定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年3月22日(木)

午前10時00分 午後0時10分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「4月2日付けを始めとする地方警務官5名の人事案
件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定
した。

(2)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

官房長から、大阪府警察への副本部長の設置及び地方警察官の定員
の基準の改正を内容とする警察法施行令の一部を改正する政令案、警
察庁の組織改正に伴う警察法施行規則の一部を改正する内閣府令案等
について説明があり、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道札幌方面西警察署における業務不適切、
職務懈怠等事案に関し、北海道警察は、国家公安委員会の了承が得ら
れれば、3月22日、監督責任として、地方警務官2名を本部長注意
の措置とする予定である」旨及び「大阪府警察の巡査部長が、警察手
帳を偽造したとして通常逮捕された事案等に関し、同府警察は、国家
公安委員会の了承が得られれば、3月22日、監督責任として、地方
警務官の元警察署長を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明
があり、原案どおり了承した。

(4)指定暴力団「四代目旭琉会」の指定の取消しの確認及び指定暴力団
「沖縄旭琉会」の「旭琉會」への名称変更について

刑事局長から、「指定暴力団「四代目旭琉会」が、暴力団対策法第
8条第2項第1号に該当することから、同条第4項に基づき、国家公
安委員会の確認を求める。また、同「沖縄旭琉会」が同「四代目旭琉
会」を吸収したことに伴い、名称を「旭琉會」に変更した」旨の説明
があり、原案どおり決定した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)殉職事案の発生について

官房長から、「警視庁の巡査長が、3月18日午前0時10分ころ、
東京都清瀬市中清戸5丁目地内の路上において、無灯火で走行してい
た自転車の運転者を職務質問中、後方から進行してきた車両にはねら
れ、同日午前8時18分、搬送先の病院で死亡を確認、殉職した」旨
の報告があった。

(3)第1回「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」表彰式の開催
について

官房長から、第1回「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」
表彰式の開催について報告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(3)で説明のあった大阪府警察の巡査部長に
よる警察手帳の偽造事案等に関し、「同府警察は、3月22日、同巡
査部長を懲戒免職処分とするほか、監督責任として、上司を本部長注
意の措置とする予定である」旨の報告があった。

(5)平成23年中のストーカー事案及び配偶者からの暴力事案の対応状
況について

生活安全局長から、平成23年中のストーカー事案及び配偶者から
の暴力事案の対応状況について報告があった。

(6)平成23年中における風俗関係事犯の取締り状況等について

生活安全局長から、平成23年中における風俗関係事犯の検挙、風
営法に基づく行政処分、風俗営業等の営業所数等について報告があっ
た。

(7)大阪母子殺人・現住建造物等放火事件に係る差し戻し審の判決結果
について

刑事局長から、大阪母子殺人・現住建造物等放火事件に係る差し戻
し審の判決結果について報告があった。

(8)第2回核セキュリティ・サミットの開催について

警備局長から、第2回核セキュリティ・サミットの開催について報
告があった。

(9)野田内閣総理大臣の韓国訪問(第2回核セキュリティ・サミット出
席等)に伴う警護警備について

警備局長から、「野田内閣総理大臣は、3月26日から27日まで
の外遊日程で、第2回核セキュリティ・サミット出席等のため、韓国
を訪問する予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があっ
た。

(10)北朝鮮による飛翔体発射動向への対応について

警備局長から、北朝鮮による飛翔体発射動向への対応について報告
があった。

(11)平成23年中における初動警察通信活動の実施状況について

情報通信局長から、初動警察通信活動の概要及び平成23年中にお
ける都道府県情報通信部の活動状況について報告があった。
 前田委員より、「初動警察通信活動の出動件数について、県別で見
ると非常にばらつきがあるようである。発生事件の多寡があるので一
概には言えないが、せっかくインフラを整備したのであるから、もう
少しきちんと活用されるようにするべきではないか。ほとんど活用さ
れていない県も多いようであるが、活用の仕方が分からないのではな
いか。情報通信局として、もう少し効果的な活用事例を全国に紹介す
るなどしてはどうか。東京は出動件数が少ないようであるが、どうし
て少ないのか」旨の発言があり、情報通信局長から、「初動警察通信
活動は、情報通信部門だけで実施できるものではなく、現場へ出動し
ての活動であることから、どのような事案なのか、どのような地域へ
出動するのかといったことを都道府県警察と協議して行っているほか、
県毎の体制の問題もあることから、県別で見るとばらつきが生じてい
る。また、110番通報を端緒として現場へ出動し、映像を伝送する
という活動は、新しい活動であり、装備資機材もここ数年で予算措置
した新しいものである。この活動を始めたところ、都道府県警察から
は評価していただいており、どんどん出動要請がなされるようになる
など、出動件数は増えている。一方、県別に出動件数でばらつきが生
じていることについては、ここで計上しているのは、110番通報を
端緒として出動し、かつ新たに整備した装備資機材を活用したものの
件数であるためであり、この活動を含む機動警察通信隊の活動全体と
しては、警視庁は突出して多くなっている。いずれにしても、委員御
指摘のとおり、効果的な活用事例については、都道府県警察に還元し
て情報を共有し、この活動をより活性化させていかなければならない
と思っている」旨の説明があった。
 前田委員より、「せっかくいろんな新しいインフラを整備したので
あるから、その活用について、情報通信局が主導し、各都道府県の情
報通信部がもっと積極的に前面に出て活動するようにするべきではな
いか」旨の発言があり、情報通信局長から、「従来は、情報通信部門
は要請がなければ出て行かなかったが、今は警察無線を傍受して、事
案が発生すれば要請を待たずに出動している。御指摘のとおり、情報
通信部門の力をもっと現場で活用できるように強化してまいりたい」
旨の説明があった。

