定例委員会の開催状況

第1   平成2日(木)

午前10時00分 午前1050

第2 出席者 林委員長、佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「9月15日付けを始めとする地方警務官等30名の人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する保有個人情報開示請求に関する決定について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して8月6日になされた保有個人情報の開示請求に関し、国家公安委員会においては、開示請求に係る保有個人情報を保有していないため、不存在につき不開示とする旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、大阪府警察の警部補が、店舗に侵入して店員に傷害を負わせたとして6月15日に懲戒免職となった事案等に関し、同府警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、9月3日、監督責任として、地方警務官の警察署長を警務部長訓戒の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

(4)警察通信指令に関する規則の制定について

生活安全局長から、10月1日から施行予定の警察通信指令に関する規則の制定について、背景、概要等の説明があり、原案どおり決定した。

(5)犯罪による収益の移転防止に関する法律第17条第1項の規定に基づく意見陳述の実施について

刑事局長から、都内に所在する郵便物受取サービス事業者1業者について犯罪収益移転防止法上の本人確認義務違反等が認められることから、同法の規定により、国家公安委員会が所管行政庁である経済産業大臣に対し、当該事業者への是正命令を行うべき旨意見を述べる旨の説明があり、原案どおり決定した。

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)監察の取扱い事案について

首席監察官から、警視庁の巡査部長が収賄をしたとして8月10日に通常逮捕された事案等及び警部補が風俗店を開業して収入を得るなどした事案に関し、警視庁は、8月28日、両名を懲戒免職処分としたこと、並びに福岡県警察の巡査部長による飲酒ひき逃げ事案の概要等について報告があった。

佐藤委員より、「報道によると、福岡県警察の事案は、県警においても、当該巡査部長は酒飲みであると分かっていて、かなり注意していたとのことであり、いわば我々が再発防止と言うときに考えるような対策をすでにとっていたにもかかわらず、当該事案が発生したということが問題である。この種事案の防止には新たな取り組みが必要ではないのか」旨の発言があり、首席監察官から、「上司は、本年6月に当該職員の親族から相談を受け、職員の家を直接訪ねるなど、指導していたところであった」旨の説明が、長官から、「福岡県警察では、アルコール依存症の職員への対策をこれまでも行っていたが、保健的な指導を行うほか、勤務内容の変更、自家用車での通勤の制限等のさらに踏み込んだ対策を考えている。警察庁では、福岡県警察の対策の経過を見つつ、特にアルコール依存症に対するより踏み込んだ対策を検討して、全国的に波及させるスタンスである」旨の説明があった。

吉田委員より、「先の全国公安委員連絡会議の講演で、曽野綾子さんは警察に望むこととして、警察官には幸せに過ごしてほしいと願っていると語っていたが、今回報告を受けた事案の職員は、幸せどころかあまりにもすさんだ生活をしていた印象がある。アルコール依存症への対策は困難だと思うが、周囲は、その予兆に気付いていたのではないか」旨の発言が、葛西委員より、「職員がたくさんいると、必ずある。十分注意しているが、家にいる時間に飲んだりして不祥事を起こす。勤務時におかしければ、すぐ発見できるが、自分の時間に不祥事を起こす。どうしたらいいかというのは、決め手がないのではないか」旨の発言があり、長官から、「いずれにせよ、この種事案を減少させないと、国民の警察に対する信頼を失うこととなる。一人一人の意識に浸透させるよう、よりシャープな対策を検討したい」旨の説明があった。

田尾委員より、「福岡県警察の事案では、事案発生から10時間後に令状に基づき採血したとのことであるが、ある評論家は時間がかかりすぎた点を指摘していた。実務的に令状請求にそんなに時間がかかるものなのか」旨の質問があり、首席監察官から、「福岡県警察の事案は、深夜の令状請求のため、当直裁判官による審査であった。実務的には、令状発付に要する時間は、審査する裁判官にもよって違うのではないか」旨の説明があり、田尾委員より、「ある県警察を視察した際、委員から、令状の発付に時間がかかるという話があった。令状請求の審査に時間がかかるのであれば、裁判所に対して、早く発付するように申し入れるべきであり、また、証拠資料を細かく多数収集することに時間をかけすぎているのであれば、令状請求を迅速に行うトレーニングが必要だと思う」旨の発言があった。

葛西委員より、「大阪府警察の事案や警視庁の事案は相当ひどい事案であるが、当該職員について、常日頃の勤務状況等から見て変だとか派手であるとかについて掌握していたのか」旨の質問があり、首席監察官から、「大阪府警察の事案については、職員の勤務態度はまじめであったが、借金の返済に困り、せっぱ詰まった状態であった。警視庁の事案は言語道断である。神田警察署の人事管理や業務管理がどうであったかなどを現在調査中である」旨の説明が、長官から、「警視庁の事案に関しては、今後類似事案の発生も懸念されることから、本件を一つの警鐘として引締めを図りたい」旨の説明があった。

(2)平成21年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況について

生活安全局長から、平成21年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況について、資料の配付をもって報告があった。

(3)第45回衆議院議員総選挙の違反取締状況について

刑事局長から、第45回衆議院議員総選挙の違反取締状況について、検挙状況・警告件数等の報告があった。

(4)第10回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の開催について

情報通信局長から、アジア大洋州地域の各国・地域及び国際機関がサイバー犯罪対策に係る技術情報等を共有するため、9月9日から11日の間に開催される第10回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の概要について報告があった。

3 その他

本定例会議は、北海道警察本部に参集した長谷川委員を含めてテレビ会議方式により開催された。

開会時には、委員長が、各委員の出席を確認するとともに、テレビ会議システムにより会議を実施する旨を告げ、さらに、出席者の音声と画像が即時に他の委員に伝わり、互いに適時的確な意見表明ができる状態であることを確認した。

また、会議の終了時には、委員長が、テレビ会議の装置に異状がなかったことを確認した。