定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年6月28日(木)

午前10時00分 午前11時40分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、前田各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備
局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「7月10日付け地方警務官2名の人事案件について
発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「京都府警察の警部補らが、事件関係者に個人情
報を漏洩した事案に関し、同府警察は、6月29日、同警部補らを所
属長訓戒等の措置とするとともに、監督責任として、上司らを本部長
注意等の措置とする予定である」旨の報告があった。
 田尾委員より、「今回処分を受ける2名について、どちらの責任が
重いのか」旨の発言があり、首席監察官から、「指示をした上司の方
が重いが、守秘義務違反としては共犯関係にあるので、2名とも送致
することとしている」旨の説明があった。
 田尾委員より、「所属長訓戒と本部長注意では、どちらの処分が重
いのか」旨の発言があり、首席監察官から、「措置の重い方から、本
部長訓戒、所属長訓戒、本部長注意、所属長注意という順になってい
る」旨の説明があった。

(3)情報セキュリティ政策会議第30回会合の開催について

生活安全局長から、「7月4日開催の情報セキュリティ政策会議に
おいて、政府における情報セキュリティ政策に係る年度計画である「
情報セキュリティ2012」が決定される予定である」旨の報告があ
った。

(4)浦安市北栄3丁目における女性殺人事件の被疑者の逮捕について
(千葉県警察)

刑事局長から、本年4月30日、浦安市北栄3丁目において発生し
た女性殺人事件に関し、被疑者の逮捕及び捜査状況等について報告が
あった。

(5)福岡県における暴力団対策の推進状況について

刑事局長から、福岡県における暴力団対策の推進状況について報告
があった。

(6)中国人による組織的な運転免許不正取得事件の検挙について

刑事局長から、中国人による組織的な運転免許不正取得事件の検挙
について報告があり、関連発言として、交通局長から、同事件の発生
に伴い、同種事案の再発防止に向けた対策等について報告があった。

(7)FATF対日審査フォローアップ結果について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップ結果について報告
があった。
 長谷川委員より、「FATF対日審査について、日本側と事務局と
の間で、見解に齟齬があるといった報告をずっと受けているが、基本
的に何が問題なのか。書き方に問題があるのか、書いても習慣が違う
から日本の意図したように受け取ってもらえないのか、根本は何なの
か」旨の発言があり、刑事局長から、「日本としては、これまで事務
局から指摘されたものについては、対応してきているという認識であ
るが、事務局からは、書き方についても、『有権解釈ではなく全て法
律に規定すべきである』などと指摘されたり、犯罪収益移転防止法令
を改正しても、規制の対象が、『やはり狭い』などと指摘されるなど
しており、日本側としては十分カバーしていると主張しているものの、
見解に相違がある」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「このような状態が続いており、具体的にどこに
原因があるのか、それをどうすれば合意に至るのかということを明確
にした方がよいと思う」旨の発言があり、刑事局長から、「事務局が
問題にしている4項目について、これまで日本側が一番進めてきたの
は、警察庁が中心となり取り組んだ顧客管理であるが、これ以外の共
謀罪の導入や、テロ行為に対する物質的支援の規制、テロ資金の国内
移動の規制といった指摘については、確かに対応はあまり進んでいな
いことから、このような状況に事務局は不信感、苛立ちを感じている
ということも根底にあるのではないかと思う。ただ、今回は、顧客管
理についての議論に時間をとられ、他の部分には実質的な議論が行わ
れなかったものである」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「このままでは、これから何をどのようにすれば
合意できるのかという見通しが立たないのではないか」旨の発言があ
り、刑事局長から、「顧客管理については、我々としても事務局の要
求に十分に応えていると思っているので、理解してもらえるように引
き続き説明に努めていく。また、顧客管理以外の項目については、ま
ずは主管省庁において努力してもらい、警察庁ももちろん支援しなが
ら具体的に前進させていかなければならないと思う」旨の説明があっ
た。

(8)大阪市内における負傷者多数のひき逃げ事故について

交通局長から、本年6月26日に大阪市で発生した重軽傷者6名の
ひき逃げ事故に関し、交通事故の概要、捜査状況等について報告があ
った。

(9)「アノニマス」による攻撃予告との関連が疑われるサイバー攻撃事
案の発生について

警備局長から、「アノニマス」による攻撃予告との関連が疑われる
サイバー攻撃事案の発生について報告があった。
 髙木委員より、「アノニマスはどのような組織なのか」旨の発言が
あり、警備局長から、「欧米では数件検挙されているが、インターネ
ット上で情報交換しながらサイバー攻撃を実行する者を募っているよ
うである。今回も、攻撃目標や攻撃ツールを載せてDDoS攻撃のよ
うな攻撃を行っていて、そのような愛好者集団がインターネット上の
呼び掛けに応じていろいろなサイバー攻撃を仕掛けている。世界各国
とも頭を痛めているが、中核になる者などの解明には至っていない」
旨の説明があった。
 髙木委員より、「活動の拠点はどの辺りなのか」旨の発言があり、
警備局長から、「欧米を始め、世界各地においてかなり攻撃を仕掛け
ていると思われる。今回、日本の著作権法が問題にされたが、以前、
他国でも著作権関連の規制がなされた際、同様のサイバー攻撃を受け
ている。アノニマスの主張は、『インターネット上は全く自由である
べきだ。規制などは一切すべきではない』というものであることから、
各国の動向を見ながら、これに反する動きが出てくると、呼び掛けて
攻撃を仕掛けてくるといった形になっている」旨の説明があった。

(10)原子力規制委員会設置法について

警備局長から、原子力規制委員会設置法が成立し公布されたことを
受け、同法の概要等について報告があった。

(11)外為法違反事件被疑者の逮捕について

警備局長から、外為法違反事件被疑者の逮捕について報告があった。

(12)情報セキュリティ緊急支援チーム(CYMAT(サイマット))への
参画等について

情報通信局長から、「6月20日開催の情報セキュリティ対策推進
会議において、情報セキュリティ緊急支援チーム(CYMAT)の運
営等について申し合わせがなされ、警察庁としては、人的な貢献とと
もに、訓練等についても積極的に支援することとした」旨の報告があ
った。