定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成19年2月1日(木)

午前1000分午前11時15分

第2 出席者 川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

組織犯罪対策部長、情報公開・個人情報保護室長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月21日付けを始めとする地方警務官34名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会関係刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律施行規則案に対する意見の募集について

官房長から、国家公安委員会関係刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律施行規則案の意見公募手続について説明がなされ、原案どおり決定した。

大森委員より、「収容開始時及び留置開始時の様々な事項についての被収容者及び被留置者に対する告知の方法は、法律では『書面で行う』と規定している。刑事施設の場合には、書面を提示して口頭で説明を行うとのことであるが、留置施設の場合は、今回の規則案で『書面を提示することにより行うものとする』と規定し、実務的な運用としては、被留置者に書面を提示して被留置者に読ませた後、被留置者から回収するとのことである。『書面で行う』という法律の趣旨を踏まえた場合、このような運用は、少し形式的過ぎで、本当に良いのかと思う。これからパブコメを行う予定であるので、その結果も踏まえながら、この点について検討していただきたいと思う」旨、発言し、官房長から、「書面を交付し、かつ口頭で説明することが理想かもしれないが、刑事施設と留置施設を比較した場合、収容・留置期間が異なっているほか、例えば、留置施設には書面を交付することとした場合に書面を保管する場所がないなどの物理的条件が異なっており、また留置施設の場合、特に深夜、次々と被留置人を留置することがあるという業務負担との兼ね合いを考慮すると、書面を提示して行うことで良いのではないかと考えている。しかしながら、被留置人からの求めがあるなどの場合には、必要に応じて説明するなどの措置を講じたいと思う」旨、説明があった。

大森委員より、「被留置人の人数等を考えると、口頭で説明することは大変かもしれないが、書面を交付することぐらいはできるのではないかと思う」旨、発言し、官房長から、「被留置人に交付しても、その保管場所がないという問題が残る。被留置人から、書面をもう一度見たいとの求めがあれば、再度見せるなどの対応をしたいと思う。いずれにしても、これからパブコメを行う予定なので、パブコメの結果も踏まえながら、ご指摘の点を検討していきたいと思う」旨、説明があった。

(3)犯罪による収益の移転防止に関する法律案(仮称)について

組織犯罪対策部長から、「犯罪による収益の移転防止に関する法律案における弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士及び税理士が行う措置については、与党との調整を踏まえ、一部修正することとしたい」旨の説明がなされ、修正案の内容について了承した。

(4)遺失物法施行令案等について

生活安全局長から、改正遺失物法の施行期日を定める政令案及び同法の施行に伴う遺失物法施行令案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、1月30日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。

(2)国会の状況について

官房長から、1月30日に行われた衆議院本会議等の状況について報告がなされた。

(3)東ティモールへの国際平和協力隊員の出発について

官房長から、「東ティモール国際平和協力隊員として警察庁から派遣された職員3名が、31日に日本を出発し、2月2日に東ティモール入りする予定である」旨の報告がなされた。

(4)少年の非行対策に関する政策評価(総務省作成)について

生活安全局長から、国家公安委員会・警察庁を含む関係5省庁における少年非行対策に関し、総務省がとりまとめ、公表した評価書の内容について報告がなされた。

(5)平成18年における通信傍受に関する国会への報告について

刑事局長から、「通信傍受法第29条の規定に基づき、平成18年中の通信傍受の実施状況について国会に報告することとしたい」旨の報告がなされた。

(6)平成18年の薬物・銃器情勢について

刑事局長から、覚せい剤事犯の検挙人員は、前年に比べ減少しているものの、押収量及び密輸入事件の検挙人員が増加したほか、けん銃の押収丁数は、減少傾向であるものの、密輸入事件のけん銃押収丁数は増加したこと等について報告がなされた。

佐藤委員より、「本日の報告事項である『少年の非行対策に関する政策評価(総務省作成)について』の中で、少年によるMDMAの乱用が急速に進んでいるという説明があり、その一方で、もう一つの報告、『平成18年の薬物・銃器情勢について』では、MDMA等合成麻薬事犯の検挙人員が減少したという説明があったが、ここに、MDMA対策の難しさが表わされていると思う。既に対策に努力されていると思うが、是非、一層の努力をお願いしたい」旨、発言があった。

(7)平成18年中における暴走族の実態及び取締り結果について

交通局長から、暴走族構成員数、110番通報件数等が前年と比べて減少したが、い集・走行回数が微増したこと、暴走族構成員数に占める成人比率が初めて5割を越えたこと等について報告がなされた。

(8)交通安全施設等整備事業の在り方に関する懇談会の設置について

交通局長から、「平成20年に予定されている次期社会資本整備重点計画の策定に向け、警察が取り組むべき政策課題や現有施設の更新・改良方策等について検討するため、学識経験者等からなる懇談会を設置することとした」旨の報告がなされた。

