定例委員会の開催状況

第1   平成2日(木)

午前10時00分 午前1125

第2 出席者 林委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

第3  議事の概要

  議題事項

(1)警察庁の定員に関する規則の一部を改正する規則等について

官房長から、内閣府の外局として消費者庁が設置されることに伴い、同庁に定員振替を行うため、警察庁の定員に関する規則の一部を改正する規則案等について説明があり、原案どおり決定した。

(2)犯罪被害者支援法施行規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集について

官房長から、集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織に属していた者に係る不支給事由の見直し、DV等親族間犯罪の被害者に係る特例規定の見直し等を行う国家公安委員会規則案に対する意見公募手続について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)平成21年第2四半期における地方警務官に係る贈与等報告書について

官房長から、国家公安委員会委員長が専決により受理することとされている平成21年第2四半期における地方警務官に係る贈与等報告書の概要について報告があった。

(2)平成21年上半期の少年非行等の概要について

生活安全局長から、平成21年上半期の少年非行等の概要について、資料の配付をもって報告があった。

(3)「出会い系喫茶及び類似ラブホテルに対する規制の在り方に関する提言」の取りまとめについて

生活安全局長から、本年3月から5回にわたり開催された風俗行政研究会において取りまとめられた「出会い系喫茶及び類似ラブホテルに対する規制の在り方に関する提言」及び今後、提言を踏まえ、風営法施行令の改正に向けた検討を行うことについて報告があった。

田尾委員より、「類似ラブホテルへの規制の問題について、類似ラブホテルを従前から営業禁止区域等に当たる地域において営んでいる者への既得権の取扱いが一番問題だと感じる。既得権をあまり広く認めすぎると風営法の趣旨を損ねることとなる。出会い系喫茶とは異なり、類似ラブホテルの規制は、従来からの規制逃れを規制しようとするものであるのだから、廃業か普通のホテルとしての営業への移行を求めるべきではないか。既得権を認めれば、既存の類似ラブホテルにお墨付きを与えることになるのではないか。報告書の立場には違和感を感じる」旨の発言があり、生活安全局長から、「既得権を巡っては、研究会においても議論があったが、既得権を認めた場合は、風営法の規制が適用され、例えば、青少年の出入りが禁止されるなどの規制が適用されることとなる。また、昭和47年にモーテルを風営法で初めて規制したときには4,800あったモーテルのうち4,700のモーテルが改修していわゆる規制逃れの形で実質的にモーテルとして営業していたことがあり、既得権をある程度認めないと、ラブホテルの要件に合致しないように改修され、風営法で規制されない類似ラブホテルが多数残ってしまうおそれがあるのではないかといった問題もあり、総合的に考慮して、今回の意見に集約されたものである」旨の説明があった。

また、佐藤委員より、「ある程度実情を分かって議論していることと、法の本来の趣旨に照らし合わせてかくあるべしということとの間には差があって良いのではないか。政府としては、かくあるべしとの見地から考えるべきではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「御意見を踏まえて、検討していきたい」旨の説明があった。

(4)平成21年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について

生活安全局長から、平成21年上半期のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について、資料の配付をもって報告があった。

(5)皇太子殿下の第91回全国高等学校野球選手権大会御臨場等に伴う警衛警備について

警備局長から、皇太子殿下は、8月7日から8日までの間、第91回全国高等学校野球選手権大会御臨場等のため、兵庫県に行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

(6)「終戦記念日」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、「8月15日、政府主催の『全国戦没者追悼式』が日本武道館において、天皇皇后両陛下御臨席のもと、内閣総理大臣等の警護対象者、遺族等が出席して開催されるほか、靖国神社及び千鳥ヶ淵戦没者墓苑において、閣僚等警護対象者の参拝が見込まれる。また、全国各地で各種の取組みが予定されているため、警視庁を始めとする関係都道府県警察で警衛警護警備等に当たる」旨の報告があった。

(7)平成21年上半期におけるインターネット定点観測システム等での観測結果について

情報通信局長から、平成21年上半期における、インターネットに接続されている全国の警察の観測拠点に対するサイバー攻撃等の検知状況及びその主な特徴等について報告があった。

佐藤委員より、「国の機関、原子力発電所等の公共機関の施設に対してサイバー攻撃が行われた場合に、国全体としてどう対応するのか等について承知しておきたいので、サイバー攻撃に備えた国の体制や訓練等について後日説明願いたい」旨の発言があり、長官から、「整理して、後日報告することとしたい」旨の発言があった。

3 その他

(1)刑事局長から、8月3日、港区西新橋で発生した殺人及び殺人未遂事件について、捜査状況等の報告があった。

(2)交通局長から、平成21年上半期の暴走族の動向及び検挙状況並びに6月中に実施した「暴走族取締強化期間」の取組み結果について報告があった。

(3)吉田委員より、「マレーシア、シンガポール及びフィリピンに出張した所感を述べたい。一つは、治安面に関してアジアにおける日本のプレゼンスが大きく、期待感も大きいということを実感したことである。アジアにおいては、中国の存在が大きくなってきているが、治安面に関しては日本への信頼が大きいと感じた。実際に、長官が次長のときにASEANAPOLで行ったデータベース創設の提案が高く評価されていた。プレゼンスが大きい分、色々な役割を果たしていかなくてはならない。二つ目には、各国とも、日本警察との人事交流を強く希望しているということである。マレーシアの警察庁長官は、20年前に警察大学校で短期の研修を受けたことがあり、研修は彼の財産であると話していた。また、今回、警察大学校長がインドネシア国家警察に再度派遣されることになるが、これは時宜を得た配置ではないかと思う。ただ、警察庁としては単発的に派遣するのではなく、グランドデザインをもって、インドネシアだけでなく、ASEAN各国に上級幹部を戦略的、計画的に派遣することは、治安面に関して、ASEAN諸国と日本との関係を良好にする有効な手立てではないかと思う。一方、ASEAN諸国への警察支援に関してだが、実際JICAで派遣されている専門家の活動現場を訪問したが、指紋採取の専門家だけを派遣しても現場保存が適切になされず、容疑者の指紋を検出できない国もあることが分かった。指紋採取の専門家を派遣しているが、初動捜査の専門家も派遣した方がいいのではないか」旨の発言があり、長官から、「インドネシアに対する警察支援では、従来行ってきた鑑識といったパーツの支援というものではなく、コミュニティポリシング等包括的な警察支援を行い、実りつつあるように思うが、委員御指摘のとおり、その他の国に対する警察支援の方法についても検討してまいりたい」旨の発言があった。