定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年7月19日(木)

午前10時00分 午後0時15分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「7月27日付けを始めとする地方警務官等31名の
人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どお
り決定した。

(2)「平成23年度実績評価書(案)」等について

官房長から、「平成23年度実績評価書(案)」及び「平成23年
度政策評価実施結果報告書(案)」について説明があり、原案どおり
決定した。
 委員長より、「実績評価書(案)等については、非常に精査をして
結論が出されていると思われ、検挙人員の推移を一つの指標にしてい
ることなどもよく理解できる。ただ、犯罪を起こす者の数そのものが
減少すれば当然検挙人員の数も減るわけであり、そのような部分をど
う勘案するのかということが一つの課題ではないかと思う。併せて、
この中では情報セキュリティの確保とネットワーク利用犯罪等サイバ
ー犯罪の抑止が業績目標に掲げられ、評価結果が○となっており、そ
れはそれでよいが、サイバーに関し様々な事案が発生していることか
ら、その辺も注意しながら今後更に検討を進めてもらいたい」旨の発
言があり、官房長から、「指標の選び方は非常に難しいものが多く、
例えば、検挙人員が多いのは、警察側がよく努力した結果だと言える
のか、御指摘のように、実態として犯罪の発生が減っていれば、そこ
でもう効果は出ており、検挙人員が減って当然ではないかなど、そこ
はよく踏まえた上で指標にしなければならないと思う。今回の評価で
は幅広い指標になっているが、次回はもう少し絞り込み、指標そのも
のが指標に適するのかどうかということで、もう一度精査をかけるこ
ととしている。また、サイバー関連についても、確かに、サイバーテ
ロの発生件数がゼロだから◎としているものの、実際はどのようにな
っているのか、何が起こっているのかということが、もう少し分かる
ような指標があれば、そのようなものを使ってより実質的な評価がで
きるようにしてまいりたい」旨の説明があった。
 田尾委員より、「評価結果の基準というのは、全省庁共通の基準な
のか。○と評価したものについては、概ね半分以上達成しているとい
うことなのか。各業績指標の評価において数値で出るものについては、
◎か△しかないということなのか」旨の発言があり、官房長から、「
評価結果の基準については、具体的にあらかじめ明示することが求め
られているが、指標の選定や総合的な評価の方法については、各省庁
の判断に任されており、どのような目標に照らしてどのような結果で
あれば△にすべきであるといった共通の基準があるわけではない。例
えば、過去5年の平均よりも上げるという目標にすると、それより下
がっていれば△という評価になるが、前年より増やすという目標であ
れば、前年の数値が5年前よりかなり低くても前年より増加していれ
ば○という評価になるなど、目標の設定と評価の基準によるところと
なる」旨の説明があった。
 田尾委員より、「基本的には委員長から指摘があったように、警察
の行政、取締りをどのようにして評価できるのかということだと思う。
今年度の評価は業績目標や指標の数をかなり絞り込んでいるが、適切
な評価ができそうなのか」旨の発言があり、官房長から、「警察行政
においては、なかなか評価に馴染まないようなものも確かにあり、実
態と対策との兼ね合いを定性的に見なければならないところが多くあ
る行政分野なので、単純に数値だけで評価することは難しいと思う。
次回は、このような指標であればやはり評価に適するであろうという
ものにかなり絞り込んだ形になると思う」旨の説明があった。
 委員長より、「例えば、振り込め詐欺の被害総額などは、これが増
えていれば、その抑止効果がどの程度表れているのかということで評
価ができるのだと思う」旨の発言があり、官房長から、「振り込め詐
欺については、検挙件数は減っているが、融資保証金詐欺や架空請求
詐欺がかなり減少し、オレオレ詐欺の被害がまた増加傾向にあるので、
件数だけではなかなか実態が明らかにならないという問題はあると思
う」旨の説明があった。
 髙木委員より、「実績評価は全省庁で行っているということである
が、どうしてこのような評価に馴染まないような分野まで時間をかけ
てやらなければならないのか、評価という業務の全体を一度見直す必
要があるのではないのかと感じる。警察の業務は、予算をこれだけ使
ったからこういう成果が上がったという評価ができる要素は非常に少
ないと思う。ただ、今回の評価書のまとめ方は非常に分かりやすくな
ったと思う」旨の発言があり、官房長から、「御指摘のように、警察
行政は、定量的な数値による評価が非常に難しい分野であろうと思う。
しかし、それぞれの重要施策について、以前と比べてどうだったのか、
あるいは期待されている標準に比べてどうだったのかということは、
警察としても意味のないことではなく、やはり、このような問題がこ
の行政分野で生じているので、このような努力がもっと必要であると
いうことを検討する材料には十分なっていると思う。確かに、非常に
細かい数値を多く算出しなければならないので、手間隙がかかるとい
う問題があり、各省庁共通の様式に則らなければならない部分もある
が、何を評価するのか、何をもって評価するのかということを実質的
に絞り込もうというのが議論の方向性であるので、そのような方向で
進めたいと思っている」旨の説明があった。

