定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成19年1月25日(木)

午前1000分午後0時10分

第2 出席者 溝手委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

組織犯罪対策部長、首席監察官、情報公開・個人情報保護室長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月13日付け内閣承認人事2名の人事異動について内閣に承認を依頼していただきたい」旨及び「2月14日付けを始めとする地方警務官41名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「群馬県高崎警察署の巡査による業務上横領等事案に関し、1月18日、国家公安委員会から同県高崎警察署長の懲戒審査の要求を受けた警察庁懲戒審査会は、1月22日、当該事案の審査を行い、本日、決定事項を同委員会に答申する」旨の説明がなされ、同答申を踏まえ、同警察署長を戒告の処分とすることを決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「奈良県警察の警部補が、銃刀法違反捜査において、内容虚偽の捜査報告書等を作成・行使した事案に関し、同県警察は、1月30日、同警部補等を懲戒免職処分等とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、地方警務官の元警察署長を本部長訓戒の措置とする予定である」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。

大森委員より、「監督責任の結論に異論はないが、けん銃不適正押収事案の行為責任により処分を受ける警部補は、一方で恐喝事件の被害者となっていたとのことであり、けん銃不適正押収事案と恐喝事件との関係等についてもう一度詳しく説明していただきたい」旨、発言し、首席監察官から、「今回の警部補は、以前から知り合いであった男性から、けん銃があるという話を聞き、この男性に匿名申告をさせて、匿名申告による被疑者不詳のけん銃放置押収事案を装ったものである。この事案は平成14年の事案であるが、その後、別の窃盗で逮捕されたこの男性が、拘留中に、当該けん銃不適正押収事案を利用して、当該警部補から金を脅し取ったという事案である」旨、説明があった。

(4)犯罪による収益の移転防止に関する法律案(仮称)について

組織犯罪対策部長から、マネー・ローンダリング対策及びテロ資金対策を目的とした犯罪による収益の移転防止に関する法律案(仮称)について説明がなされ、原案どおり決定した。

大森委員より、「当初、私の立場から指摘した問題点は、この法案内容によって解消されたと思うので、これ以上、何も申し上げることはない。この法案が円滑に成立することを願っている」旨、発言があった。

佐藤委員より、「この法律案が成立すると、国家公安委員会が都道府県警察を直接指示する場合が出てくる。この法律の対象とする事案は国家公安委員会にとっても全く新しい分野のことなので、きめ細かな報告をしていただきたいと思う」旨、発言があった。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、1月23日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。    

(2)平成18年の懲戒処分者数について

首席監察官から、平成18年の全国警察職員の懲戒処分者数は、合計361人(前年比20人(5.9%)増加)で、その内訳は、懲戒免職32人、停職67人、減給139人、戒告123人であること等について報告がなされるとともに、官房長から、非違事案防止に係る今後の総合的な取組みについて報告がなされた。

吉田委員より、「官房長の報告を了としたい。特に、取組みのうちの身上把握・指導の強化においては組織の一体感の醸成が必要であるとし、官房長は『絆』という言葉を使っていたけれども、この点に期待したいと思う。昨年の361人の懲戒処分者数の内訳を見ると、『窃盗詐欺横領等』、『交通事故違反』、『飲酒上の信用失墜・異性関係』が多く、その内容は、例えば、賭博性の高いものに手を出して多重債務者になったり、飲酒運転で事故を起こしたり、異性に対して異常な興味を示したりするなどであるが、これらは、平たい言葉で言うと、『飲む、打つ、買う』に関連するものである。これらの3つの性向というのは個々バラバラに生活していると発見しにくいが、職場に一体感があれば案外発見しやすいものなので、仲間としても非違事案を起こす前に適切なアドバイスができるのではないかと思う。そういう意味でも、私は、絆を深めるという対策は非常に大事ではないかと思う」旨、発言し、長官から、「いずれにしても、とにかく結果を出さなければいけないので、近く会議を開催し、全国の警務部長に対して、本日ご報告したものについてしっかり取り組むように指示し、その後は、都道府県警察で非違事案防止にしっかり取り組んでいるかどうか、また今まで以上のアイデアを出して取り組んでいるかどうかについて監察を実施するなどして、少なくとも昨年よりも懲戒処分者数が減少するようにしたい」旨、説明があった。

大森委員より、「官房長の報告内容には十分に決意が感じられるので、頑張っていただきたいと思う。1点だけ申し上げると、飲酒運転事案への対応として、飲酒会合直前等を捉えたタイムリーな教養と反復継続した教養の実施が必要であるとしており、飲酒後のことを考えて飲酒前に職場でよく指導することは非常に有効なことだと思うが、官房長の報告の中でよく出てきた『教養』という言葉は、警察法上の法令用語ではあるが、他の職場であまり使用されない言葉であり、意味的には、他の職場で使用するような『研修』、『指導』、『教育』、『監督』という言葉ほどの迫力がない。これらの言葉ほどの迫力を持って取り組むことが必要ではないかと思う」旨、発言し、官房長から、「言葉の意味からすると、部外の方はご指摘のように感じるかもしれないが、警察内部においては、『教養』という言葉は、非常に強いトーンとして認識されているので、強い意気込みを持って取り組んでいきたいと思う」旨、説明があった。

