定例委員会の開催状況

第1   平成21119日(木)

午前1000 午前1130

第2 出席者 佐藤、吉田、葛西、長谷川、田尾各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会が所管する事業分野における個人情報保護に関する指針案に対する意見の募集について

官房長から、現行の「国家公安委員会が所管する事業を行う者等が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する指針」の全部を改正し、「国家公安委員会が所管する事業分野における個人情報保護に関する指針」を制定するに当たり、11月20日から12月21日までの間、同指針案を一般に公表して意見を募集する旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する開示請求に関する決定について(行政機関情報公開法関係)

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して10月20日になされた行政文書の開示請求に関し、国家公安委員会においては、開示請求に係る行政文書を保有していないため、不存在につき不開示とする旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、岩手県警察における物品購入等に係る不適切な事務処理等事案に係る監督責任について、国家公安委員会の要求に基づく審査結果を答申する旨の説明がなされ、これを受け、国家公安委員会において、岩手県警察本部長等を減給処分とすることが決定された。 

田尾委員より、「トップである歴代3人の本部長を減給処分とすれば、国民、県民への説得力はあると考えられるので、警務部長は減給ではなく戒告では考えられないか。むしろ、現場を直接監督する立場の警察署の会計課長の処分を厳しくすべきではないか」旨の発言があり、葛西委員より、「警察の処分は外に向けて見せるという意味があるようだ。また、前例主義にとらわれることなく岩手の事案について独立した論理構成をして処分することが必要である」旨の発言があり、吉田委員より、「前回の委員会でも出された意見だが、今後処分の在り方を議論してはどうかと思う。ただ、知事部局では知事、副知事が減給処分になっているようであるし、今回から急に処分を変えるのは難しいのではないか」旨の発言があり、長官から、「警務部長は副知事相当でもあるし、香川類似ということだけでなく岩手事案に固有の要素を勘案して減給処分案とした。また、今後、処分の在り方を研究していくこととしているし、特に会計業務については、会計課長の責任をより明確化するよう指導を行っていくとともに、処分の在り方も見直してまいりたい」旨の説明があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(3)で説明のあった岩手県警察における物品購入等に係る不適切な事務処理等事案に係る監督責任について、岩手県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、11月20日、地方警務官の生活安全部長等を本部長訓戒の措置とする予定である旨の説明があり、原案どおり了承した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)新たな経済対策について

官房長から、新たな経済対策について報告があった。

(3)市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)の対日審査フォローアップについて

官房長から、市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)の対日審査の結果として採択された警察庁に関連する勧告及びそれに対するフォローアップの警察庁案の概要について報告があった。

佐藤委員より、「本件への対応については、まず、国際連合に関係する機関や委員会の出す文書については、それが勧告的な性格であっても国内で政治的な意味を与えられるということを考えておく必要がある。また、一般的に、この種の回答については、指摘された問題についてこういうことをやっているという事実を淡々と答えることが良いと思う。第3に、新政権の政策との関連だが、例えば、録音・録画についての『実行課題として、導入に向けた準備・諸課題の検討を行っている』という表現は、我々が委員長との間で合意した予算措置における表現と違うのではないかと思う。いずれにせよ、正文が英文ならば、この段階では、外務省に我々の立場からの問題点を指摘しておいて、英文ができた段階でもう一回良く精査することにした方が良いのではないか。委員長が出席の下でもう一回議論したらどうかと思う」旨の発言があり、田尾委員より、「意見内容としては、基本的には、刑事司法制度、あるいはその運用の実情を中心に、客観的側面を事実として摘示するのが相当と考えられる。案文中、まとめとして、『指摘を重く受けとめ、今後十分な検討の上、必要な法整備を含め、適切な対応に努めていく』等の表現が随所に見られるが、過剰である」旨の発言があり、葛西委員より、「両委員と同意見である。淡々とやっていることを答えれば良い。一生懸命やっています、更に努力しますというトーンで書くのはやめるべきだと思う」旨の発言があり、吉田委員より、「取調べの録音・録画について『新政権の公約である』という記載があるが、切り離した形で表現した方が良いのではないか」旨の発言があり、葛西委員より、「国として国際機関に提出する文書であるから、『政権』の約束などということを入れる必要はない。淡々と事実を書くというのが一番良いのではないか」旨の発言があり、佐藤委員より、「政権が変わったらまた変わるのかという印象を与えることにもなるので、選挙の公約であったかどうかということをこの報告書に盛り込むべきではないと思う」旨の発言があり、長官から、「いずれにしても、報告書を援用されて国内対策に問題が生じることがないような表現にすることが大事である」旨の説明があり、官房長から、「御指摘を踏まえて検討し、再度委員長を交えて御議論いただいた上で決定していただきたいと思う」旨の説明があった。

