定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成19年3月1日(木)

午前1000分午前11時35分

第2 出席者 溝手委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、情報公開・個人情報保護室長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月14日付けを始めとする地方警務官171名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う政令等の整備について

生活安全局長から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、同法の施行期日を平成19年6月1日とすること等を定める政令案、運搬証明書の書換えの手続等を整備する政令案、運搬届出の手続等を整備する国家公安委員会規則案等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について

交通局長から、大気汚染の現況にかんがみ、局地汚染対策及び流入車対策を強化することとした自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、2月27日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。

(2)国会の状況について

官房長から、2月28日に行われた衆議院内閣委員会等の状況について報告がなされた。

(3)犯罪被害者等給付金の支給についての裁定に係るモデル審査基準の改正案に対する意見の公募について

官房長から、「3月2日から31日までの間、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律に基づく犯罪被害者等給付金の支給についての裁定に係る審査基準のモデル改正案を一般に公表し、意見の募集を行うこととした」旨の報告がなされた。

(4)公職選挙法違反事件に係る無罪判決について(鹿児島県警察)

刑事局長から、平成15年4月施行の鹿児島県議会議員選挙における公職選挙法違反事件について、2月23日、鹿児島地方裁判所において、被告人12人全員に無罪が言い渡された件について、その概要等について報告がなされた。また、首席監察官から、当該公職選挙法違反事件に関連する捜査過程に発生した取調べ時における不適切事案に関する処分状況について報告がなされた。

吉田委員より、「取調べの際にいわゆる踏み字をさせたとのことで、このような取調べを行っているとは誰も思ってもいなかったのではないかと思う。このような不適切な事案が二度と発生しないように今一度チェックすべきだと思う」旨、発言し、刑事局長から、「会議等のいろいろな場面において、適正な取調べをするように指導しているところであり、取調べにおいて違法な行為があった場合には、当該行為に関し刑事事件として送致できるものはすべて送致し、また関係した捜査員等を厳しく処分している。今回の無罪判決では、取調べにおいて暴行、脅迫等があったと指摘されているのではなく、取調べが長期間や長時間に及んでいたこと、被告人の供述には事実に反している部分があること等、取調べの全体から見て供述に信用性がないと指摘されたものではあるが、被告人12名全員が無罪というケースはほとんどないので、活かすべきものは活かすということで判決の中で指摘された事項を整理し、捜査の在り方について、今一度都道府県警察を指導してまいりたい」旨、説明があった。

吉田委員より、「立件した事実について今回無罪判決が出たのは由々しき問題だが、立件しなかった事実の取調べ過程で行われた、いわゆる踏み字の方が一般の人にはるかに悪い印象を与えているような気がする」旨、発言し、刑事局長から、「いわゆる踏み字については、先般の鹿児島地裁における国賠訴訟の判決で、違法性は十分に認められるとされ、また、踏み字という行為は、非常に関係者の感情を害するような行為でもあることから、判決内容を重く受け止めて関係者を処分したところである」旨、説明があった。

葛西委員より、「取調べ方法等の捜査手法は別として、限られた戦力の中でどのような事案を捜査対象にするかということは重要な判断であるが、例えば立件するに当たってのマイナスの供述や情報が出てきているにもかかわらず、捜査を継続して泥沼化し、撤退すべきタイミングを見失ってしまうということがあったとすれば、捜査における個々の問題というよりも、警察本部長等の幹部が持つ情勢判断能力や決断能力に大きな問題があるのではないかと思う」旨、発言し、長官から、「今回の事案は本部長指揮事件でもあることから、当時の警察本部長がどのような指揮をしていたのかも含めてきちんと調査をしたいと思う」旨、説明があった。

