定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成20年10(木)

午前10時00分 午前11時00

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

総括審議官、首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

総括審議官から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)国家公務員制度改革基本法案について

総括審議官から、4月4日に閣議決定された国家公務員制度改革基本法案の概要等について報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「四国管区警察局の技官が、入居していた国家公務員宿舎の共益費等を横領した事案に関し、4月11日、同技官を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、当時の上司を局長注意の措置とする予定である」旨及び「九州管区警察局における会計文書廃棄事案に関し、民間法人に出向していた元同局総務監察部会計課指導官が、警察庁に復職したことから、4月10日付けで、戒告処分とする予定である旨の報告があった。

吉田委員より、「1件目の横領事案については、当人はすさんだ生活だったようだが、同僚はその兆候を察知していなかったのか」旨、質問し、首席監察官から、「問題になることをおそれ、当人が周囲の者にわからないように注意していたため、誰も気付かなかった」旨の説明があった。

長官から、「情報技術職員による非違事案が目立つので、予防的な対策が必要であると考える」旨、発言した。

葛西委員より、「2件目の会計文書廃棄事案は、懲戒処分相当か」旨、質問し、長官から、「この事案は、平成16年に発生した事案で、当時、関係者を統一的な基準で処分した。当人は民間法人に出向していたため、処分が今になったものである」旨の説明があり、佐藤委員より、「当時の上司なども処分を受けているのか」旨、質問し、首席監察官から、「当時、上司である課長も戒告とされている」旨の説明があった。

(4)消費者行政のあり方に関する検討動向について

生活安全局長から、国民生活審議会による「消費者・生活者を主役とした行政への転換に向けて」の取りまとめ等消費者行政のあり方に関する関連会議の動き及び警察の対応について報告があった。

葛西委員より、「『消費者・生活者を主役とした行政』というのはあいまいな表現ではないか」旨、発言し、生活安全局長から、「報告書の用語をそのまま使ったものであり、警察としては、何をなすべきかきちんと詰めたい」旨の説明があった。さらに、同委員より、「『安全・安心』にいう『安心』もあいまいになりがちだ。『安全』を確保すれば『安心』はそれについてくるというように割り切って考えてはどうか」旨、発言し、長官から、「あくまで私見であるが、『安全』というものがある程度客観的にとらえられるのに対し、『安心』の方は主観的なイメージという性格が強いのではないか。『安全』の水準から『安心』の水準が一義的に決まるというものではないので、両方への配慮が必要であると思う」旨の発言があった。

(5)取調べ室の構造及び設備の基準の運用上の留意事項について

刑事局長から、「警察捜査における取調べ適正化指針」の実施のための「犯罪捜査規範の一部を改正する規則」を施行するため、取調べ室の構造及び設備の基準の運用上の留意事項を定めた通達を各都道府県警察に発出する旨の報告があった。

(6)横須賀市汐入町路上におけるタクシー運転手強盗殺人事件について(神奈川県警察)

刑事局長から、3月19日に横須賀市汐入町路上において発生したタクシー運転手強盗殺人事件について、事案概要、捜査の経過等の報告があった。

(7)前文部科学省大臣官房文教施設企画部長らによる贈収賄事件について(警視庁)

刑事局長から、「4月4日、警視庁において、前文部科学省大臣官房文教施設企画部長らによる贈収賄事件の被疑者を贈収賄容疑で逮捕した」旨の報告があった。

(8)改正道路交通法の施行後の状況について

交通局長から、平成19年9月に施行された飲酒運転とその周辺者に対する制裁の強化等を内容とする改正道路交通法の施行後6か月の状況について報告があった。

(9)自転車通行環境整備モデル地区の一部供用開始について

交通局長から、自転車通行環境整備モデル地区として一部供用を開始した東京都亀戸地区、幡ヶ谷地区の状況等の報告があった。

吉田委員より、「従来、交通体系の中でマイナーな存在であった自転車に注目が集まるようになったのはよいことだ。幼児2人同乗の問題とかスピードを出し過ぎて危険な自転車の問題など、国民の関心が高くなっている。自転車の安全な通行のため引き続き努力をお願いしたい」旨、佐藤委員より、「吉田委員の御指摘のように自転車に焦点を当てることは大事だが、そのほかにも高齢化社会の中で歩行者をどう守るかといったことも重要な課題であろう。従来、車に焦点を当てて考えていた交通行政も、大きな見直しの時期に差し掛かっているのかもしれない。一方通行の見直しなども含めて、自動車、自転車、歩行者の安全通行を守るために、この機会にもう少し総合的、立体的に対策を考えてもよいのではないか」旨、それぞれ発言し、交通局長から、「これまで、重大交通事故防止対策はかなり手を打ってきた。今後、事故を一層減らしていくためには、やや手薄であった歩行者、自転車対策、生活道路における対策についても委員御指摘のような方向で取り組む必要があると考える」旨の説明があった。

葛西委員より、「一般論としてであるが、細かく規制して、それをいちいち担保していくよりも、むしろ、できるだけ汎用的なルールを定め、あとは常識人の自己責任により安全を確保するという方向にいくべきではないか。違反等によって事故を起こしたときはその結果責任を問うという方が効率的であり、やたらに細かく事前介入するというのでは行政を肥大化させることになりかねない。歩道を自転車が走るということは、速度がゆっくりである限り、それほど目に角を立てる必要はないのではないか」旨、発言し、吉田委員より、「確かに、規制というより、社会の慣行として定着していくというのが理想的であるが、現在の無秩序の状態では、具体的な対応手段も必要だと思う」旨、佐藤委員より、「交通安全等の啓発活動においても『マナーを守る』というあいまいな言い方から『ルールを守る』ことを強調するように変わってきている。その一方で、きめ細かな対策が必要な部分もあり、これらのバランスが大事だと思う」旨、それぞれ発言し、交通局長から、「交通事故防止の基本的な考え方は、交通を分離することである。自転車については分離が不十分であるという実態があり、これを踏まえた取組みが求められている」旨の説明があった。

10)規制速度決定の在り方に関する調査研究の平成19年度における調査研究結果報告について

交通局長から、平成18年度を初年度として3箇年計画で実施している規制速度決定の在り方に関する調査研究の2箇年度目の結果について報告があった。