(4)第4回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議の開催結果について

官房長から、11月18日にカンボジア王国において開催された第4回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議の結果について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(3)及び(4)で説明のあった岩手県警察における物品購入等に係る不適切な事務処理等事案について、11月20日、警察庁は、監督責任として、岩手県警察本部から帰任した同庁事務官等を長官訓戒等の措置とする予定である旨の報告があった。

(6)第8回東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取対策に関するセミナー及び捜査官会議の開催について

生活安全局長から、11月25日及び26日、東京都内において、第8回東南アジアにおける児童の商業的・性的搾取対策に関するセミナー及び捜査官会議を開催する旨の報告があった。

(7)平成21年全国暴力追放運動中央大会の開催について

刑事局長から、警察庁、全国暴力追放運動推進センター、都道府県警察及び都道府県暴力追放運動推進センターは、関係機関・団体の後援を得て、多年にわたり暴力追放運動に尽力し、暴力団等に係る犯罪等の防止に多大な功労があった方及び団体に対し、表彰等を行うことにより、暴力団排除意識の高揚と暴力追放運動の活性化を図ることを目的として、11月25日、東京都内において、平成21年全国暴力追放運動中央大会を開催する旨の報告があった。

(8)高齢運転者標識(もみじマーク)の代替案選定のための新たなデザイン案の募集について

交通局長から、「もみじマークの代替案」を選定する際の基準となる基本的考え方を公表するとともに、11月20日から平成22年1月8日までの間、「もみじマークの代替案」選定のための新たなデザインを広く一般から募集する旨の報告があった。

田尾委員より、「7月に検討委員会の報告書について報告を受けた際に自分の考えを申し上げたが、今後の見通しはどうか。運転免許保有者3,000人以上を対象に4月に行ったアンケートの結果では50%を超える人がこれで良いだろうという意見だったと思う。来年くらいにもう一度アンケートを行い、その結果を見て募集を検討してはどうか」旨の質問があり、交通局長から、「昨年の法改正当時、現行のもみじマークに様々な批判が出てから1年以上経ったが、デザインを変えろという意見はかなり少なくなっているのではないかと思っている。一方、今回の意見公募に関係ないのに150通もマークのデザインも提出されていたことから、まだ関心はあると思う。年度末には、新しい候補案が出てくると思う。国会の附帯決議の経緯もあり、様々な形で意見を聞く機会を設けて、集約した上で代替案を作って比較していただく手順を踏まなければならないと思う」旨の説明があり、葛西委員より、「この程度の話は、権威をもって決めて、好評であろうと不評であろうと定着するまで待つというのが一番のやり方ではないか」旨の発言があり、長官から、「いずれにしても、本件については公安委員会に適宜報告し、進めてまいりたいと思う」旨の説明があった。

3 その他

(1)官房長から、「日EU刑事共助条約の交渉に関して、これまでの議論を踏まえて、13日に、委員長が外務大臣に公安委員会の意見を伝えるとともに、委員長がその上で政治的決着をして、外務省の案によって事務局に手続を進めてもらうように伝えた。議論についてはかなり詳細に外務省に伝えたとのことである」旨の報告があった。

葛西委員より、「政治的に責任を取るということは、公安委員会は反対であるが、条約は政治的判断で進めるということなのか。あるいは公安員会の意見を変えよということなのか」旨の発言があり、佐藤委員より、「委員長が外務大臣に対して公安委員会の意見を十分伝えた上で、外務大臣の意見が変わらないのでこれしかないということになったということであれば、政治的決着ということで、我々もそれを受け入れざるを得ないと思う」旨の発言があり、官房長から、「外務大臣は、現行案を変更することは考えていないと聞いている。最終的には外務省の権限であるので、言うべきことは言ったということではないか。外務省も既に承知しているが、事務的にも外務省に会議録の該当部分の写しを渡したい」旨の説明があった。