大森委員より、「刑事局長から説明のあった本件に対する問題意識と今後とるべき対応については、私も全く同感で特に異論はない。ただ、取調べ過程の不適正を指摘されて被告人12名全員が無罪になったことは由々しき問題であり、この種事案であるべきけじめについては、しっかりとつけるべきであると考えている。最後に取調べの可視化の問題について一言言っておきたいと思う。このような事案が積み重なっていくと、可視化の問題の外堀は少しずつ埋まって、将来、正面から可視化の対応を迫られるということになりかねないので、くれぐれもこのようなことがないように注意しておく必要があると感じている」旨、発言し、長官から、「まさに委員のご指摘のとおりであり、今後このような事案が続くと厳しい対応を求められかねないし、また特に統一地方選挙も近く施行されることから、適正な取調べの徹底を図っていきたい」旨、説明があった。

委員長より、「あえて付け加えることはないが、今回の事案に関しては、国会でも私や刑事局長が答弁しているところである。今後このような事案が続くと取調べの可視化の問題への対応が厳しいものになるので、取調べの適正という点は慎重にお願いしたい」旨、発言があった。

(5)ヤマハ発動機(株)による中国向け無人航空機不正輸出事件の検挙について

警備局長から、「静岡県・福岡県警察の合同捜査本部では、2月23日、外国為替及び外国貿易法により輸出が規制されている無人航空機を中国向けに不正に輸出しようとした、ヤマハ発動機株式会社の役員ら3名を通常逮捕した」旨の報告がなされた。

(6)アベック拉致容疑事案(新潟)に係る逮捕状の取得及び国際手配について

警備局長から、「昭和53年に新潟県で発生した北朝鮮によるアベック拉致容疑事案に関し、すでに実行犯として国際手配中の北朝鮮工作員の共犯者として、新たに2名の逮捕状を取得するとともに国際手配を行った」旨の報告がなされた。

(7)山梨県警察における情報流出事案の発生について

情報通信局長から、山梨県警察における情報流出事案の概要及び当該事案を受けた対応について報告がなされた。

吉田委員より、「鹿児島県警察における公職選挙法違反事件に係る無罪判決と山梨県警察における情報流出事案は全く性格の異なるものではあるが、このような事案が、最近のある企業のように次から次へと明らかになると警察の信頼を非常に損ねることになる。情報流出対策で言えば、昨年の春に徹底したウイニー対策等の情報流出対策を講じているものの、意識が未だ徹底されていない警察官がいるという前提に立って、再調査をするなどの対策を講じるべきではないかと思う。その他の問題としては、情報を流出させた本人の処分である。過去に愛媛県警察や岡山県警察で同様の事案が発生して関係者を処分しているが、今回の場合は、昨年3月に、本人を含めて全国の警察職員から提出させた『承認の無い私物パソコン等で警察情報を取り扱わない』旨、『ウイニーが導入されているパソコンを使用しない』旨等の確認書に違反しているものであり、愛媛県警察等の場合と比べて厳しい処分を考えるべきではないかと思う」旨、発言し、首席監察官から、「調査結果の内容にもよるが、厳しい処分になるのではないかと思う」旨、説明があった。

葛西委員より、「昨年の春以降、調査等を徹底し、かつ情報セキュリティに関する対処方針等を決定するなどの対策を講じていたにもかかわらず、今回のような事案が発生したことを考えると、今回の事案の発生を踏まえて再度調査を徹底するというより、今回の本人は完全な規律違反等であるから、本人を厳しく処分して他の警察職員の意識を更に徹底させるという形をとるべきではないかと思う」旨、発言し、長官から、「昨年の春に徹底した調査等を実施し、また、それ以降、情報セキュリティに関して更に厳しい対策を講じている。しかしながら、今回の警察官は、昨年春の調査時、個人的に警察情報を保有していること等をきちんと申告しなかったため、このような結果を招いたものである。このような警察官は他にいないと言い切れないため、再調査すべきではないかという意見もあるかもしれないが、本人がきちんと申告しないことには意味がないので、やはり情報セキュリティに関する指導・教養を徹底し、規律違反等があれば厳しく処分するという方針で望むとともに、電子データの暗号化を推進していくことが重要であると考えている。いずれにしても事案の全容が判明して処分方針が決まったら報告したいと思う」旨、説明があった。