行為態様等から総合的に判断するため、必ずしもこれに当てはまるものではないが、酒酔い運転は免職又は停職、酒気帯び運転で人身事故を起こすと免職又は停職、酒気帯び運転で物損事故を起こすと免職、停職又は減給、酒気帯び運転だけであれば停職又は減給というかなり厳しい懲戒処分の種類となっている。さらに申し上げれば、酒酔い運転の場合のほとんどを免職し、厳しく対処しているところである。しかしながら、飲酒運転をしてはならないという意識が警察職員の間で十分に浸透していないと思われても致し方ない事案も散見されることから、意識の一層の徹底を図るため、引き続き監察等を実施する必要があると考えている」旨、説明があった。
(4)皇太子殿下の「第18回全国農業青年交換大会」御臨席等(山形県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、9月3日から5日までの間、『第18回全国農業青年交換大会』御臨席等のため、山形県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(5)天皇皇后両陛下の「第16回国際顕微鏡学会議記念式典」御臨席等(北海道)に伴う警衛警備について
警備局長から、「天皇皇后両陛下は、9月5日から9日までの間、第16回国際顕微鏡学会議記念式典御臨席等のため、北海道へ行幸啓になる。本行幸啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(6)小泉総理大臣のアジア欧州会合(ASEM)第6回首脳会合出席等に伴う警護警備について
警備局長から、「小泉総理大臣は、9月7日から12日までの間、アジア欧州会合(ASEM)第6回首脳会合出席等のためフィンランド共和国を訪問する予定である。本訪問に伴い、警視庁では警護警備を実施する」旨の報告がなされた。
(7)(株)ミツトヨによる三次元測定機不正輸出事件の検挙について
警備局長から、「警視庁では、平成13年10月及び11月ころ、輸出が規制されている三次元測定機が日本からシンガポールを迂回してマレーシアへ輸出されていた事案に関し、8月25日、同測定機の製造会社である(株)ミツトヨ代表取締役副会長他4名を外国為替及び外国貿易法違反(無許可輸出)で通常逮捕した」旨の報告がなされた。
(8)加藤紘一衆議院議員実母方における現住建造物等放火事件について
警備局長から、「山形県警察では、8月15日、加藤紘一衆議院議員実母方が放火された事案に関し、29日、大日本同胞社構成員1名を現住建造物等放火罪及び住居侵入罪で通常逮捕した」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)刑事局長から、平成11年10月に埼玉県桶川市内で女性が殺害された事件に関して埼玉県に対し損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の上告及び附帯上告が棄却(平成18年8月30日)されたことを踏まえ、これまでの同訴訟の経緯と棄却の概要について報告がなされた。
大森委員より、「刑事局長から報告のあったいわゆる桶川事件は、当時の四大事件の一つで、当時の警察の問題を端的に表している代表的な事件であった。今回、上告及び附帯上告が棄却され、捜査の不作為と被害者の死亡との間に相当因果関係はないなどとした控訴審判決の内容が確定したわけであるが、事案の内容としては、民事不介入の原則を口実になすべきことをせず、結果として不幸な結果が生じてしまったことは事実なので、被害者の死亡との間で相当因果関係が認められなかったとして安心するのではなく、桶川事件の事案内容を頭の中に止め、今後、このような事件がないように取り組んで欲しいと思う」旨、発言があった。
(2)交通局長から、警視庁管内発生の重傷ひき逃げ事件における誤認逮捕事案の概要について報告がなされた。
(3)委員長より、子が母親を殺害するなどの家庭内における事件の発生等に関し、「警察庁において策定した『治安再生に向けた7つの重点』はすばらしい内容で、特に7つの重点に盛り込まれた施策を平成19年度末を目途に実現を図ることとしていることは非常に良いと思うが、最近の1週間を見ると、『30万円の報酬で友人に自分の母親の殺害を依頼する』、『自分の子どもを熱湯に入れるなどして治療費等を騙し取る』等といった事件が次々と発生しているので、この7つの重点に加え、この種事案への対応についても検討していただきたいと思う。このような基本的な人間性の欠如という問題は、直接警察に関わる問題ではないが、警察としても、関係省庁・機関と一緒になって、このような事件が未然に防止できるような対策をお願いしたいと思う」旨、発言があった。