(9)東京マラソン2007に伴う警視庁の主な対策内容等について

交通局長から、2月18日に開催される「東京マラソン2007」に伴う警視庁の主な対策内容等について報告がなされた。

3 その他

(1)吉田委員より、非違事案防止対策に関し、「今週の月曜日と火曜日に新潟県警察等を視察してきたが、同県警察の幹部や同県公安委員から得た話を少し申し述べたい。新潟県は、日本海側の中心にあり、また世界最大の原子力発電所を抱えていることなどから、治安対策上も非常に重要なところだと思うが、同県警察が平成18年に実施した『新潟県の治安と警察活動に関する県民意識調査』でも、『あなたは、現在の新潟県は、治安が良く、安全で安心して暮らせる県だと思いますか』との問いに対して、『そう思う』又は『どちらかといえばそう思う』と回答した人が63%で、非常に高い数字ではないかと思うし、『あなたは、新潟県警察にどのような印象を持っていますか』との問いに対して、『非常に良い印象を持っている』、『良い印象を持っている』又は『どちらかといえば、良い印象を持っている』と回答した人は67%で、平成15年の前回の調査と比較して数字が高くなっている。非違事案に関して言うと、平成18年中の懲戒処分は3件であったが、破廉恥な行為や飲酒運転によるものはないとのことであった。以上のことなどから、警察に対する好感度が割と高いのではないかと感じたが、その原因について、新潟県の公安委員長によると、『新潟県警察は警察官約4,000人の体制であるが、そのほとんどが新潟県出身者で、平たく言えば、世間の目も気になるであろうし、良い意味では、連帯感や絆が強いということがあるのではないか』とのことであった。この点は、様々な都道府県出身者を警察官として採用することとなる大規模な都道府県警察とは異なる事情ではないかと思った。7年前、新潟県警察において警察改革のきっかけの一つにもなった不祥事案が起きたが、この事案は、一般の警察官の不祥事が重なって問題になったというものではなく、一部幹部警察官の不謹慎な会食と遊興によるものなので、やはり地域性から見ると、非常に非違事案を起こしにくい情勢があるのだろうと思う。このようなことを踏まえると、先週の定例会議で官房長から説明のあった非違事案防止に係る今後の総合的な取組みについては、警察庁から都道府県警察に対して一律的に指示するだけではなく、各都道府県警察が地域の特性、県民性等を加味しながら、それぞれの地域にふさわしいものを付け加えるような形で対策を講じていくと効果が出るのではないかと感じている」旨、発言し、官房長から、「正確な分析ではないが、非常に県民から信頼され、また権威を持っていたりするような県警察は、委員のご指摘のように、その要因の一つとして地元出身者が多いということもあり得るのではないかと思っている。ただ、新潟県警察と同じように、地元出身者が多く、犯罪の抑止力もあり、非違事案の少なかった県警察でも、急に非違事案が増えているような県警察もあるので、委員からの『地元出身者』という重要なご指摘もあるが、やはり、時代の変化を踏まえた総合的な対策を講じていく必要があると思う。委員からご指摘のあった地域の特性、県民性を加味していくことは重要であり、今回も各都道府県警察で独自の取組みを付け加えていただきたいと思っている」旨、説明があった。

佐藤委員より、吉田委員の発言に関連して、「各地に行くたびに、地元のテレビや新聞を優先的に見るようにしているが、地域社会のマスコミにおける警察活動についての扱いは地域によってかなり違いがある。警察活動に理解の深いマスコミがある地域もあれば、むしろ逆のケースの地域もある。また、一般的な地域社会の新聞やテレビの場合には、社会で起きていることの良い面と悪い面の双方を扱っているが、それに対して、東京の新聞は、全国の事件を集めて掲載する形になっているので、全体的に社会の悪い面ばかりが強調される結果になっているという感じがする。いわゆる体感治安やそれにつながる警察のイメージを考えるためにも、吉田委員が言われたような内容を含めて、各地域社会におけるマスコミの受け止め方や世論について、我々も知っておくことが大事ではないかと思う」旨、発言があった。

(2)吉田委員より、富山県警察に逮捕された者が強姦等事件で有罪判決を受け、服役を終えた後に無実が判明した事案に関し、「今朝の新聞には、特定の捜査員に落ち度があったというよりも、組織的な捜査において結果的にミスをしたという状況にあることから、現時点において個人への懲戒処分は難しいという内容の記事が出ていたが、そのような判断がなされていると理解して良いのか」旨、質問し、刑事局長から、「無実が判明した男性の方から話を聞くなど、当時の捜査がどのようなものであったのかについて総合的に判断することとしており、現在の段階では、当時関係した捜査員は一生懸命捜査をしていたのは事実であり、また取調べの段階で自白を強要したというような事実も出てきていないことから、当時の捜査主任官や取調官に対して、今後このようなことが無いように厳重に注意しているところである」旨、説明があった。

葛西委員より、「現在判明している状況からすれば、『懲戒処分は難しい』ではなく、『懲戒処分とすべき事案ではない』と言うべきである。もちろん、捜査の過程で、事実をねじ曲げたとか、不適切な自白の強要をしたというような事実があれば、懲戒処分の対象かもしれないが、人間が常に完璧であることはあり得ないので、判断ミスということであれば、今回の事案については、人事評価における評価とし、基本的には懲戒処分の対象となる事案ではないと言い切るべきであると私は思う。懲戒処分の対象であるかどうかを曖昧にしたまま、懲戒処分は難しいという言い方はしない方が良いと思う」旨、発言し、長官から、「無実が判明した男性から詳細に話を聞いているところではあるが、現在の段階では、不適切な取調べをしたという状況は把握されていない。いずれにしても、関係した捜査員等をどのようにすべきかについては、全体像が明らかになってからではないかと考えている」旨、説明があった。