定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成21年12月17日(木)

午前10時00分 午前11時40分

第2 出席者 中井委員長、吉田、葛西、長谷川、田尾、髙木各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

第3  議事の概要

  議題事項

(1)次期通常国会提出予定法律案件名要旨について

官房長から、次期通常国会に提出予定の法律案として、検討中のもの1法案を関連条約の登録状況を踏まえた上で登録することについて説明があり、原案どおり決定した。

(2)自動車安全運転センター役員の選任(再任)の認可及び評議員任命の認可等について

交通局長から、自動車安全運転センターからなされた役員3人の選任(再任)の認可申請について認可することとしたいこと、9月29日の閣議決定「独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について」の趣旨に沿い、役員選考の公平性及び透明性を十分に確保するように同センターに要請を行っており、同センターにおいてもその方向で検討を行っていること等について説明があり、原案どおり決定した。

委員長より、「9月の閣議決定の趣旨に沿った選考手続での後任者の選考では期日に間に合わなかったとのことであり、今回は従来の選考手続で選任し、来年度以降はきちっと規則を作ってとのことだが、次回の役員選任はいつか」旨の質問があり、交通局長から、「次回は来年の7月である」旨の説明があった。

(3)国家公安委員会委員長を代理する者の互選について

委員間の互選により、「委員長を代理する者」の順位について、第1順位葛西委員、第2位順位長谷川委員、第3順位田尾委員、第4順位吉田委員、第5順位髙木委員とした。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の決定等について(行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の開示請求に対する決定について報告があった。

(2)オウム真理教犯罪被害者救済法の施行状況(施行後1年)について

官房長から、「オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律」の施行後1年の申請・裁定状況等について報告があった。

(3)街頭防犯カメラシステムモデル事業のシステム試験運用開始について

生活安全局長から、街頭防犯カメラシステムモデル事業のモデル地区である神奈川県川崎市JR川崎駅東口地区に、異常行動検出機能等の実証・開発に向け街頭防犯カメラ5台を設置し、12月22日からシステムの試験運用を開始する旨の報告があった。

葛西委員より、「防犯カメラを設置するというのは、大変有意義なことだと思う。しかし、人間が見ても誰が異常行動をとっているのか分からないものなので、防犯カメラが異常行動を検知するのは至難の業であり、おそらく検知できないのではないか。むしろ、何かが起こったときに犯人が必ず映っていて、それが証拠になることによる抑止力を期待するし、また、犯罪捜査で活用できると思う」旨の発言があり、委員長より、「JR東海では防犯カメラを何台設置しているのか」旨の質問があり、葛西委員より、「東海道新幹線の駅では5,000台くらい設置している」旨の発言があり、委員長より、「JR東海と比べて、警察の防犯カメラが約360台だというのは、恥ずべきことである。委員御指摘のとおり、防犯カメラは抑止力であり、証拠になるので、防犯カメラを多数設置した方が良いと考えて、警察には、設置数をもっと増やすように話している。費用等について一度御提示願いたい」旨の発言があった。

田尾委員より、「今回、警察本部長通達で運用要綱を定めるようだが、例えば、警視庁のように、公安委員会の規程でガイドラインを定めて、更に運用要綱を定めているところもある。将来的には、適正な管理という観点から、全国で同じような形で公安委員会の規程でガイドラインを定めて、更に運用要綱を定める方が良いのではないかと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘のとおり、現在のところ、運用要綱の定め方が統一されていない。基本的には、公安委員会の規程でガイドラインを定めるべきだと思うが、運用の結果を見て、その方が良いということであれば、これを全国に広めることとなるのではないかと思う」旨の説明があった。

田尾委員より、「スーパー防犯灯のモデル事業のときも事業評価をしていたが、今回のモデル事業は、有識者研究会に検証結果を検討してもらうことで、事業評価に代えるのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「事業評価は別に行うものだと思うが、今後どういう形でするのが良いかは検討中である」旨の説明があり、次長から、「スーパー防犯灯のときは政策評価の対象として事業評価が行われたが、今回は、モデル事業の中で有識者の意見を聞いて今後どうするかを決めていくとのことであるので、正式な政策評価にはなじまないと思う」旨の説明があった。

(4)平成21年(1~11月)の刑法犯認知・検挙状況について

生活安全局長から、平成21年11月末現在の刑法犯の認知件数は、前年同期に比べて5.9パーセント減少、検挙率は0.3ポイント上昇していること等について報告があった。

