定例委員会の開催状況

第1   平成219日(木)

午前10時00分 前1115

第2 出席者 佐藤委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月26日付けを始めとする地方警務官等16名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について

刑事局長から、暴力団対策法の規定による命令の的確な発出等を確保するため、立入検査の要件を類型化、明確化するなどの改正を行う規則案の制定及び同案に対する意見公募手続の実施結果の公示について説明があり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、広島県警察の巡査長が泥酔による被保護者の所持金を窃取したとして2月27日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、3月19日、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成21年度会計監査実施計画について

官房長から、平成21年度会計監査実施計画について、重点項目、対象部署、実施時期等の報告があった。

(3)オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況について

官房長から、オウム真理教犯罪被害者救済法の施行後3か月の申請状況、裁定状況等について報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(3)で説明のあった広島県警察の巡査長による窃盗事案に関し、同県警察は、3月19日、同巡査長を懲戒免職処分とする予定である旨並びに奈良県警察の警部及び警部補が収賄事件の容疑者に捜査情報を漏らしたとして2月24日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、3月16日、両名を懲戒免職処分とした旨の報告があった。

吉田委員より、「かつては風俗営業や暴力団への手入れ情報の漏えいが多かった時代もあったと思うが、捜査情報の漏えいを根絶させるための教養は今も強くなされているのか」旨、質問し、首席監察官から、「捜査上、保秘は事件検挙の大前提であり、教養は徹底している。外部に捜査情報を漏らすこと自体が犯罪行為であることも捜査に携わる者であれば当然分かっていることである」旨の説明があり、長官から、「本年になって懲戒免職事案が目立つが、その中でもこの事案は職権を乱用したものであり、最も悪質だと思う。上司の業務管理についても問題があったのではないかと思う。奈良県では以前も同種の問題があり、厳しく対応する必要がある」旨の説明があった。

葛西委員より、「2件の事案とも、本来、警察が取り締まる側であるはずの事案であるが、不祥事案の中でこの種のものは多いのか」旨、質問し、官房長から、「非違事案を業務上のものと私行上のものに分類すると、業務上の非違事案の割合は少なくなってきている。非違事案全体についても絶対数は減少している」旨の説明があった。葛西委員より、「対策としては、監督するというよりも、何か使命感を高めるような方策を講じる必要があるのではないか。褒められることが多いと自己抑制がききやすいが、最近は、叩かれることばかりで、全体として士気が落ちて、免疫力が落ちているような感じがする」旨、発言した。

(5)警備員等の護身用具の携帯の禁止及び制限に関する都道府県公安委員会規則の基準について

生活安全局長から、警備業務を取り巻く情勢の変化等を踏まえ、刺股の携帯を認めることとするなど警備員等の護身用具の携帯の禁止及び制限に関する都道府県公安委員会規則の基準を改める旨の報告があった。

(6)「住宅等侵入犯罪防止対策のあり方に関する調査報告書」について

生活安全局長から、平成16年に全面施行された特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の附則第3条の規定に基づき、同法の施行状況や今後の侵入犯罪の防止対策の検討を行うために開催された有識者委員の検討結果を取りまとめた旨の報告があった。

田尾委員より、「報告書の17ページに記述があるカード錠の被害はどのようなものか。また、カード錠が指定建物錠に指定されていないのはなぜか」旨、質問し、生活安全局長から、「カード錠に対する犯行は、カード錠本体とドアノブの物理的な破壊によるものであり、カード錠の性能上の弱点をねらったものではない。シリンダー錠等はピッキングの被害が多く防犯性能の向上が特に必要であったことから指定建物錠として指定されているが、カード錠については、件数が少ないことなどから、そこまでの必要はないと思われる」旨の説明があった。

(7)平成20年中の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況について

生活安全局長から、平成20年中のインターネット・ホットラインセンターの運用状況に関し、違法情報・有害情報の通報受理・処理状況、警察の対応状況、諸外国のホットラインとの連携、今後の課題等について報告があった。

(8)警察庁新型インフルエンザ対策行動計画の改正等について

警備局長から、政府の「新型インフルエンザ対策行動計画」の改定及び「新型インフルエンザ対策ガイドライン」の策定を受け、「警察庁新型インフルエンザ対策行動計画」の改正を行った旨の報告があった。

吉田委員より、「今回の改正部分ではないが、行動計画の『第2章 実施方針』に、新型インフルエンザのパンデミック時等に不測の事態が生じた場合でも国家公安委員会の意思決定が円滑に行われることとなるようにあらかじめ準備しておくとの記述があるが、どういうことかもう少し具体的に説明いただきたい」旨、質問し、警備局長から、「パンデミックという状態が突然招来するわけではないので、パンデミックに陥る前に必要な報告を随時行うことによって、あらかじめ情勢に応じた対応がとれるようにしていただくという趣旨である」旨の説明があった。

3 その他

(1)官房長から、3月5日の定例会議において報告のあった宮城県警察における住民訴訟及び行政文書非開示処分取消請求訴訟に関し、前者については相手方が、後者については両当事者が控訴した旨の報告があった。

(2)生活安全局長から、平成11年に発生したいわゆる石橋事件の概要、同事件に係る国家賠償請求訴訟の経緯及び本年3月13日の上告棄却の決定等について報告があった。