定例委員会の開催状況

第1   平成2014日(木)

午前10時00分 午前11時40分

第2 出席者 泉委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、

情報通信局長

首席監察官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月24日付けを始めとする地方警務官等131名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「山口県警察の巡査部長が、平成19年6月に児童買春したとして、1月29日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、2月15日、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である」 旨の説明があり、原案どおり了承した。

(3)インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律案について

生活安全局長から、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童の犯罪被害が依然として深刻な状況にあることを踏まえ、届出制の導入による出会い系サイト事業者に対する規制の強化やフィルタリングの普及による児童による利用の防止措置の強化などを内容とする「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律案」について及び同法律案により新設される規制につき政策評価法に基づき行った事前評価について説明があり、同法律案及び事前評価書案を原案どおり決定した。

(4)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について

刑事局長から、最近の暴力団員による銃器使用事件や資金獲得活動の状況を踏まえ、指定暴力団の威力を利用して行った資金獲得行為についての指定暴力団の代表者等の損害賠償責任を規定すること、対立抗争に係る暴力行為の賞揚や被害者による損害賠償請求の妨害等の不当行為を規制することなどを内容とする「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議請議することについて及び同法律案により新設される規制につき政策評価法に基づき行った事前評価について説明があり、同法律案及び事前評価書案を原案どおり決定した。

(5)太州会、三代目俠道会及び九州誠道会の指定の確認について

刑事局長から、太州会、三代目俠道会及び九州誠道会が暴力団対策法第3条の要件に該当するかどうかにつき、それぞれ福岡県公安委員会、広島県公安委員会及び福岡県公安委員会からなされた確認請求について説明があり、暴力団対策法第6条に基づき、それぞれの暴力団が同法第3条の要件に該当する旨の確認をした。

長官から、「昨年来の道仁会と九州誠道会との対立抗争事件は、最近新たな事件の発生はないが予断を許さぬところ、現在九州誠道会は指定されていないので、暴力団対策法による事務所使用制限命令等の行政命令は発出できない。九州誠道会の指定により、事務所の使用制限命令などの新たな手法をとることができる」旨の説明があり、佐藤委員より、「所要の事務を早期に処理したことを評価する」旨、発言した。

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成19年度第3四半期会計監査の実施状況について

官房長から、会計の監査に関する規則に基づき、昨年10月から12月までに実施された県警察等に対する会計監査の実施状況の概要について報告があった。

(3)G8ローマ/リヨン・グループ2月会合結果、G8司法・内務大臣会議の準備状況等について

官房長から、2月3日から5日までの間、東京都内において開催されたG8の国際組織犯罪・テロ対策の専門家会合であるG8ローマ/リヨン・グループ会合の結果及び本年6月に開催されるG8司法・内務大臣会議の準備状況等について報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「本日の了承事項で説明した山口県警察の巡査部長が児童買春したとして通常逮捕された事案に関し、同県警察は、2月15日、同巡査部長を懲戒免職とする予定である」旨の報告があった。

(5)自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の活動状況について

生活安全局長から、平成19年12月末における防犯ボランティア団体の結成状況、活動状況及び自主防犯パトロール車への青色回転灯の装備状況等について報告があった。

(6)銃砲に関する地域住民の不安にこたえるための施策等の推進について

生活安全局長から、「現在、銃砲に係る2つの『総点検』を実施中であるが、銃砲行政に対する国民の不安にこたえ、その信頼を回復するため、各都道府県警察に対し、地域警察部門における対応の強化、警察相談専用電話(#9110番)等の活用などを指示した」旨の報告があった。

葛西委員より、「『不安にこたえる』とあるが、警察の本来の任務は、不安の原因を除去して『安全』を確保することにある。最近は、警察だけでなく、行政も企業も、相手の不安にこたえるとか、相手の気持ちに反応するということを重視するが、そのような迎合的な姿勢で仕事をしてはいけないのではないか。『安全』と『安心』は表裏一体であり、『安全』を実現すれば『安心』が付いてくる。そこを忘れて『安心』だけを追い求めるような風潮とは、距離を置くべきだ」旨、発言し、生活安全局長から、「今回の報告は、『安全・安心』の『安心』の部分に重点を置いたものではあるが、『総点検』により、所持する必要のない銃砲を所持しているなど銃砲許可行政に緩みがあるということが判明し、こういった緩みを是正することによって『安全』を実現するものである。その上で、そのことを国民に知ってもらうことによって無用な不安感を除去していくというものである」旨の説明があった。

(7)平成19年中のインターネット上の自殺予告事案への対応状況について

生活安全局長から、平成19年中に都道府県警察がプロバイダ等からの情報開示を受けて対応したインターネット上の自殺予告事案は、121件121人であったこと等について報告があった。

(8)平成19年の暴力団情勢について

刑事局長から、暴力団構成員等の状況、暴力団犯罪の検挙状況、暴力団排除活動の現状等、平成19年の暴力団情勢について報告があった。

(9)革マル派非公然アジトの一斉摘発について

警備局長から、「2月8日、神奈川県警察と警視庁は、神奈川県川崎市内等に所在する革マル派非公然アジト4か所を一斉に摘発した」旨の報告があった。

3 その他

(1)1月31日の定例会議において吉田委員から発言のあった運転シミュレーターに関し、交通局長から、飲酒運転シミュレーターの活用状況等について報告があった。

葛西委員より、「『シミュレーター』というが、航空機のパイロットの訓練に用いられるような、実際の運転に代替しうるような精度の高いものではない。特定の変数に着目し、特定の状況を印象深く体験するためのものであろう。その点を踏まえて広報等に活用すべきだ」との発言があった。

(2)吉田委員より、「最近、自転車用の道路があちこちで整備され、普段通行していた場所に突然自転車用の道路ができていたりするが、これまで同様、歩道を通行している自転車もある。自転車用の道路であることを示す標示がなかったり、路面の着色がまちまちであったりして利用者が戸惑うのではないかと思う。まだ、整備が進んでいない今の段階から対応を検討しておいた方がよいのではないか」旨、発言し、交通局長から、「標示等の斉一性が必要ではないかという御指摘は、そのとおりである。国土交通省とともにガイドブックを作成し配付するなどしているが、各自治体が社会実験として行うなど様々な取組みがなされている。路面の色については、国土交通省と相談している。いずれにしても、通行する利用者に分かることが重要であり、そこはきちんとしたい。自転車通行環境の整備の取組みはスタートしたばかりで、まだ、課題も多いが、御指摘のとおり、手遅れにならないようしていきたい」旨の説明があった。