定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成22年9月9日(木)

午前10時00分 午前11時00分

第2 出席者 中井委員長、葛西、長谷川、田尾、髙木、山本各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3  議事の概要

  議題事項

(1)国家公安委員会委員長に対する行政文書及び保有個人情報開示請求に関する決定について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して8月10日になされた行政文書及び保有個人情報開示請求に関する開示決定について説明があり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「千葉県警察の巡査長が、酒酔い運転で交通事故を起こしながら警察に報告せず逃走した事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、9月9日、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明があり、原案どおり了承された。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内容を一部修正の上、その内容を了承した。

  報告事項

(1)平成22年度全国警察柔道大会及び全国警察剣道大会の開催について

官房長から、平成22年度全国警察柔道大会(9月16日)及び全国警察剣道大会(9月15日)が、それぞれ日本武道館で開催されることについて報告があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった千葉県警察の巡査長による酒酔い運転等事案に関し、「同県警察は、9月9日、同巡査長を懲戒免職処分とする予定である」旨、「大阪府警察の巡査が児童買春したとして8月16日に通常逮捕された事案に関し、同府警察は、9月9日、同巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意の措置とする予定である」旨の報告があった。

葛西委員より、「飲酒運転については、体内にアルコールが存在する事実は現場で確認しないと、その特定が困難だと思うが、仮にこの者が飲酒の事実を否認して疎明ができなかった場合は、処分されないということにはならないのか」旨の質問があり、首席監察官から、「本件については、関係者の供述から飲酒の事実を特定し、飲酒量を算出した。また、本件においては飲酒運転の事実に加え、当て逃げ事故については完全に証拠がそろっていたので、いずれにしても処分できないということはない」旨の説明があった。

葛西委員より、「出会い系サイトに絡む不祥事が後を絶たないが、この種の事案は、後には必ず相手方少女が補導されるなどして発覚し、処分を受けて何もかもを失ってしまう、非常に危険なことである。児童買春を取り締まる立場にある警察官でありながら、そのような自覚は、この者にはなかったのか」旨の質問があり、首席監察官から、「委員御指摘のことについては、全職員に対して教養しており、この者も聞いてはいたが、『自分は大丈夫だ』と思っていたようである。さらに周知徹底してまいりたいと考えている」旨の説明があった。

(3)民間で運営・管理する博物館等の施設におけるけん銃の展示(所持)禁止の見直しについて

生活安全局長から、民間で運営・管理する博物館等の施設におけるけん銃の展示(所持)禁止の見直しについて報告があった。

委員長より、「本件に関して、展示する博物館が民間の運営・管理によることを理由に、そこでけん銃の所持が認めらないということについては疑問を感じる。いずれにしても、早めに見直しの措置をしていただきたい」旨の発言があり、山本委員より、「けん銃の保管については、その危険性等にかんがみ、その取扱いはより慎重を期すべきだと思う。例えば、不測の事態に際しての補償等の責任を果たすということを考えても、国や地方公共団体などしっかりした機関・団体に管理させるのが妥当だと思う」旨の発言があり、委員長より、「当面、問題となっている高知の博物館においてけん銃の展示がかなう方法があるか大至急考えてほしい。また、他の博物館でも同じようなことがある可能性があるので、これらに対してどのような規制緩和ができるか、検討してほしい」旨の発言があった。

(4)山口組直系組長の一斉検挙について

刑事局長から、山口組直系組長らによる宅地建物取引業法違反及び通帳等詐欺事件の検挙について報告があった。

(5)中国から日本に架電するオレオレ詐欺被疑者の検挙について

刑事局長から、中国から日本に架電するオレオレ詐欺被疑者の検挙について報告があった。

委員長より、「この組織の首謀者の国籍は日中のどちらであるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「組織の最上位にいるのは中国人で、この者がグループ構成員に指示している。また、日本でグループに勧誘している人間には、中国人、暴力団の手先など様々である」旨の説明があった。

委員長より、「昨年韓国に行った際、韓国ではその手口を『テレフォン・フィッシング』と呼んでおり、その対策について中国政府に申し入れたと聞いている。日本警察においても、韓国警察とも連絡していただきたい」旨の発言があった。

(6)皇太子殿下の国際航路協会アジア地区125周年記念式典御臨席等に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、9月11日から12日までの間、国際航路協会アジア地区125周年記念式典御臨席等のため、愛知県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

(7)アフガニスタンで拘束されていた邦人の解放について

警備局長から、アフガニスタンで拘束されていた邦人の解放について報告があった。

3 その他

(1)官房長から、フリージャーナリストによる取材妨害禁止仮処分命令申立事件に係る最高裁の決定について報告があった。