(3)犯罪被害者等給付金の裁定(福岡県)に対する審査請求事案の審理
状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審
理状況及び裁決について説明があり、原案どおり決定した。
 山本委員より、「本件の裁定自体については異存ない。各管区の公
安委員会連絡会議等で各県の公安委員から聞くところによると、現在
行われている犯罪被害者等給付金の支給実態に関して、支給そのもの
は拡充されて支給額も上がってきていると承知しているが、実際の事
案において、現在の法律の規定上は支給することとなるが、果たして
給付することが妥当なのかどうか疑問を持たれる例があるようである。
法律を制定する際、背景事情を考えて支給要件を決めてつくられたも
のであると思うが、ある程度の実績がみえてきた中で、現状のままで
良いのか、それとも改正すべきところがあるのかということについて、
点検する必要があると思う。検討していただきたい」旨の発言があり、
官房長から、「確かに、支給額も支給件数も多くなってきているが、
警察としては、法令に照らして、支給する必要がある、支給すること
が妥当、適正であるということで公安委員会にお諮りして裁定を受け
ているものと認識している。現在、今後の被害者に対する経済的支援
の全体施策をどうするのかということを政府全体で議論していること
から、その中で、御指摘の点も踏まえて、犯罪被害者等給付金の支給
の在り方についても検討してまいりたい」旨、次長から、「現状では
故意の身体犯による被害の場合に限られているが、どちらかと言えば、
もっと範囲を拡充すべきであるとか、外国で被害にあった場合はどう
するのかなど、支給対象を拡充する方向での議論が多くなされている」
旨の説明があった。
 山本委員より、「元々は、無関係の人間から突然加害行為を受けて、
それによる被害を社会として放置しておくわけにはいかないという発
想でつくられた制度だと思うが、各県の公安委員の話を聞いていて、
犯罪を誘発したとまでは言えなくても、被害が生じた経過をみると、
給付すべきなのかと感じさせる例が増えているというように感じる」
旨、長谷川委員より、「自分も同様のことを幾つかの管区の公安委員
会連絡会議で聞いている。それは、このような事例で適用することは
常識的に疑問に感じると指摘すると、事務方からは、『法律でこのよ
うになっているので』ということで法律に当てはめて説明され、現在
の法律の規定による支給の在り方に疑問を感じているということであ
る」旨、田尾委員より、「自分は、民法でいう「笑う相続人」のよう
に、被害者が亡くなり、それまでほとんど接触がなく、関係がなかっ
た者であっても、遺族だということで一律に給付しているが、これは
おかしいのではないか、この辺りは制限してもいいのではないかとい
う意見や、警察が丁寧にそのような遺族まで捜し出して連絡を取り、
支給の申請を促しているが、自ら申請したものだけでよいのではない
かといった意見を聞いている」旨、長谷川委員より、「県の公安委員
は全ての事案を裁定で見ているが、支給の在り方に疑問を感じること
があるということであり、ずっと世話をしてあげた人でなく、警察が
捜し出した疎遠な親族の方に支給するというのは妥当なのかという意
見を何度も聞いている」旨の発言があり、長官から、「確かに、現場
では支給の在り方に疑問を感じるケースもあるのだと思うが、法律の
要件として書くのは難しいところであり、また、親族関係の実態に踏
み込んで、日頃の付き合いがどのようになっていたのかということで
支給の是非を判断することは、現場にとっても非常に難しいことだと
思う」旨の説明があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の警視らが、虚偽の有印公文書を作
成等した事案に関し、同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれ
ば、7月27日、当該事案の調査に当たったものの、調査不足であっ
た、地方警務官の前首席監察官を本部長訓戒の措置とする予定である」
旨の説明があり、原案どおり了承した。

