定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成19年3月8日(木)

午前1000分午前11時50分

第2 出席者 溝手委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月23日付けを始めとする地方警務官50名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する開示請求に関する決定について

国家公安委員会会務官から、「2月8日付けで国家公安委員会委員長に対して行政機関個人情報保護法に基づき開示請求のあった保有個人情報について、国家公安委員会においては、開示請求に係る保有個人情報を保有していないため、不存在につき不開示とすることとしたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会委員長を代理する者の指定に係る互選について

現在、「委員長を代理する者」の第1順位である川口委員が3月12日に任期を終えることから、委員相互で互選を行い、3月13日以降の「委員長を代理する者」の第1順位を大森委員、第2順位を佐藤委員、第3順位を吉田委員、第4順位を葛西委員とした。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、3月7日に行われた参議院予算委員会等の状況について報告がなされた。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「静岡県警察の警部補が、交通事故事件の長期未処理の発覚を免れる目的で、人身交通事故に関する供述調書等を偽造するなどした事案に関し、同県警察は、3月9日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司ら9名を本部長訓戒等とする予定である」旨の報告がなされた。

大森委員より、「交通死亡事故に係る送致書や参考人調書を偽造して書類送致したとのことであるが、交通死亡事故であれば、通常、検察庁で参考人を呼び出すため、送致書類をチェックする段階で、不審な点があるとして送致書等の偽造が発覚しなかったのか」旨、質問し、首席監察官から、「この事案は検察庁において発覚したものではなく、警察において、交通事故の捜査状況を管理する電算システムを確認していたところ、虚偽入力が発覚し、これを契機とした調査の結果、送致書等の偽造が発覚したものである」旨、説明があった。

大森委員より、「どのような事案であっても書類を偽造することは許されないが、ましてや交通死亡事故のような重要な事件で、送致書や参考人調書を偽造することは論外である」旨、発言があった。

(3)平成18年中のストーカー事案の対応状況について

生活安全局長から、平成18年のストーカー事案の認知件数は12,501件で前年比+281件(+2.3%)であり、一方、ストーカー規制法の適用状況は、警告が1,375件で前年比+242件(+21.4%)であること等について報告がなされた。

(4)平成18年中の配偶者からの暴力事案の対応状況について

生活安全局長から、平成18年の配偶者からの暴力事案の対応状況は、認知件数が18,236件で前年比+1,348件(+8.0%)、配偶者暴力防止法に基づく裁判所からの保護命令の通知は2,247件で前年比+69件(+3.2%)であること等について報告がなされた。

(5)国土交通省地方整備局等発注工事からの暴力団排除の推進について

刑事局長から、「『暴力団資金源等総合対策ワーキングチーム』における検討を受け、国土交通省地方整備局等発注工事について、暴力団員等から不当介入を受けた場合に警察へ通報すること等を受注業者に契約上義務付ける仕組みを、4月1日以降、導入することとした」旨の報告がなされた。

(6)梁山泊グループ関係者による証券取引法違反(相場操縦)事件の検挙について

刑事局長から、「大阪府警察では、3月7日、証券取引法違反(相場操縦)で、梁山泊グループ関係者ら7名を逮捕した」旨の報告がなされた。

(7)平成18年中の30日以内交通事故死者の状況について

交通局長から、平成18年の30日以内交通事故死者は7,272人で、平成5年の統計開始以来、初めて7千人台前半となったこと等について報告がなされた。

(8)規制速度決定の在り方に関する調査研究の平成18年度における調査研究結果報告について

交通局長から、平成19年度以降の調査研究に係る業務計画の策定等を内容とする平成18年度調査研究結果について報告がなされた。

吉田委員より、「今回の調査研究結果報告をまとめている会社はどのような会社なのか。実績も信用もあるということで良いのか」旨、質問し、交通局長から、「交通管理等についてのコンサルタント会社である。昨年、入札に応募してきた数社で比較コンペを実施し、この会社から提示のあった調査研究の在り方や進め方が一番評価が高かったため、委託契約を行ったものである。調査研究検討委員会の委員についても、この会社で具体的に選定して依頼し、この委員会での議論を踏まえながら、平成18年度調査研究結果をとりまとめたものである」旨、説明があった。

大森委員より、「このような私的委員会を設置する場合、当該委員会の庶務は警察庁の担当課が行うのが通常であるが、委員会の運営自体も、この会社に任せているのか」旨、質問し、交通局長から、「委員会の仕切りは委員長が行うが、委員会の基本的な運営は、この会社に任せている。ただ、委員会として調査を行うような場合等には警察が関係してくることも少なくないので、交通規制課と会社とが相談しながら委員会を進めているところである」旨、説明があった。

大森委員より、「委託の仕方によっては、報告書自体の外部評価に関わってくることになるが、その点に問題はないのか」旨、質問し、交通局長から、「委員会での検討材料、検討経過はもちろん、それをまとめた検討結果そのものが評価の対象となると思うが、適宜警察庁と会社が相談しながら行っているほか、入札に関しても調査研究内容・方法等を審査できる評価方式を導入していること等から、報告書の内容の信頼性が薄れることはないと思う」旨、説明があった。