(3)東ティモールへの国際平和協力隊員の派遣について

官房長から、「東ティモール国際平和協力隊の設置等に関する政令案」及び実施計画案の概要、警察職員の派遣予定並びに警察庁の後方支援体制について報告がなされた。

(4)強姦等事件で有罪判決を受け、服役を終えた者の無実の判明について(富山県警察)

刑事局長から、「富山県警察が、平成14年に強姦・同未遂事件の被疑者として逮捕し、その後、有罪判決を受けて、既に服役を終えている男性については、1月19日、無実であることが判明した」旨の報告がなされた。

委員長より、「今回の事案の発生を踏まえ、警察では二度とこのような事案が発生しないようにして欲しいと思う。なお、検察や裁判所がそれぞれの立場から今回の事案の問題点を教訓にしていくことも大事ではないかと思う」旨、発言があった。

川口委員より、「今回の男性は、無実であることをどうして主張しなかったのか、疑問が残る。今回の事案は本当に取り返しのつかない事案である。取調べを受ける者の中には、否定しても無駄とあきらめてすぐに弱気になってしまう者や自暴自棄になってしまう者も少なくないので、既に行っていることだとは思うが、取調べの相手方の性格等も考慮しながら慎重に取調べをすることも大事だと思う」旨、発言し、刑事局長から、「委員のご指摘のとおり、取調べでは、その相手方の立場、境遇、性格等を勘案しながら、収集した証拠とも突き合わせをし、事実認定を行うよう指導しているところである。特に少年や知的障害があるような被疑者の場合、迎合しやすい傾向にあることから、慎重な取調べを行っているところである。いずれにしても、今回の事案では、裏付け捜査を尽くした上で、供述の信用性を十分吟味すべきであったと考えている。また、男性の方が罪を認められた理由等については、富山県警察において、お伺いをしていくと報告を受けており、これらを教訓としていきたい」旨、説明があった。

大森委員より、「今回の件については、これ以上申し上げないが、関連して申し上げると、私が特に心配しているのは、満員電車内における痴漢の冤罪事件であり、この種事案は、本当に慎重な捜査をしてもらいたいと思う」旨、発言し、刑事局長から、「ご指摘のような事件の事実認定は難しい面があることは事実であるが、犯行を目撃した第三者の供述、微物等の客観的資料等を可能な限り収集して慎重に捜査をするよう指導しているところである」旨、説明があった。

(5)贈収賄事件に係る(前)宮崎県知事らの逮捕について

刑事局長から、「宮崎県警察では、1月22日、前宮崎県知事らを贈収賄容疑で逮捕した」旨の報告がなされた。

(6)第12回アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC-12)の開催について

刑事局長から、「1月30日から2月2日までの間、都内において、28か国、2地域、2国際機関から約120名の参加を得て、薬物取締り及び捜査協力に関する討議・研究等を目的とした第12回アジア・太平洋薬物取締会議を開催する」旨の報告がなされた。

(7)ブラジル国外逃亡被疑者に対するブラジルによる国外犯処罰規定の適用について

刑事局長から、「本邦において犯罪を犯したブラジル人が逮捕前に帰国した事件に関し、ブラジル当局に対して国外犯処罰規定の適用を求めてきたところ、現地の1月18日、浜松市における死亡ひき逃げ事件被疑者1名がブラジル当局で起訴された」旨の報告がなされた。

佐藤委員より、「国際礼譲により引渡しを受けた例はこれまでに4件あり、このうち1件はブラジルからの引渡しであるとのことであるが、ブラジルでは、憲法上、ブラジル人の引渡しは絶対にできないということではないのか」旨、質問し、刑事局長から、「ご指摘の事例は、ブラジルに逃亡した日本人被疑者であるので、『いかなるブラジル人も犯罪人として外国に引き渡されることはない』と規定したブラジル憲法第5条の適用はなく、国際礼譲によりブラジルから引き渡されたものである」旨、説明があった。

(8)特別会計に関する法律案について

交通局長から、特別会計に関する法律案の概要及び同法案における交通安全対策特別交付金の経理の取扱いについて報告がなされた。

(9)平成18年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について

交通局長から、平成18年中の交通事故発生状況、死亡事故の特徴、道路交通法違反の取締り状況等について報告がなされた。

10)駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しについて

交通局長から、駐車規制及び駐車許可制度の運用の見直しの概要並びに今回の見直しについて意見募集を実施した結果について報告がなされた。

11)皇太子殿下の「第62回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会」御臨場(群馬県)に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、1月26日から27日までの間、『第62回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会』御臨場のため、群馬県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。