定例委員会の開催状況

第1   平成2日(木)

午前10時00分 前1110

第2 出席者 佐藤委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)監察の取扱い事案について

首席監察官から、奈良県警察の警部及び警部補が収賄事件の容疑者に捜査情報を漏らして3月16日に懲戒免職となった事案等に係る監督責任として、国家公安委員会の了承が得られれば、4月10日、奈良県警察本部長を長官注意の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

また、刑事局長から、警察庁では、本事件を受け、同種事案の絶無を期するため、規律の振粛の徹底、捜査員の業務管理の徹底等を内容とする通達を全国の都道府県警察に発出する旨の報告があった。

吉田委員より、「2年ほど前、大阪府警察の警部補が懲戒免職になった事案では、1,000万円の収賄等について監督責任が問われたが、このときと比べて、今回の措置はどうか」旨、質問し、首席監察官から、「大阪の事案は、直属の上司であった捜査第二課長が『長官訓戒』の措置とされたが、本部長に対する処分等はなかった」旨、長官から、「奈良県警察では、平成13年、重大な不祥事が発生し、同県公安委員会から監察の指示が出された。今般、同じ奈良県警察で再度このような事態になったという点が大きな問題である」旨の説明があった。

葛西委員より、「責任を明らかにするというシンボルとしての措置として、本部長に対する措置は『注意』でよいのではないか」旨、発言した。

佐藤委員より、「奈良県警察の処分対象者は、非違事案の行為者の上司だけのようだが、人事異動に当たってなぜこのような問題の兆候が見逃されてきたのかという点についても反省しないと、組織としての再発防止という観点からの反省はできないのではないか」旨、発言し、長官から、「このクラスの人事異動は、所属部門の発言力が大きいので、やはり日常の勤務を管理している各所属部門がしっかりしていなければならない」旨の説明があった。

葛西委員より、「人を評価するとき、人事と懲戒処分等の行政処分という手段がある。実際に業務を執行している『現場』については懲戒処分等を行うが、本部長などは人事で評価すべきケースが多いと思う。人事評価が甘いと、いつまでも是正することができないので、きちんと人事評価をすべきである」旨、発言した。

(2)道路交通法施行令及び道路交通法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案等について

交通局長から、改正道路交通法の一部施行に伴い、高齢運転者標識表示義務違反に付する点数を定めた規定を削除する等所要の規定の整備をする道路交通法施行令及び道路交通法施行令の一部を改正する政令の一部を改正する政令案等について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 2  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)殉職事案の発生について

官房長から、京都府警察の巡査部長が、4月3日、白バイに乗車して交通指導取締中、乗用車と衝突するなどし、同日、収容先の病院で死亡、殉職した旨の報告があった。

(3)京都府舞鶴市における女子高生被害にかかる殺人等事件について(京都府警察)

刑事局長から、平成20年5月7日未明ころ発生した京都府舞鶴市における女子高生被害にかかる殺人等事件について、事案の概要、捜査の状況等の報告があった。

(4)「幼児2人同乗用自転車」検討委員会の取りまとめ結果について

交通局長から、昨年4月から7回にわたって開催された「幼児2人同乗用自転車」検討委員会において取りまとめられた結果について報告があった。

佐藤委員より、「いろいろなデザインの自転車があるようだが、具体的にどのようなデザインや形状のものがよいということまで検討されたのか」旨、質問し、交通局長から、「自転車のデザインは、各メーカーが強度、制動性能、安定性などの要件を充たすように工夫しており、いろいろなものがあるが、三輪型のものもある」旨の説明があり、同委員より、「自転車の長さの基準について、現行の普通自転車よりも緩和して長くすることができれば、安全性等の面でより望ましいということだが、これについては今後どう対応するのか」旨、質問し、交通局長から、「安全性については、現行の基準の範囲内でも十分に対応可能であるが、長さの基準が緩和されれば、より安定性を高めることができるとか、メーカーとしても作りやすいといった点がある。一方で、歩道通行を可能とする自転車の大きさが緩和されると歩道が狭くなるという問題もあり、今年度中に何らかの結論がでるように検討したい」旨、長官から、「幼児2人同乗用自転車は、普通自転車よりも価格が高く、各家庭で使用する期間も比較的限られているので、これを普及させるためには、レンタルやリサイクルなどの仕組みを整えることも必要ではないかと思う」旨の説明があった。

長谷川委員より、「ノルウェーやデンマークでは、自転車の前に荷車のように車輪の付いた大きな箱のようなものに子どもを乗せて後ろから親の自転車が押すようにしているのを見たことがある。日本では使えないと聞いたがどうか」旨、質問し、交通局長から、「日本の道路は狭いので、普通自転車の大きさを超える自転車が歩道を走行することは難しい」旨の説明があった。

(5)北朝鮮による飛翔体発射事案への対応について

警備局長から、4月5日に発生した北朝鮮による飛翔体発射事案について、事案の概要、同日の政府の対応等の報告があった。

(6)天皇皇后両陛下御結婚満50年一般参賀に伴う警備について

警備局長から、4月10日、天皇皇后両陛下御結婚満50年一般参賀が皇居において行われる予定であり、これに伴い、所要の警備を実施する旨の報告があった。

(7)麻生総理大臣のASEAN関連首脳会議等出席に伴う警護警備について

警備局長から、麻生内閣総理大臣は、4月10日から12日までの間、ASEAN関連首脳会議等出席のため、タイ王国を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、3月26日の定例会議において報告のあった愛媛県警察における警乗旅費請求訴訟及び前回の定例会議において報告のあった高知県警察における住民訴訟に関し、それぞれ相手方が控訴した旨の報告があった。