定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成20年12日(木)

午前10時00分 午前120

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、情報通信局長

長官官房審議官(生活安全局担当)、長官官房審議官(警備局担当)

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「6月12日付け地方警務官1名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)国家公務員制度改革基本法について

官房長から、6月6日に成立した国家公務員制度改革基本法について、政府案からの主な修正内容、改革のスケジュール等の説明があった。

(3)外神田1丁目先路上における無差別殺人事件について(警視庁)

刑事局長から、6月8日、東京都千代田区内において発生した無差別殺人事件に関し、事案概要、捜査経過等について報告があった。

吉田委員より、「先日、実際に事件現場に行って自分の目で確かめてきた。種々の報道はあるが、現場での警察官の対応は大変評価すべきと思う」旨、発言した。長官から、「関係者が多数に上るなどいまだ捜査の過程ではあるが、犯人の制圧、逮捕に当たった警察官については、警察庁としても表彰を考えている」旨、発言した。

(4)外神田1丁目先路上における無差別殺人事件を踏まえた対応について

(3)に引き続き、長官官房審議官(生活安全局担当)から、各都道府県警察に対して繁華街等における街頭活動の強化について通達を発出したことなど本事件を踏まえてこれまでに講じた施策や今後の検討事項について報告があった。

吉田委員より、「今後、刀剣類対策を検討するのはもちろんであるが、無差別大量殺人の防止の観点から、引き続き銃器対策も進めてほしい」旨、発言した。長官官房審議官(生活安全局担当)から、「銃砲については、所持許可の欠格要件を厳格化するなど銃刀法の改正を検討している」旨、説明があった。

葛西委員より、「使用されたナイフに関する対症療法的な対策を検討することももちろん必要であるが、より根本的には、各種の不審情報を把握して、事件を未然に防いでいくことにも腰を据えて取り組むべきだと思う」旨、発言し、吉田委員より、「この種の事案に対しては、警察行政だけでなく、関係機関等と連携しつつ、総合的に取り組む必要がある。諸外国の取組み例も参考にしてほしい」旨、佐藤委員より、「今後の対策の参考とするためにも、今回の事件の調査結果を改めて詳しく報告してほしい」旨、発言した。

(5)携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案について

刑事局長から、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律の成立経緯、法律の概要、警察の対応等について報告があった。

(6)「振り込め詐欺対策室」の設置と第1回会議の開催について

刑事局長から、振り込め詐欺について、これまでの検挙対策、予防対策を抜本的に見直し、総合力を発揮した対策を企画・立案するため、次長を室長とする「振り込め詐欺対策室」を設置し、昨日、第1回会議を開催した旨の報告があった。

田尾委員より、「振り込め詐欺については、これまでの取組みには限界があり、対策室には大いに期待したい。振り込め詐欺は現代型犯罪の典型で、今までの捜査手法の限界を感じさせるものである。自民党のワーキングチームでも検討されている携帯電話の通話履歴データの保存期間の延長は、捜査に有効であり、是非努力して実現していただきたい。コスト面など種々の問題点があろうが、いずれも克服は可能であると思う。また、現行法では通信傍受の対象犯罪となっていない組織的詐欺について、この機会に、対象犯罪に含めることの議論を始めるべきである」旨、発言し、刑事局長から、「携帯電話の履歴の保存期間の延長についてはIT化の進展の中で、いわゆるトレーサビリティの確保が重要だと考えており、御指摘のとおりである。通信傍受については、司法制度改革の流れの中で、新たな捜査手法についても検討を進めることとされている」旨の説明があった。

佐藤委員より、「通信傍受は制度としては存在するものの十分活用されていないようなので、田尾委員の御意見に賛同する。また、可視化の議論に際して、いろいろな捜査手法の活用を全体として検討していくべきであるとの指摘がよくなされるが、今回のような機会をとらえ、この課題についても議論を深めてほしい」旨、発言した。

(7)天皇皇后両陛下の第59回全国植樹祭御臨場等(秋田県)に伴う警衛警備について

長官官房審議官(警備局担当)から、「天皇皇后両陛下は、6月14日から16日までの間、第59回全国植樹祭御臨場等のため、秋田県へ行幸啓になる。これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

(8)皇太子殿下のブラジル国御訪問に伴う警衛警備について

長官官房審議官(警備局担当)から、「皇太子殿下は、6月16日から27日までの間、ブラジル移住百周年記念式典御臨席等のため、ブラジル国を御訪問、その途次、米国にお立ち寄りになる。これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

3 その他

(1)長官官房審議官(生活安全局担当)から、前回の定例会議に引き続き、生活安全警察に関係する議員立法である「地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案」及び「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」の動向について報告があった。