定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年3月1日(木)

午前10時00分 午後0時20分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月12日付けを始めとする地方警務官等229
名の人事案件について発令していただきたい」旨及び「3月26日
付け内閣承認人事2名の人事案件について内閣に承認を依頼してい
ただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決定に
ついて

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会委員長に対して2月
6日になされた行政文書の開示請求に関する開示決定について説明
があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会に対する審査請求に関する裁決について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会に対して平成23年
11月13日になされた審査請求に関する裁決について説明があり、
原案どおり決定した。

(4)「義務付け・枠付けの更なる見直し」のための関係法律一括整備
法案について

官房長から、「義務付け・枠付けの更なる見直し」のための関係
法律一括整備法案について説明があり、原案どおり決定した。

(5)犯罪被害者等給付金の裁定(岐阜県)に対する審査請求事案の審
理状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定(岐阜県)に対する審査
請求事案の審理状況及び裁決について説明があり、原案どおり決定
した。

(6)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察の地方警務官の警察署長が、国家
公務員倫理法令に違反する行為を行った疑いがあるとして、平成2
3年12月1日、国家公安委員会において同法令に基づく端緒報告
及び調査開始通知を国家公務員倫理審査会に提出し、調査を行った
事案に関し、同審査会に対して、当該調査結果を報告することとし
たい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(7)監察の取扱い事案について

首席監察官から、(6)で説明のあった北海道警察の警察署長に
よる国家公務員倫理法令違反事案に関し、「北海道警察は、国家公
安委員会の了承及び国家公務員倫理審査会の承認が得られれば、3
月9日、同警察署長を本部長注意の措置とする予定であるほか、北
海道警察の内規に違反するなどした北海道警察本部交通部長につい
ても、国家公安委員会の了承が得られれば、同日、本部長注意の措
置とする予定である。また、警察庁は、本件に関する報告懈怠及び
同警察署長らに対する監督責任が認められる前北海道警察本部長に
ついて、内閣官房に対し措置依頼する予定である」旨及び「北海道
警察の警視によるセクシュアル・ハラスメント事案等の監督責任と
して、北海道警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、3月9
日、地方警務官の警察署長を本部長訓戒の措置とする予定である」
旨の説明があり、原案どおり了承した。

(8)特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について(交通安
全対策特別交付金関係)

交通局長から、特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に
ついて説明があり、原案どおり決定した。

(9)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内
容を一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)「年齢条項の見直しに関する検討委員会」の開催結果について

官房長から、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」の開催結
果について報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警察庁の警部による国家公務員倫理法令違反
等事案に関し、警察庁は、3月1日、同警部を停職処分とする予定
である」旨及び「警視庁の巡査部長が、警察署内で盗みを繰り返し
ていた事案に関し、警視庁は、3月2日、同巡査部長を懲戒免職処
分とするとともに、監督責任として、上司らを戒告等の処分等とす
る予定である」旨の報告があった。

(4)長崎県西海市(さいかいし)における女性2名被害の殺人事件に関
する警察の対応の問題点及び再発防止策について

生活安全局長から、平成23年12月16日に発生した長崎県西
海市(さいかいし)における女性2名被害の殺人事件に関する警察の
対応の問題点及び再発防止策について報告があり、また、以前の長
谷川委員の指摘を踏まえ、同種事案の危険予測のための評価基準を
作成し、試行することについて報告があった。

山本委員より、「こういうことで取り組むということは大変良い
ことだと思うし、特に、同種事案での被害発生をできるだけ防ぐた
めの対応ということも強く望まれるので、緊張感を持って取り組ん
でもらいたい。ただ、一点、犯罪発生予防のための拘束というのは、
原則的には認められていないわけであるから、法律が許容している
範囲を超えて身柄を拘束することのないように十分意識して取り組
んでもらいたい。同種事案を起こさせないようにするとなると、ど
うしても身柄を押さえようという方向となる可能性が高くなると思
うので、予防することが極めて大事であるということは同感である
が、法律に違反して身柄を拘束してしまうことのないように注意し
てもらいたい」旨の発言があった。

長谷川委員より、「専門医によるチェックリストのようなものを
作成して試行を始めるということは、とても良いことだと思う。な
るべく現場に分かりやすく、何をしたら良いのかということを、き
ちんと意味のある形で指示するように今後とも努めてもらいたい」
旨の発言があり、生活安全局長から、「今回の試行結果を踏まえ、
専門医にチェックリストを改良していただきながら進めてまいりた
い」旨の説明があった。

髙木委員より、「ストーカー規制法の運用上の問題であるという
捉え方がされているが、法律そのものの立て方の問題があるのでは
ないか。運用を少し工夫したら何とかなるということではなく、も
っと本質的にストーカー行為そのものの捉え方に問題があるのでは
ないかと思うがどうなのか」旨の発言があり、生活安全局長から、
「法律制定当時から、いろいろな議論がなされており、もちろん人
権を侵害しないということが大事であるので、そのようなことにも
配慮した内容の法律になっていると思うが、これから現場の状況に
ついて更に調べ、意見を聞きたいと考えている。いろいろと権限を
増やせば対応しやすくなるのかどうかということは、分からない面
もあるので、まずは今の法律の運用によって、被害の発生、拡大の
防止が図られるように努力していくことが必要であると思う。運用
上の問題や法律上の問題があるのか、現場の意見をよく聞いていき
たいと考えている」旨の説明があった。