(5)鳥獣被害防止特措法に係る共同命令案等に対する意見の募集につい

生活安全局長から、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止の
ための特別措置に関する法律附則第3条第1項に規定する特定鳥獣被
害対策実施隊員等に関する命令等を定めるに当たり、行政手続法第3
9条の規定に基づき命令案等を一般に公表し、意見を募集する」旨の
説明があり、原案どおり決定した。

(6)社会資本整備重点計画の閣議決定について

交通局長から、交通安全施設等整備事業を含む社会資本整備事業を
重点的、効果的かつ効率的に推進するため、社会資本整備重点計画法
第4条に基づき、社会資本整備重点計画の案を作成し、関係省庁と共
同して閣議請議を求めることについて説明があり、原案どおり決定し
た。

(7)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、内容を
一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)犯罪対策閣僚会議(第19回)の開催について

官房長から、第19回犯罪対策閣僚会議の開催について報告があっ
た。
 前田委員より、「再犯防止に向けた総合対策が議題になるというこ
とであり、刑務所を所管しているので法務省が主管だと思うが、その
点について疑問に感じている。更生させて社会へ復帰させることが刑
務所の役目だと思うが、聞くところによると、実は刑期満了で出所し
た者の再犯率が非常に高いなどという特徴があって、これは法務省と
いうより、更生して出所した者を受け入れる社会がないことによる問
題の方が大きいのではないかと思う。本年6月に大阪で、出所したば
かりの者が殺人事件を起こしたが、被疑者は、『居場所がないから人
を殺してまた刑務所に戻りたかった』などと言っていたようである。
再犯率が高いので再入所率を下げようというのもよいが、根本の部分
を見直さないと、最後はまた警察が捕まえることになってしまう。し
かし、捕まえればいいという話ではないと思う。初犯で更生する者は
良いが、再入所する者については特別な手当をしなければ、やはり社
会の不安材料がなくならないのではないか。閣僚会議であるので、本
当に法務省の問題でよいのかということも含めて、委員長には是非検
討をお願いしたい」旨の発言があり、官房長から、「再犯者の問題に
ついては、確かに主管は法務省であるが、問題意識としては、御指摘
があった居場所の問題ということが非常に大きなテーマとして取り上
げられており、一つは居住の問題、もう一つは就労の問題で、このい
ずれもない者の再犯率が非常に高いというのが法務省の報告である。
法務省としても努力して、企業を招致して出所者の雇用を要請し、こ
れを受ける企業も多くなってきているということである。また、これ
は法務省だけでできることではなく、全省庁にわたる様々な政策が必
要な分野であるということで、閣僚会議において議論されるというこ
とである。法務省としては、保護行政を司っており、満期出所者より
も執行猶予、保護観察付きの者の方が再犯率は低いといった分析結果
を有していることから、どのような保護矯正制度にしていくのかとい
うことを法務省としても検討を進めていくとのことであり、関係省庁
を挙げて努力していこうということにはなっている」旨、委員長より、
「委員御指摘の『居場所がない』という問題は、非常に重要であると
思う。抜本的な解決策というのは、なかなか見出しにくいところでは
あると思うが、そのような問題意識を持って臨んでいきたい」旨の発
言があった。

(3)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関情報公開法
関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係
の開示請求に対する決定について報告があった。

