定例委員会の開催状況

第1   平成216日(木)

午前10時00分 前1135

第2 出席者 林委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)「平成20年実績評価書(案)」等について

「平成20年実績評価書(案)」及び「平成20年政策評価実施結果報告書(案)」についてそれぞれ説明し、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)警察庁長官に対する行政文書開示請求及び保有個人情報開示請求に対する決定について

官房長から、7月10日までの間に警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の行政文書開示請求に係る決定及び行政機関個人情報保護法関係の保有個人情報開示請求に係る決定について報告があった。

(2)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

吉田委員より、「事実上国会は閉会になったようなものであるが、今国会で成立した法案と廃案となった法案について、警察庁で立案した法案だけではなく、例えば、児童ポルノ法案や貨物検査特措法案等、警察に関係のある法案についても成立したのか、廃案になったのかといった結果について整理してほしい」旨の発言があり、官房長から、「そのとおり整理することとしたい」旨の説明があった。

(3)香川県警察学校における新型インフルエンザの発生について

官房長から、7月12日から15日までの間に、香川県警察学校で新型インフルエンザが発生し、入校生等延べ19人の感染が確認された旨の報告があった。

葛西委員より、「季節性インフルエンザへの感染者が確認された場合、警察学校を閉鎖したり、感染者を自宅待機させたりすることとしているのか」旨の質問があり、官房長から、「最近の事例では、例えば、初任科生で感染者が確認された場合に初任科生を自宅待機させたりしたことがある。他の課程の入校生で感染者とあまり接触がないと思われるものについては、自宅待機とせず、授業を継続させたりしている」旨の説明があった。

委員長より、「弱毒性のインフルエンザに感染した場合の対応マニュアルは準備されているのか」旨の質問があり、警備局長から、「作成していない。強毒性のマニュアルを準用して対応している」旨の説明があり、葛西委員より、「弱毒性は普通の風邪と変わらない。普通の風邪に感染した場合のマニュアルは通常作成していないことや臨機応変に対応できなくなることから、作成しない方がいいのではないか」旨の発言があった。

(4)平成22年度の警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)について

官房長から、平成22年度の警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)についての報告があった。

葛西委員より、「重点項目の中に、『治安再生』という表現が使われているが、『警察改革』という表現同様、極めてネガティブなイメージがあり、警察は無能だと自ら言っている感がある。また、『再生』というといつの時代が基準なのか不明瞭である。むしろ、治安を強化する、一層の治安強化を目指すといったポジティブな表現を使った方がイメージとしてもいいのではないか」旨の発言があり、長官から、「『治安再生』とは、昭和の時代をイメージして、世界一安全な日本を目指すということであり、犯罪対策閣僚会議でも使用されているが、確かに治安に対する新しい脅威が出てきていることもあり、『治安再生』という表現ではとらえきれていない面もある」旨の説明があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の巡査長が児童買春したとして6月30日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、7月17日、同巡査長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である」旨の報告があった。

葛西委員より、「児童買春に係る非違事案というのは、他の非違事案と比べて、根絶しやすいのではないか。例えば、飲酒運転については、事故を伴わない場合であっても、警察では、懲戒免職処分となるが、民間企業では、出勤停止5日程度の処分ですむこともあるように、飲酒運転に対する考え方にずれがあることから、根絶が難しいことは理解できる。一方、児童買春はだれもがしてはいけないことであり、児童買春をした場合は懲戒免職処分を受けるという指導を徹底することによって根絶することができるのではないか」旨の発言があり、首席監察官から、「当該被処分者は、関係者と児童買春を続けている期間中にも、署長や副署長から、児童買春に係る非違事案の場合は、すぐに逮捕、懲戒免職処分となる旨の指導を受けて、児童買春を続けるのはまずいと思ったが、ばれないのではないかと考え、児童買春を続けていたとのことである」旨の説明があり、また、長官から、「いずれにせよ、非違事案が減少するように努力していきたい」旨の説明があった。

(6)平成21年6月末現在の刑法犯認知・検挙状況について

生活安全局長から、平成21年6月末現在の刑法犯認知・検挙状況について、刑法犯の認知件数は前年同期に比べて4.6%減少、検挙率は0.2ポイント低下している旨の報告があった。

(7)暴力団対策法第31条の2を適用した損害賠償請求訴訟の提起等について

刑事局長から、指定暴力団の代表者の賠償責任を追及するため、暴力団対策法第31条の2を適用して、強盗致傷事件の被害者らが損害賠償請求訴訟を提起した旨の報告があった。

(8)暴力追放運動推進センターの活性化に向けた「行動計画」への取組状況について

刑事局長から、事業活動等の一層の活性化を目的として、都道府県暴力追放運動推進センター及び都道府県警察が中期目標を掲げた計画を平成18年に策定し、諸対策に取り組んでいるところ、全国暴力追放運動推進センターが中間評価を行った旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、7月1日に国を被告として提訴された文書不開示処分取消請求事件について報告があった。

(2)生活安全局長から、「先週の定例会議において、ガソリン等を使用した殺人事件等が続発したとの指摘を受けたこともあり、7月10日付けで、ガソリンスタンド等引火性液体の販売業者に対する指導及び同種犯罪の取締りに関する通達を発出した」旨の説明があった。

(3)刑事局長から、「刑事企画課長通達『凶悪重大犯罪等に係る出所情報の活用について』を対象文書とした公開請求に関し、新潟県警察による部分公開決定の取消を求めた事件については、第一審及び控訴審いずれも新潟県敗訴となったため、新潟県が上告していたところ、新潟県逆転勝訴の最高裁判決が出された」旨の説明があった。

(4)刑事局長から、衆議院が解散された場合における第45回衆議院議員総選挙違反取締りに係る今後の予定について説明があった。

(5)田尾委員から、「先日、韓国で政府機関を中心にサイバー攻撃を受けたが、日本がこういった攻撃を受けた場合は大丈夫なのか」旨の質問があり、情報通信局長から、「先日の韓国がサイバー攻撃を受けた事案ではDoS攻撃が行われたが、このようなDoS攻撃を完全に防ぐことは困難であるため、政府機関やインフラ機関のホームページが閲覧できなくなる状態は発生するものと思う。しかし、警察では、攻撃を受けた後の対処要領の策定を促し、攻撃を受けた端末による不審な動きを食い止める措置をとっており、また、指導も行っている」旨の説明があった。

 佐藤委員より、「サイバー攻撃の場合には、警察だけではなく、防衛省等が関係してくるのではないか。関係省庁との連携体制を作っていくことが重要ではないか」旨の発言があり、警備局長から、「内閣官房に情報セキュリティセンターという組織が既に設置されており、ここが全体を統括している」旨の説明があった。