髙木委員より、「ストーカー行為には、結果的に殺人や強姦等の
重大な犯罪に結びつくことが多いという特性のようなものがあり、
最近の報道においてもそのような指摘があったが、このような行為
をどのように認識すれば良いのかということを感じる」旨の発言が
あり、次長から、「委員御指摘のような議論は当然出てくると思わ
れるが、今回検証を行い、今後の対応を考える上では、最初から法
制度の問題を理由にするのではなく、現行制度で被害発生を防ぐこ
とができなかったかという観点で検証を行っている。その上で、現
場には『やはり使い勝手が悪い』などいろんな意見があると思われ
るので、その辺りをよく把握しながら、法的な問題点も含めてこれ
から研究していくことになると思う」旨の説明があった。

(5)平成23年中における生活経済事犯の検挙状況等について

生活安全局長から、平成23年中における生活経済事犯の検挙状
況等について報告があった。

山本委員より、「このような事犯に対する情報の収集や、口座凍
結、契約そのものの解消に向けた取組等を聞き、新しい手段によっ
て、情報収集や被害の再発防止に効果が生じていると感じられ、大
変良い方向に向かっていると思う。今後とも、これまでの警察活動
にとらわれず、情報収集を多様化しながら、また、消費生活センタ
ー等との協力関係も更に深めながら取り組んでもらいたい」旨の発
言があった。

(6)警察官による拳銃発砲事案に係る付審判請求事件の判決について

刑事局長から、警察官による拳銃発砲事案に係る付審判請求事件
の判決について報告があった。

髙木委員より、「当該警察官の弁護費用等について、栃木の付審
判の事案の際は県費で支出することとなったということであったが、
この事案ではどうなのか」旨の発言があり、官房長から、「現時点
では、予算措置されておらず、そのような制度がないため、互助会
で負担しているところである。ただ、知事部局と県警は協議を継続
しており、今後補填される可能性は残っていると考えている。なお、
栃木県では明確に制度化され、予算措置がなされていると承知して
いるが、栃木の事案では上告審が係属している」旨の説明があった。

(7)平成23年中の薬物・銃器情勢について

刑事局長から、平成23年中の薬物・銃器情勢について報告があ
った。

長谷川委員より、「日本人のうち、どのくらい潜在的に覚醒剤や
大麻を使用しているのかという推定をすると、検挙された者は、覚
醒剤事犯が1万1,858人、大麻事犯が1,648人で、これら
は全体の一角だと思うが、これらの何倍くらいになるのか」旨の発
言があり、次長から、「正確なことは分からないが、摘発の割合が
高まると取引価格に反映されるが、この3年ほど価格は下がってき
ているようであり、密輸入が増えているのではないかと推測される」
旨、刑事局長から、「最近は末端価格が1グラム8万円ほどで売ら
れているようであり、価格は少し下がっていることから、国内に結
構入ってきていると思われる」旨の説明があった。

長谷川委員より、「これから、思春期の子どものメンタルヘルス
を毎年追っていくコホート研究を始めることとしている。イギリス
では、子どもの大麻等の薬物使用が大きな問題となっており、思春
期に差しかかる辺りからそのような誘惑が非常に強くなるというこ
とで、メンタルヘルスの面で研究が行われている報告を聞いて、日
本でも大きな問題であると感じた」旨の発言があり、刑事局長から、
「特に覚醒剤事犯に特徴的な点は、各年齢層とも、被疑者は男性が
多いが、未成年者については女子が多い。これは、交際相手の男性
から勧められるなどして使用しているのではないかと推測され、非
常に深刻な問題である」旨の説明があった。

長谷川委員より、「検挙される者に社会経済的な階層の状況はあ
るのか」旨の発言があり、刑事局長から、「様々な職業の者が検挙
されている」旨、次長から、「数年前には、上場企業の社長が逮捕
されている」旨の説明があった。

(8)サイバーインテリジェンスに係る最近の情勢について

警備局長から、サイバーインテリジェンスに係る最近の情勢につ
いて報告があった。

(9)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの
特別派遣部隊の数、行方不明者の捜索活動等について報告があり、
関連発言として、刑事局長から、身元確認状況について、生活安全
局長から、防犯活動等について、それぞれ報告があった。

(10)平成23年中におけるP2P観測システムの運用状況について

情報通信局長から、多数の違法ファイルが流通するファイル共有
ネットワークの実態を把握するため、平成22年1月から運用を開
始したP2P観測システムの平成23年中における運用状況につい
て報告があった。

3 その他

(1)情報通信局長から、車載系無線システムに関する対応について報
告があった。