定例委員会の開催状況

第1  日 時 平成20年日(木)

午前10時00分 午前135

第2 出席者 林委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、

情報通信局長

首席監察官、情報公開・個人情報保護室長

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「8月25日付けを始めとする地方警務官等84名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、福岡県警察の警視正が、7月13日、最高速度違反で検挙された事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、8月7日、同警視正を本部長注意の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

(3)警備員等の検定等に関する規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集について

生活安全局長から、雑踏警備業務における検定合格警備員の配置基準を定める警備員等の検定等に関する規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

(4)犯罪による収益の移転防止に関する法律第17条第1項の規定に基づく意見陳述の実施について

刑事局長から、犯罪収益移転防止法の規定に基づき、同法違反が認められる東京都内の郵便物受取サービス事業者について、国家公安委員会から所管行政庁である経済産業大臣に対し、当該事業者への是正命令を行うべき旨の意見を述べることとしたい旨の説明があり、原案どおり決定した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(行政機関情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、8月1日までの間に警察庁長官に対してなされた行政文書の開示請求の状況及び開示請求に対する決定について報告があった。

(2)平成20年第2四半期における地方警務官に係る贈与等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成20年第2四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員会委員長が受理した。このうち、指定職以上の職員に係るものについて写しを国家公務員倫理審査会へ送付した」旨の報告があった。

(3)平成21年度警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)及び概算要求基準について

官房長から、平成21年度警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)及び概算要求基準について報告があった。

(4)インドネシア市民警察活動促進プロジェクト6周年記念式典への出席等について

次長から、8月1日にインドネシア共和国所在メトロ・ブカシ警察署において開催された「インドネシア市民警察活動促進プロジェクト」6周年記念式典への出席、インドネシア国家警察改革支援プログラムの現況等について報告があった。

(5)「銃砲規制等の在り方に関する意見書」に対する意見公募の結果について

生活安全局長から、7月17日から31日までの間に実施した「銃砲規制等の在り方に関する意見書」に対する意見公募の結果について報告があった。

(6)平成20年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について

生活安全局長から、平成20年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙件数は777件で、前年同期と比べて130件減少したこと、出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った児童は356人で、前年同期と比べて248人減少したことなどの報告があった。

(7平成20年上半期の少年非行等の概要について

平成20年上半期の少年非行等の概要について、資料の配付をもって報告があった。

(8)薬物乱用対策推進本部会合の開催及び「第三次薬物乱用防止五か年戦略」の策定等について

刑事局長から、内閣総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部会合が、8月中旬又は下旬に開催される予定であり、同会合において、薬物密売組織の壊滅、末端乱用者に対する取締りの徹底等を目標に掲げた「第三次薬物乱用防止五か年戦略」が策定される予定である旨の報告があった。

佐藤委員より、「新たな戦略目標の一つに『国際的な連携・協力の推進』があるが、薬物分析技術等を活用した取締りは非常に効果的であり、もっと広げていく必要があると思う。国際的にも大いに宣伝すればよいと思う」旨、発言した。

(9)山口組傘下組織会長らに対する組織的けん銃等加重所持罪の初適用について

刑事局長から、新潟県警察が検挙した山口組傘下組織会長らが組織としてけん銃及び実包を保管所持していた事件について、昨年末に施行された改正銃刀法による組織的けん銃等加重所持罪が初適用され、同組織を壊滅に追い込んだ旨の報告があった。

10平成20年上半期の薬物・銃器情勢について

平成20年上半期の薬物・銃器情勢について、資料の配付をもって報告があった。

11平成20年上半期における来日外国人犯罪の検挙状況について

平成20年上半期における来日外国人犯罪の検挙状況について、資料の配付をもって報告があった。

12「来日外国人犯罪対策及び不法滞在・不法就労防止のための活動強化月間」の実施結果について

「来日外国人犯罪対策及び不法滞在・不法就労防止のための活動強化月間」の実施結果について、資料の配付をもって報告があった。

13「終戦記念日」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、「8月15日、天皇皇后両陛下御臨席のもと、政府主催の『全国戦没者追悼式』が内閣総理大臣等の警護対象者、遺族等が出席して日本武道館において開催されるほか、靖国神社及び千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、閣僚等警護対象者の参拝が見込まれる。また、全国各地で各種の取組みが予定されているため、所要の警衛警護警備等を実施する」旨の報告があった。

14全教「教育研究全国集会2008」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、8月21日から24日までの間、京都市において開催される全日本教職員組合の「教育研究全国集会2008」に対して、右翼が同組合批判の街頭宣伝活動等に取り組むものとみられることから、所要の警戒警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)首席監察官から、大阪府警察における特別公務員暴行陵虐事案の概要、処分等について、刑事局長から、取調べの適正化施策の徹底について報告があった。

(2)吉田委員より、中国製冷凍餃子薬物混入事件に関し、「中国国内で、事件後に回収された餃子が流通し、被害が出ていた旨の報道があったが、現在の捜査状況と今後の見通しはどうか」旨、質問し、刑事局長から、「外国が関係する事柄でもあり、今後の見通しについて明確にお答えすることは困難だが、従来から、中国公安部とコンタクトをとっていたところ、今回、中国は餃子によって国内で被害が生じていることを公表した。日本国内の捜査はほぼ終了しており、中国側の捜査が進展するように外務省とも連携しつつ、更なる情報交換を働きかけるなど早期に事件が解決するよう努力してまいりたい」旨の説明があり、葛西委員より、「報道機関の関心も高いようであるが、従来からの当方の見解につき心証が強まることはあっても、具体的な捜査の上で新たに付け加えるべきものはなく、当方としてやるべきことは済んでいて先方の捜査を見守っていくというものであることを示せばよいのではないか」旨、発言した。

吉田委員より、「2月に次長が中国を訪問し、中国公安部との首脳級会談を実施して事件解決に向けて連携を密にしていくことについて合意したが、今回の事態についてどのように考えているか」旨、質問し、次長から、「合意の後、節目節目での連携を強化しており、両国の基本的な関係は変わっていない。引き続き、日本側からも働きかけて情報交換を進めていくべきだと思うが、日本とは制度や手続などが異なり、日本側の考えだけでは進められない。中国側の事情を見ながら最終的に成果を得られるようにしたい」旨の説明があり、佐藤委員より、「日本国内において捜査が可能な項目については、ほとんど終了しているとのことだが、国民の関心も高いことから、引き続き、中国側と緊密に連携して事案の解明に向けて努力していただきたい」旨の発言があった。