(4)「警察改革の精神」の徹底等に向けた総合的な施策検討委員会の検
討状況について

官房長から、「「警察改革の精神」の徹底等に向けた総合的な施策
検討委員会」において検討中の「「警察改革の精神」の徹底のために
実現すべき施策(案)」について報告があった。
 前田委員より、「『警察改革の精神』の徹底のために実現すべき施
策(案)の前書きの記載についてであるが、平成12年の警察改革で
抜本的に改革しようということになり、そのときの論点は、それまで
警察の論理でやってきて、国民のことはあまり考えていなかったので
はないかということで、国民のための警察ということが強調されてい
る。しかし、国民のための警察というのは、実は非常に曖昧な概念で
ある。警察の役割とは、犯罪から善良な市民を守ることであり、『国
民』という言葉を使いすぎるのはよくないのではないかと思うので、
検討してもらいたい。次に、警察刷新会議の提言を引用して、『警察
に求められていることは、警察の真髄は、困り苦しむ国民を助け、不
安を抱く人々に安心を与えることであると改めて認識して、柱の一つ
に据えた』と記載されている。警察改革当時はそれでよかったかもし
れないが、困り苦しむ人というのは、生活困窮者をさす言葉ではない
かと思う。本来の警察は、やはり善良な市民をあるいは市民生活を犯
罪から守ることが役割であると思うので、あまり情緒的な言葉を使わ
ない方がよいと思う。また、不安を抱く人々とあるが、不安というの
も抽象的な概念で、生活不安などいろいろなものがあり、不安を取り
除くことが警察の仕事ではないと思う。このような特定の価値のある
言葉を柱に持ってくると、せっかくやろうとしていることがぼやけて
しまうので、言葉を考え直した方がよいと思う。次に、施策(案)の
構成について、12の施策があり、それぞれに基本方針が入っている
が、読んでみてよく分からない。施策の背景説明か個々の施策内容と
なっているか、記載するのであれば、このようなことがあったという
事実のみの記載とし、だからこれをやるんだということにしないと、
アクションに結びつかないと思う。基本方針というのはとても重いも
のであるが、施策(案)を見ていると、どうも物足りなく基本方針に
はなっていないと思う。全体として多くの施策(案)が示されている
が、ここの部分は非常にまずいので何とかしたいというものと、基か
ら直そうというものが混在している。警察改革はこれまでにやること
はかなりやったと思うので、やりきれていないものをやる、更にやら
なければいけない部分をここでやるということにするべきではないか。
一から全部出直しますということではないと思うので、ここにきて改
善すべきところが出てきたので、そこは徹底的にこのようにするとい
うように前向きに打ち出さないと、反省だけしていては頼りない警察
になってしまうので、その点を考えてもらいたい」旨、長谷川委員よ
り、「自分も『困り苦しむ人』は生活困窮者のことのように思える」
旨の発言があり、官房長から、「基本方針の記載については、もう一
度きちんと検討したいと思う。『国民のための警察』や『困り苦しむ
人に応える警察』との表現については、部内の検討でも、御指摘と同
様の議論はあったところである。ただ、ここで論じているのは、犯罪
の恐怖や犯罪に困り苦しむ人の立場に立って、やるべきことを徹底す
るというのは当然ではあるものの、それで、インパクトがあり、部内
外にも分かりやすい方向性を表しているということで、このような表
現にしたものである」旨の説明があり、委員長より、「それでは、『
犯罪に困り苦しむ』とすればよいのではないか」旨の発言があり、官
房長から、「その点も再度検討してみることとしたい」旨、長官から、
「困り苦しむということに関して、基本は、御指摘のとおり、犯罪や
事故から如何に国民を守っていくのか、突き詰めれば、警察の責務と
いう原点に立ち戻るということである。第一線の警察官にも分かりや
すいような、インパクトのある何かメッセージを出したいということ
でこのようにしたわけであるが、更に検討したいと思う」旨の説明が
あった。
 前田委員より、「民事が絡む事案や経済犯の事案に関しては、被害
申告のための書類を何度も被害者に修正させ、形式が整って初めて受
理するに至ることから、被害者が警察に拒否されたと誤解して来なく
なってしまったり、一部の必要書類等がそろわないだけで被害申告手
続きが進まず、犯罪状況の方が進展してしまったりして問題となった
事例が多いと聞くが、これも、『犯罪から市民を守る』という当たり
前の意識が警察に徹底されていないことによると思われる。被害申告
に関しては、とりあえず受けた上で、そこから詳しいことを確認して
いくという姿勢が必要である」旨、山本委員より、「内部へのメッセ
ージと外部へのメッセージを同じものにすべきかについては、疑問に
感じる。外向けに『意見・要望・苦情等は、何でも前広に受けます』
というだけでは、いろいろなものが来て、現場が対応しきれなくなっ
てしまうのではないか。『受けなければならないものはきちんと受け
る』ことを基本に、内部で、何が『受けなければならないもの』なの
かの詳細について地道に指示を繰り返していくしかないと思われる」
旨、田尾委員より、「被害申告等も、内容によっては受理ではなく即
時に別の処理ができる仕組みというのも必要ではないか」旨の発言が
