定例委員会の開催状況

第1   平成212日(木)

午前10時00分 前1130

第2 出席者 佐藤委員長、佐藤、吉田、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、情報公開・個人情報保護室長

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月2日付けを始めとする地方警務官等58名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案について

刑事局長から、エクスパック等を利用して現金等を郵便物受取サービス業者へ送付させる手口の振り込め詐欺事案等に対処するため所要の改正を行う犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案及び同命令案に対する意見公募手続の実施結果の公示について説明があり、原案どおり決定した。

(3)「道路交通法の一部を改正する法律案」について

交通局長から、高齢運転者が安全な運転を継続できるような支援策の充実を図る「道路交通法の一部を改正する法律案」及び同法律案に対する意見公募手続の実施結果の公示等について説明があり、原案どおり決定した。

高齢者の交通安全対策に関連して、吉田委員より、「先日、福井県に出張し、高齢者交通安全リーダーが寸劇により指導する様子を視察したが、集まった高齢者も熱心に見ており、ボランティアの活動に感心した。また、繊維産業の伝統がある同地の地域の企業が開発した光る繊維で作った帽子などを見た。先端的な技術であり、反射材とは違って身に付けやすく、わずかな光でも光るので非常に良い。全国的に普及すればよいと思う」旨、発言し、交通局長から、「まだ単価が高く、反射材のように講習会などで配布はされていないが、視認性をよくするものであり、様々な機会に紹介したい」旨の説明があった。

(4)「緊急自動車の指定に関し、医療機関において必要とされる体制の基準」について定める国家公安委員会告示案に対する意見の募集について

交通局長から、道路交通法施行令の一部改正により、都道府県公安委員会が緊急自動車として指定することができる自動車に在宅ホスピスにおける医師の緊急往診に使用する自動車が追加されたことに伴う国家公安委員会告示案の意見公募手続について説明があり、原案どおり決定した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の状況等について(行政機関情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、2月6日までの間に警察庁長官に対してなされた行政文書の開示請求の状況及び開示請求に対する決定について報告があった。

(2)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(3)平成20年第4四半期における地方警務官に係る贈与等報告書について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から平成20年第4四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員会委員長が受理した。このうち、指定職以上の職員に係るものについて写しを国家公務員倫理審査会へ送付する」旨の報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、青森県警察の警部補が酒気帯び運転をした事案に関し、同県警察は、2月12日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司4名を戒告処分等とする予定である旨の報告があった。

(5)L&Gグループによる広域多額組織的詐欺事件被疑者の逮捕について

生活安全局長から、L&Gグループによる広域多額組織的詐欺事件について、事案概要、捜査状況等の報告があった。

(6)平成20年中のインターネット上の自殺予告事案への対応について

生活安全局長から、平成20年中に都道府県警察がプロバイダ等からの情報開示を受けて対応したインターネット上の自殺予告事案は、180件、196人であったこと等について報告があった。

長谷川委員より、「多くの人の目に触れるというインターネットの特性から、インターネット上の自殺予告は目立つので、このような対策も講じられ、成果も上がる。しかし、自殺者は年間3万人というオーダーであり、その兆候が周囲に気付かれないまま自殺している多くの者に対する対策が主要なターゲットである」旨、発言し、生活安全局長から、「自殺対策については、法律もできており、内閣府を中心に関係機関が連携して取り組んでいる」旨の説明があった。

(7)三笠フーズ(株)による事故米穀の不正規流通事案に係る被疑者の逮捕について

生活安全局長から、大阪府警察、福岡県警察及び熊本県警察の合同捜査本部が、2月10日、三笠フーズ(株)の社長ら被疑者5名を不正競争防止法違反容疑で逮捕した事案について、事案概要、捜査状況等の報告があった

(8)第14回アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC-14th)について

刑事局長から、2月17日から20日までの間、第14回アジア・太平洋薬物取締会議を開催し、32か国、2地域、2国際機関の薬物捜査幹部が参加する予定である旨の報告があった。併せて、台湾については、別途開催されるバイの会合等を通じて連携を緊密化していく旨の報告があった。