3 その他

(1)刑事局長から、「捜査手法、取調べの高度化プログラム(案)」に
ついて報告があった。
 田尾委員より、「検察との連携に関して、検察は、裁判員裁判対象
事件はすべて録音・録画の対象としているのか。供述が変遷した場合
の録音・録画は、検察でも行うこととしているのか」旨の発言があり、
刑事局長から、「検察は、裁判員裁判対象事件は原則としてすべて録
音・録画の対象としているが、プライバシーの保護に問題があるもの、
暴力団等に関係する事件等は行っていない。供述が変遷した場合でも
既に録音・録画は行っている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「それでは、今回の警察の対応は、検察が行ってい
るものと方向を同じくするものなのか。検察との連携といっても、個
々の事件についていろいろと協議しながら実施するのは大変ではない
か」旨の発言があり、刑事局長から、「検察とは同一方向の対応をと
ることになる。検察とも協議しながら、現在では、裁判員裁判対象事
件の3割程度について録音・録画を実施している」旨の説明があった。
 髙木委員より、「捜査のどの時点から録音・録画するかは難しい問
題だと思う。また、突然カメラが回って被疑者の方が困惑するという
ことはないのか」旨の発言があり、刑事局長から、「録音・録画する
具体的場合は、今回の試行を検証しながら検討していく。なお、被疑
者に対して録音・録画することを告知してから行うこととしており、
現状でも被疑者に拒否されることはある」旨の説明があった。
 山本委員より、「捜査の進め方について、検察と警察の関係はどう
なっているのか。送致までは警察は独自に捜査を行うが、送致後は検
察の指示の下に捜査を行うのか」旨の発言があり、刑事局長から、
「送致後も検察の指示の下に捜査するということではなく、いわばチ
ームプレーのような形で捜査を行っている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「知的障害者についての試行は良いことだと思う。
さらに、認知症の老人や迎合しやすい人なども、同様の範疇として録
音・録画の対象とすることも検討してはどうか」旨の発言があり、刑
事局長から、「まず知的障害者について試行し、その結果を検証しな
がら、徐々に拡大について検討してまいりたい。御指摘の点について
は、今回は、「取調べの高度化・適正化等の推進」の中で対応してま
いりたい」旨の説明があった。
 髙木委員より、「取調べの方法について、マニュアルを作成する必
要があるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「科学警察
研究所の協力も得て、検討しているところである。また、担当者をオ
ーストラリアに派遣し、専門家から意見を聴取したところである」旨
の説明があった。
 長谷川委員より、「スコットランドヤードのポリスアカデミーにお
いて、取調べに関する訓練状況を視察したが、そこでは取調べの技能
習得のプログラムがあり、訓練を行って、その習得状況を確認し、レ
ベル認定を行っている。取調べの状況をビデオに録画し、それをポリ
スアカデミーに送って習得の判定を行っている」旨の発言があった。
 長官から、「録音・録画を拡大するに当たっては、まだ資機材が少
ないという問題がある。これまではモデル事業として国費で整備して
きたが、今後は県費対応になるので、補助事業にできないか検討して
いるところである」旨の説明があった。
 山本委員より、「捜査員が懸命に取り調べ、それが結果として冤罪
に結びついてしまうケースがあり、そうならないような手立てが必要
であると思う。現在のように取調べに重きが置かれて長時間に及ぶこ
とも多いと、全過程の録音・録画が難しい面もあることは理解できる」
旨、長谷川委員より、「取調べの位置付け、在り方そのものの見直し
が必要なのではないかと思う」旨の発言があった。

(2)長官から、長崎県西海市(さいかいし)における女性2名被害の殺人
事件に関し、報道された警察の対応について報告があった。
 各委員より、「どの範囲の者が事実を知っていたのかも含めて、本
件についての調査をしっかり行ってもらいたい」旨の発言があった。

(3)刑事局長から、流山殺人事件に係る誤認逮捕事案の調査結果につい
て報告があった。

(4)警備局長から、国際テロ対策に係るデータのインターネット上への
掲出事案に関する衆議院内閣委員会における質疑の状況について報告
があった。