あり、官房長から、「施策案では、相談等への組織的対応を徹底する
ため、相談等の受理は、苦情とともに、総・警務部門において行うこ
ととし、また、被害届については、明白な虚偽又は著しく不合理なも
のを除き、直ちに受理することとしている」旨の説明があった。
 高木委員より、「施策案全体として、現場は駄目で、任せられない
ので、調査や検証なども警察庁が直接行うというような印象を受ける」
旨の発言があり、官房長から、「警察庁が、直接、調査・検証を行う
というのは、調査・検証の第三者性を高めるという趣旨であり、公安
委員会の関与も同趣旨である。現場に不信感をもっているということ
は決してなく、現場にそのような誤解を与えないようにしたい」旨の
説明があった。
 前田委員より、「『都道府県警察の業務運営の在り方等の見直し』
も、警察庁は、現場の事情がすべて分かっているわけではないので、
これによって、逆に現場の仕事が増えることにならないようにしなけ
ればならない」旨、山本委員より、「一度、現場に任せてしまうとい
うことも、発想として必要なのではないか」旨の発言があった。
 田尾委員より、「この施策については、規則違反の隠蔽・糊塗防止
という趣旨は、外から見て分かりにくいし、警察改革の精神の内在化
との関係もよく分からない。警察改革の精神の内在化の施策として位
置付けるのであれば、職員の自律を促すという記述にすればいいので
はないか」旨の発言があり、首席監察官から、「この施策は、都道府
県の公安委員からの意見もあって入れたものだが、その趣旨について
検討したい」旨の説明があった。
 前田委員より、「施策全体として、実施することにより、警察官の
行動が変わったと言えるようなものになることが必要であり、そうで
なければ、単にこういう不祥事があったので、それに対して措置をと
りましたというだけになってしまう。今回の施策の目玉と言えるのは、
2番目の柱の『困り苦しむ人に応える警察の確立』であると思う。1
番目の柱の『警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化』は、12年
前の警察改革と同じであり、単にできていないので、もう一度取り組
みますというだけのことになってしまう」旨の発言があり、官房長か
ら、「『困り苦しむ人への対応』の方を一番目に置くことを検討した
い」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「被害届については、被害者が書いて持って行っ
ても、内容が不十分だということで修正を求められたり、被害者や関
係者が、沢山の捜査書類への記載を求められたりすることもある、と
聞いている」旨の発言があり、首席監察官から、「捜査書類の合理化
については、捜査員の側の負担軽減だけではなく、被害者及び関係者
の負担軽減の観点も入れることを検討したい」旨の説明があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(4)で説明のあった愛知県警察の警視らによ
る虚偽有印公文書作成等事案に関し、「同県警察は、7月27日、同
警視らを停職処分等とする」旨、「群馬県警察の事務職員が、退職者
の餞別金の一部を着服したとして、6月8日に通常逮捕された事案等
に関し、同県警察は、7月20日、同事務職員を懲戒免職処分とする
とともに、監督責任として、上司らを本部長訓戒等の措置とする予定
である」旨及び「沖縄県警察の巡査長が、青少年にわいせつな行為を
したとして、6月27日に通常逮捕された事案に関し、同県警察は、
7月25日、同巡査長を懲戒免職処分とする予定である」旨の報告が
あった。

(6)皇太子殿下の第48回献血運動推進全国大会御臨席等に伴う警衛警
備について

警備局長から、「皇太子殿下は、7月23日から24日までの間、
第48回献血運動推進全国大会御臨席等のため、滋賀県及び京都府へ
行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨
の報告があった。

(7)皇太子殿下の平成24年度全国高等学校総合体育大会御臨場等に伴
う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、7月27日から29日までの間、
平成24年度全国高等学校総合体育大会御臨場等のため、新潟県へ行
啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の
報告があった。

(8)反原発抗議行動と警察措置について

警備局長から、反原発抗議行動と警察措置について報告があった。

(9)オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者の再逮捕について
(警視庁)

警備局長から、オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者菊地直
子の再逮捕について報告があった。

(10)テロ関連ウェブサイト共有データベースの運用開始について

警備局長から、テロ関連ウェブサイト共有データベースの運用開始
について報告があった。

(11)ロンドン五輪をめぐる国際テロ情勢と日本警察の対応について

警備局長から、ロンドン五輪をめぐる国際テロ情勢と日本警察の対
応について報告があった。