(5)指名手配被疑者捜査強化月間の実施結果について

刑事局長から、11月に実施した指名手配被疑者捜査強化月間の結果について報告があった。

(6)刑の一部執行猶予制度等に関する要綱(骨子)案の法制審議会部会における審議について

刑事局長から、法制審議会被収容人員適正化方策に関する部会における刑の一部執行猶予制度等に関する要綱(骨子)案の審議状況等について報告があった。

(7)布川事件の再審開始決定(特別抗告棄却)について

刑事局長から、12月17日、最高裁判所において、布川事件に対する検察の特別抗告が棄却された旨の報告があった。

吉田委員より、「このほかにもこれから再審開始決定が出そうな事件はあるのか」旨の質問があり、刑事局長から、「再審請求で最高裁判所まで争われている事件としては、1件承知している」旨の説明があり、吉田委員より、「布川事件は、取調べの可視化の議論が進むというのは別にして、捜査官の意欲が削がれることが懸念されるケースだと思う。現役の捜査官にとっては、本件は昔の事件であるのでどうすることもできない。捜査官の意欲が削がれて捜査が不十分となることがないよう、自分が手がけている目の前の事件で適切な捜査をしていただきたいと思う」旨の発言があった。

(8)「新たな経済対策」に係る構造改革特区過去提案の再検討等について

交通局長から、12月8日に閣議決定された「新たな経済対策」において、構造改革特区制度の活用が盛り込まれたことを受けて、これまでに提案された構造改革特区提案のうち「対応不可」とされたものについては再検討、新規提案については検討した結果について報告があった。

(9)警察庁新型インフルエンザ対応業務継続計画の策定について

警備局長から、新型インフルエンザ対応業務継続計画を策定した旨の報告があった。

10)米韓サイバー攻撃とそれを受けた諸対策について

警備局長から、7月の米韓サイバー攻撃事案の概要及び同事案を受けて警察が今後実施する対策について報告があった。

髙木委員より、「サイバー攻撃に対する日本全体の対応力がどうなのかという議論があり、歯が立たないのではないかという記事も目にするが、どうなっているのか」旨の質問があり、警備局長から、「内閣官房の危機管理監の下、内閣官房情報セキュリティセンターが設置されており、同センターが技術面、事業者との関係等について統括し、対応している。今回のような攻撃であれば、対応可能であるが、今後に向けて対策を強化していきたいと思う」旨の説明があり、情報通信局長から、「攻撃の踏み台となった日本のサーバーの情報について現在調査を進めている。どうして踏み台とされたのかという経緯が分かれば、的確な対処方法も分かると思う」旨の説明があり、委員長より、「早期に解析し、鉄道会社、電力会社といった重要インフラ事業者等に情報提供するなど情報共有についても考えてほしい」旨の発言があった。

11)天皇誕生日一般参賀及び新年一般参賀に伴う警備について

警備局長から、12月23日に天皇誕生日一般参賀が、平成22年1月2日に新年一般参賀が、皇居において、それぞれ行われる予定であり、これに伴い、所要の警備を実施する旨の報告があった。

12)平成21年度原子力総合防災訓練について

警備局長から、12月21日及び22日、茨城県に所在する日本原子力発電株式会社東海第二発電所において、原子力災害対策特別措置法に基づいて原子力総合防災訓練が実施される予定であり、警察庁及び茨城県警察もこれに参加し、情報収集訓練、警察広域緊急援助隊の派遣訓練等を実施する旨の報告があった。

3 その他

(1)官房長から、市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)の対日審査フォローアップに関し、「国家公安委員会の議論を踏まえ、外務省及び法務省と折衝を行い、先般、外務省がとりまとめた修正案が送付されたところである。それによれば、前文の『委員会の勧告を重く受け止め、個々の御指摘について問題意識をもって検討』の部分や全体のまとめとして書かれていた末文が削除されるなど国家公安委員会の意見が反映されている。また、淡々と事実を書くべきという指摘については、外務省は全体の調整を行う立場から、警察庁の専管部分は警察庁の意見を、法務省に関する部分は法務省の意見を反映させている。国家公安委員会の意見が概ね反映されているので、修正意見はない旨外務省に回答したい」旨の説明があった。

(2)刑事局長から、12月15日に警視庁が検挙した千葉県警察の警察官による覚せい剤取締法違反事件の概要等について報告があった。