定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年4月5日(木)

午前10時00分 午後0時10分


第2 出席者 長谷川、田尾、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長

首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「4月15日付け暴力団対策法審査専門委員11名の
任命について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決
定した。

(2)被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を
改正する法律案(仮称)について

官房長から、「民間被用者、公務員及び私学教職員を通じて、同一
保険料、同一給付を実現することを目的とする被用者年金制度の一元
化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を制定す
る予定である」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)不正アクセス行為の再発を防止するための都道府県公安委員会によ
る援助に関する規則の一部を改正する規則案について

生活安全局長から、不正アクセス行為の再発を防止するための都道
府県公安委員会による援助に関する規則の一部を改正する規則案につ
いて説明があり、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針について

官房長から、平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針につ
いて報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、長崎県西海市における女性2名被害の殺人事件に
関し、千葉県習志野警察署において同殺人事件に先立つ傷害事件の捜
査を担当した警察署員が、被害届の受理を先送りした一方で、警察署
のレクリエーション旅行に参加した等と報じられたことに関し、現在、
千葉県警察において、監察部門を主体とする体制を編成し、旅行が実
施された経緯等について行っている調査の状況等について報告があっ
た。
 田尾委員より、「習志野警察署では、合計何人の署員がレクリエー
ションに参加したのか。また、費用負担はどのようになっているのか」
旨の発言があり、首席監察官から、「167人と報告を受けており、
費用は互助会からの1万円の助成のほか、自己負担である」旨の説明
があった。  
 山本委員より、「今回は、生活安全課長と強行犯係長という判断が
できる人がレクリエーション旅行に参加していることから、やはり、
本件への対応に影響が生じたと言えるのではないか」旨の発言があり、
首席監察官から、「本人はもとより、やはり幹部において適切な判断
をすべきであった」旨の説明があった。
 田尾委員より、「昨年12月6日に被害届を提出しに訪れたときに、
本件の重要性を認識すべきだったのではないか」旨の発言があり、首
席監察官から、「強行犯係長は、本件の重大性は認識したものの、切
迫感はなかったため、他の業務との兼合いを考えて12日からの聴取
を考えた」旨の説明があった。
 前田委員より、「副署長は、どのように対応したのか」旨の発言が
あり、長官から、「副署長の対応についても十分に検証することとし
ている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「ストーカー規制法による警告等を実施する場合に
は、いずれの課が行うのか」旨の発言があり、首席監察官から、「基
本的には生活安全課である」旨、長官から、「本件において、刑事課
と生活安全課の連携が取れていなかったことを踏まえ、先般、発出し
た通達では、関係部門がプロジェクトチームを組んで対応することと
した」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「第一線は多忙なので休暇を取ること自体はよい
と思うが、事前の情報交換がなかったことが問題である」旨の発言が
あった。
 前田委員より、「何故、12月にレクリエーションが集中している
のか」旨の発言があり、長官から、「千葉県警察においては、成田国
際空港に関する反対集会の警備等から、かねてより12月に多くなっ
ていたという経緯があるようである」旨の説明があった。
 首席監察官から、「警視庁の巡査部長が、警察署に拾得物として届
けられた現金を繰り返し窃取したとして、3月7日に通常逮捕された
事案に関し、警視庁は、4月6日、同巡査部長を懲戒免職処分とする
とともに、監督責任として、上司を減給処分等とする予定である」旨
の報告があった。

(4)自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の活動状況につい

生活安全局長から、平成23年中の自主防犯活動を行う地域住民・
ボランティア団体の結成状況、活動状況について報告があった。

(5)いわゆる「脱法ドラッグ」対策について

刑事局長から、いわゆる「脱法ドラッグ」対策について報告があっ
た。
 田尾委員より、「各種法令を適用して取締りを強化するということ
であるが、直接の法規制がない状態でどのように取締りを行うのか」
旨の発言があり、刑事局長から、「本来的には、麻薬特例法や薬事法
で取締りができる形になっていなければならないと考えており、厚生
労働省とも現在協議を行っているところである。法規制と脱法行為は
イタチごっこになっており、化学構造を少し変えるだけで法規制をす
り抜けられてしまうので、厚生労働省では、薬事法で包括的な指定が
できないかどうか検討を始めているということである。このように「
合法」ドラッグという形で出回り始めたのは、平成10年頃からで、
若者を中心に流行し出したが、それ以前は、人が吸引するというとこ
ろを捉え、薬事法の医薬品という概念に当てはめて、無許可で販売し
たとして薬事法違反で検挙していた。その後、東京都で薬物濫用防止
条例を制定し、平成19年には薬事法が改正されて、薬物を個別に指
定し、それにより取り締まるようになった。以前のように、医薬品と
いう立証をして、無許可営業として取り締まるということも考えてい
く必要があると考えている。いずれにしても、厚生労働省と現在協議
を行っているところである」旨の説明があり、田尾委員より、「濫用
の実態、健康被害がいろいろ出ている実態がある割には対策がほとん
ど講じられていないという状況にあると思われるので、厚生労働省と
の協議において、法規制する方向で考えるべきであると思う」旨の発
言があった。

(6)安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた提言について

交通局長から、昨年11月から国土交通省と警察庁で共催してきた
「安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた検討委員会」から受け
る提言案の概要等について報告があった。

(7)外為法違反事件被疑者の逮捕について

警備局長から、外為法違反事件被疑者の逮捕について報告があった。

(8)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、これまでの特
別派遣部隊の数、警戒区域及び避難指示区域の見直しに伴う福島第一
原子力発電所周辺における警察活動等について報告があり、関連発言
として、刑事局長から、身元確認状況について、生活安全局長から、
防犯活動等について、それぞれ報告があった。

3 その他

(1)生活安全局長から、原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改
革するための環境省設置法等の一部を改正する法律の施行に伴う府令
等の改正案の施行日について報告があった。

(2)警備局長から、暴風警報等に伴う被害状況に関し、これまでの人的
被害について報告があり、関連発言として、交通局長から、交通関係
の障害等について、情報通信局長から、警察通信施設への影響及び対
応等について、それぞれ報告があった。