定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年1月21日(木)

午前10時00分 午前11時00分

第2 出席者 吉田、葛西、長谷川、田尾、髙木各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

第3 議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

  報告事項

(1)警察庁長官に対する異議申立てに係る決定について(行政機関情報公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係の異議申立てに係る決定について報告があった。

(2)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(3)首都圏における痴漢事犯取締り強化期間の実施結果について

生活安全局長から、1月8日から15日までの間、警視庁、埼玉県警察、千葉県警察及び神奈川県警察の4都県において、電車内を中心に痴漢事犯の取締り強化を実施した結果について報告があった。

吉田委員より、「電車内の痴漢防止対策として車両内に防犯カメラを設置したりしているが、満員状態の中でも効果があるのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「効果があると考えている。混み合っているので手元を撮影するのは多分無理だと思うが、痴漢事犯の事実認定を見ていると、位置関係が非常に重要となる。また、『防犯カメラ作動中』と車両内に表示されることから、抑止力も相当期待できると思う」旨の説明があり、葛西委員より、「痴漢というのは、同一の人間が繰り返すケースが結構多いと聞いている。現場で何度も撮影される人物を特定できるということか」旨の質問があり、生活安全局長から、「JR東日本とは、その点についても一緒に検証することにしている」旨の説明があり、葛西委員より、「特定できるのであれば、その人物の横に付いて、現行犯として捕まえることも可能になるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「そういうケースもあり得ると思う」旨の説明があり、長官から、「今回、新学期に合わせて、痴漢事犯の取締り強化を一週間行ったが、検挙された者の半数は会社員であった。一線によると、警察の取締りが厳しくなったので、最近の痴漢行為はあまりしつこくなく、サラッと触るといった態様に変わったところも一部見られるとのことである。とにかく、同一の人間が繰り返し行うケースが多いことから、防犯カメラの設置は、証拠化や抑止力の面で一定の効果があると思う」旨の説明があった。

葛西委員より、「事業者についても防犯カメラの設置が当たり前のことのようになると良いと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「事業者は電車利用客の反応を一番心配していたが、2回行ったアンケートの調査結果では、電車利用客の70パーセントは賛成であった」旨の説明があった。

(4)犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会について

刑事局長から、犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会の第1回会議を、委員長が出席し、1月29日に開催する旨の報告があった。

(5)平成21年中の振り込め詐欺の認知・検挙状況及び全国振り込め詐欺対策会議の開催等について

刑事局長から、「平成21年中の振り込め詐欺の被害は、前年に比べ、大幅な減少となった。1月26日開催予定の全国振り込め詐欺対策会議に先立ち、振り込め詐欺対策に顕著な功労のあった団体及び個人に対して、感謝状の贈呈を行う」旨の報告があった。

長谷川委員より、「振り込め詐欺の検挙状況が随分良くなっている。約5,660件の検挙件数で955人の検挙人員ということは、一人平均6件くらいの犯行ということか」旨の発言があり、刑事局長から、「大体グループで敢行しているので、グループを一網打尽にするような検挙を中心としている」旨の説明があり、長谷川委員より、「このように余罪の多い犯人を捕まえれば、捜査の効率が上がると思う。現在、一人平均余罪が6件であることから、認知件数から検挙件数を引いた件数が約1,700件なので、計算上はあと犯人を約280人捕まえれば良いこととなる。取締りを更に頑張っていただきたい」旨の発言があった。

(6)第15回アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC―15th)について

刑事局長から、「2月2日から5日までの間、都内において、第15回アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC―15th)を開催し、31か国、2地域、2国際機関が参加する予定である」旨の報告があった。

葛西委員より、「日本は、世界的に見て、薬物の使用が多い国なのか」旨の質問があり、刑事局長から、「覚せい剤を除けば、世界的には少ない方ではないか」旨の説明があり、葛西委員より、「日本で諸外国よりも薬物の使用が少ないのは、使用者を厳しく罰するからであり、そこだけは絶対に緩めてはならないと聞いたことがあるが、そういう要素はあるのか」旨の質問があり、刑事局長から、「いろいろな要素があると思うが、例えば、ヨーロッパなどでは自己使用のための所持については処罰しない国もあるが、日本は末端の使用者も検挙していることから、要素の一つとしてあり得ると思う」旨の説明があった。

吉田委員より、「一般的に、東南アジアでは、大量の薬物を所持などしていると厳罰になる。どこも大体厳罰化の傾向にあり、そういったことを日本人女性は承知していないのではないか。空港などで薬物が入っていることを知らないで荷物を預かり税関に捕まるというケースがまだ見られ、先般も韓国で逮捕されていたが」旨の発言があり、刑事局長から、「中国では大量の密輸は死刑になる。正確な数字は把握していないが、そんなに数は多くないと思う」旨の説明があり、吉田委員より、「捕まったら厳罰になるということを知らないで、頼まれて荷物を持ち運ぶケースというのは非常に不幸だと思う。もう少しPRや広報啓発活動を行った方が良いのではないか」旨の発言があり、長官から、「違法薬物を社会全体で撲滅するために、さらに各種対策を推進していきたいと思う」旨の説明があった。

葛西委員より、「芸能界からの違法薬物の一掃に向けた取組みについては、効果は上がっているのか」旨の質問があり、生活安全局長から、「関係団体との最初の会議の設定に苦労したが、スタートしてからは順調である。いろいろなプロダクションで個別にあるいは団体で独自に研修会を開催したり、また、プロダクション等でいろいろな広報啓発活動に参加するといった動きが見られる。以前と比べると、格段に進んでいると思う」旨の説明があり、長官から、「自主的な対策ともあいまって、取締りを更に強化していきたいと思う」旨の説明があった。

(7)日本教職員組合「第59次教育研究全国集会」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、1月23日から25日までの間、山形県山形市内において開催される日教組(日本教職員組合)の「第59次教育研究全国集会」に対して、右翼は日教組批判の街頭宣伝活動等に取り組むとみられることや、極左暴力集団は参加者に対するビラ配布に取り組むとみられることから、所要の警戒警備を実施する旨の報告があった。