(9)山梨県警察における外部記録媒体紛失事案の発生について

情報通信局長から、山梨県警察における外部記録媒体紛失事案の概要及び当該事案を受けた対応について報告がなされた。

10)外部記録媒体等の情報セキュリティ対策の強化について

情報通信局長から、「情報流出事案の相次ぐ発生を踏まえ、この種事案の絶無を期すため、外部記録媒体等の情報セキュリティ対策を強化することとした」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)刑事局長から、鹿児島県警察に係る公職選挙法違反事件の無罪判決を受けての再発防止策及び関係者に対する措置方針等について報告がなされ、国家公安委員会から警察庁に対し、『今回の無罪判決を重く受け止め、各都道府県警察への指導が確実に実施され、その実効が上がるよう努めるべき』との見解が示された。

大森委員より、「被告人12名全員が無罪判決を受けたという結果は重大で、由々しき問題であり、公安委員会としても関心を持たざるを得ない。無罪判決における指摘事項には、耳を傾けるべきであり、前回の定例会議でも申し上げたとおり、きちんとけじめをつけるべきである」旨、発言があった。

吉田委員より、「刑事局長から説明のあった再発防止策及び措置方針については、そのとおり進めていただきたい。組織でもって捜査方針に基づき着手した事案で、今回の無罪判決というのは、特定の個人が大きなミスをしたというよりも、組織として行った結果である。結果からすれば由々しき問題であることを踏まえると、大変悩ましいが、措置内容としてはこの程度ではないかと思う。このような事案であまり結果を重視し過ぎると、今後の立件の困難な事案に対して、捜査が消極的になりかねない」旨、発言があった。

委員長より、「今回の事案は、公安委員会として重大な関心を持たざるを得ない事案であり、当時の警察本部長に対して、長官から文書により厳重注意することは適切な措置ではないかと思う。捜査の不適切さを指摘される事案が続いているので、徹底した再発防止策をお願いしたい」旨、発言があった。

長官から、「選挙違反事件の捜査指揮に当たっては、全体を見渡して、事件として立件できるかどうかを見極め、捜査から手を引くべき時は引くという判断をすることが警察本部長としての資質が問われる部分である」旨、説明があった。

(2)川口委員より、平成19年3月12日付けで国家公安委員を離任するに当たり、「私が公安委員に就任した時の状況、公安委員として警察庁に対して感じたこと、変わりつつある警察庁に感銘を受けたことについては、平成19年3月、国家公安委員会・警察庁発行の『公安委員会のしおり』に公安委員からのメッセージとして書いたので、本日は、それ以外のことを3点お話ししたい。公安委員に就任する前、私は警察の世界にほとんど縁がありませんでした。公安委員に就任したばかりのころ、当時の会務官室の職員と話している時に、『警察官は心の中にそれぞれ規範を持って、国民一人ひとりに向き合っている』『公安委員はそれぞれ真っすぐ前を向いて意見を述べたら良い』という考えを聞いて、非常に共感するところがあり感銘を受けたのを覚えている。私は研究者であり、国家や国際関係を遠くから客観的に観てきた。国民も、警察庁で行っていることを遠くから見ており、私も公安委員になるまでは、そのような国民の一人であった。国家公安委員になって、中に入ってみないと分からない政策決定や警察実務がどのように行われているのかを詳しく見る機会を与えていただいた。それを見ることによって、警察庁から外に出てくるアウトプットがどういう意味を持つものなのか、どうしてそのようになるのかということがよく分かった。さらには、警察庁からアウトプットされたものに対する国民の批判について警察庁の方々は一生懸命反省、再考し、いろいろと対策を講じていることも見せていただいた。これまでの5年間、多くのことを見聞きし、たくさんのことを感じた。そのうちのいくらかは言葉にして意見を述べたが、全てを言葉にできたとはいえない。最後に申し上げたいことは、法や政策に表現されている事柄は有限だが、国民一人一人の行動や社会現象として起きることは無限大で、その全てを知ることはできないし、予想することもできないということである。私はこのように感じていたということをお伝えしたいと思う。就任した当時は、就任期間の5年間は長いと思ったが、経ってみれば、あっという間の5年間であった。苦渋の5年間でもありました。これまでのご支援、心から感謝いたします」旨、あいさつがあった。

委員長より、「離任するに当たって、川口委員がどのような感想をお持ちかと興味深く聞かせていただいた。川口委員の就任期間は、警察改革に基づいて警察庁を含めた警察全体が変わっていく時期で、これまでに警察不祥事、刑法犯認知件数等が随分改善されてきたが、まさに、新しい警察のスタートとその実行に立ち会われたのだなと感じている。警察改革が始まったころからすれば、現在は、収束時期とは言えないまでも、当時から比べれば小康状態であることは間違いないのだろうと思う。この5年間、大変なご苦労があったと思うが、非常に熱心にお務めいただき、本当にありがとうございました」旨、発言があった。