(9)船舶利用の大量覚せい剤密輸入事件の検挙について

刑事局長から、2月7日、警察、海上保安庁等の合同捜査により、外国漁船を利用した覚せい剤密輸入事件を検挙し、覚せい剤約120㎏を押収し、被疑者9名を逮捕した旨の報告があった。

10)全教「第26回定期大会」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、2月14日から15日までの間、東京都内において開催される全教(全日本教職員組合)の「第26回定期大会」に対して、右翼が全教批判の街頭宣伝活動等に取り組むとみられることから、所要の警戒警備を実施する旨の報告があった。

11)麻生内閣総理大臣のサハリン訪問に伴う警護警備について

警備局長から、麻生内閣総理大臣は、2月18日、サハリンを訪問する方向で調整中であり、訪問することとなった場合には、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

12)クリントン・アメリカ合衆国国務長官来日に伴う警護警備について

警備局長から、クリントン・アメリカ合衆国国務長官は、2月16日から18日までの間来日し、麻生内閣総理大臣との会談、中曽根外務大臣との日米外相会談等を行う予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長及び生活安全局長から、平成20年11月13日の定例会議で報告があった東京都足立区内における女性監禁殺人事件に係る民事訴訟について補足的な報告があった。

吉田委員より、「家出人捜索願の届出はどのくらいあるか。そのうち特異家出人はどのくらいか」旨、質問し、生活安全局長から、「平成19年中に家出人捜索願を受理した家出人は8万8,489人であり、そのうちの約38%が特異家出人である」旨の説明があった。

長谷川委員より、「家出人捜索願の届出者は保護者等であるとの説明があったが、これは『家族』がきちんと成り立っていた時代の考え方で、今やその前提が変わってしまっているのではないか。捜索願を出せる者の範囲は別の観点から検討すべきだと思う」旨、発言し、また、同委員より、「私の経験から言うと、相談などの市民応接については、解決したかどうかという結果とは別に、警察が誠心誠意対応してくれたかどうかという、相手方の受けた印象が大事である。システムとして改善策を講じることも必要だが、最後は人間関係に帰着する。一人一人の職員の問題だが、対応する者が最善を尽くしたということが相手方に伝わるようにすることが大切だ」旨、発言し、生活安全局長から、「全くそのとおりであり、相談を受ける者が自らの問題として対応するよう今後とも徹底してまいりたい」旨、長官から、「正に市民との接点であり、心してまいりたい」旨の発言があった。

(2)刑事局長から、兵庫県内で発生したタクシー運転手被害に係る強盗殺人事件、神奈川県小田原市内において発生した女性殺人・死体遺棄事件及び愛媛県松山市内の山中における女性被害の殺人・死体遺棄事件について、それぞれ被疑者を検挙した旨の報告があった。

(3)刑事局長から、振り込め詐欺の認知件数及び被害総額の状況について報告があった。

吉田委員より、「本年1月末現在の数値は、統計を取り始めて以降、最少の被害だったという説明であったが、各種の取組みの効果が現れているのではないか。警察だけでなく、いろいろなところを巻き込んだキャンペーン型の取組みは、振り込め詐欺のほか飲酒運転防止でも有効であったが、これをマルチ商法の被害防止にも行えないか。民間にある金融資産は1,500兆円とも言われているが、低金利時代でみんな資金の運用に困っており、同様の被害はまだまだ発生する可能性があるのではないかと思う」旨、発言し、長官から、「被害者に利殖動機の強いものについてはなかなかそのすべてに手が回らないが、少なくとも、悪質な訪問販売のような高齢者等弱者を食い物にするものについては、きちんと対応したい」旨、生活安全局長から、「振り込め詐欺の被害防止対策の一つとして、警察では、最も被害に遭いやすい高齢者に対する巡回連絡を強化しているが、その際、悪質商法の被害防止についても併せて注意喚起を行っている。引き続き、関係機関とも協力していきたい」旨の説明があった。