定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年8月2日(木)

午前10時00分 午前11時50分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、
情報通信局長
総括審議官、人事課長、監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

人事課長から、「8月17日付けを始めとする地方警務官13名の
人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どお
り決定した。

(2)休眠組合(法人)に対する解散命令について

生活安全局長から、「中小企業等協同組合法に基づき設立の認可を
受けた所管する組合(法人)に対し、休眠状態と認められることから、
同法に基づき解散の命令を行うこととしたい」旨の説明があり、原案
どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

総括審議官から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)「日本再生戦略」について

総括審議官から、「日本再生戦略」について報告があった。

(3)殉職事案の発生について

総括審議官から、「福島県警察の巡査部長が、7月30日午前11
時17分ころ、福島県いわき市小名浜上神白地内の県道において、白
バイにて交通指導取締中、乗用車と衝突し、同日午後1時11分、搬
送先の病院で死亡を確認、殉職した」旨の報告があった。

(4)平成24年度第1四半期監察の実施状況について

監察官から、警察庁等が都道府県警察等に対して行った平成24年
度第1四半期における監察の実施状況について報告があった。

(5)交通事故遺族等による国家公安委員会委員長への要望書の提出につ
いて

交通局長から、名古屋市内で発生したブラジル人による飲酒ひき逃
げ事故及び亀岡市内で発生した小学生等が被害となる死傷者多数の交
通事故の被害者遺族等が、無免許運転の厳罰化等を求める要望書を国
家公安委員会委員長に提出した状況について報告があった。
 前田委員より、「無免許運転の罰則の基準となる考え方というのは
どのようなものなのか。法定刑の1年以下の懲役というのは、何と比
較して1年となっているのか」旨の発言があり、交通局長から、「平
成13年の道路交通法改正の際、法定刑の引き上げについて関係省庁
と議論したが、そのときは、飛行機の無免許の操縦が1年以下の懲役
となっているにもかかわらず、自動車の無免許運転をそれよりも重い
刑にはできないということで、1年とした経緯がある。しかし、飛行
機の無免許操縦が多いわけではなく、やはり自動車の無免許運転の危
険性を考えたとき、どのくらい無免許運転の実態があるのかという観
点からみれば、飛行機とのバランス論だけで論じるのはおかしいので
はないか、酒酔い運転、酒気帯び運転、過労運転といった悪質な運転
とのバランスの中で罰則の引き上げを検討すべきではないか、という
のが現在の当庁の考え方である」旨の説明があった。
 前田委員より、「そのような考え方であったというのは分かったが、
飛行機と比べるのは明らかにおかしいのではないかと思う。免許を有
している者が酒酔い運転すれば重い罰則がかかるが、無免許の者が酒
酔い運転をすれば、無免許運転の罰則しかかからないのか」旨の発言
があり、交通局長から、「その場合には、無免許運転と酒酔い運転の
観念的競合となる」旨の説明があった。
 前田委員より、「そうすると、実際にはそれほど軽い罪にはならな
いということではないのか」旨の発言があり、交通局長から、「この
ような議論が出てくる背景としては、危険運転致死傷罪の罰則は非常
に重く、その適用がない場合は、自動車運転過失致死傷罪になるが、
自動車運転過失致死傷罪の法定刑は最高で7年の懲役なので、この差
が大きいということにある。しかし、実際には危険運転致死傷罪の適
用がないときでも自動車運転過失致死傷罪に加え、無免許や飲酒運転
を伴うことが多いと思われるので、併合罪として科刑が重くなること
が多い」旨の説明があった。
 前田委員より、「無免許運転というのはものすごく危険なことをす
るわけであるから、罰則を軽くする理由はあるのか。いろいろな事故
のケースを見ていると、無免許運転で事故を起こしたが、ばれるのが
嫌だから逃げたというような事案も非常に多い。無免許運転の罰則は、
元々軽すぎるのではないかと素朴に感じる」旨の発言があり、交通局
長から、「御指摘のとおりであるが、無免許運転の罰則の上限を1年
としている理由は、先ほど申し上げたバランス論のほかに、無免許運
転といってもいろいろなものが含まれており、免許のうっかり失効後
の無免許というような態様もあるためである」旨の説明があり、前田
委員より、「そのようなものをあまりにも配慮することによって、本
来の無免許を軽くするのはおかしいのではないか。本当にいまの基準
でいいのか検討してもらいたい。元々危険なことをする者に対して罰
則を軽くすることはないのではないか。御遺族が仰ることももっとも
だと思う。免許を有している者が無免許状態や停止状態になった場合
と話が違うわけであり、元々免許を取っていない者が運転すること自
体が危険なのだから、罰則がそんなに軽くていいのかと素朴に疑問に
思う」旨の発言があり、長官から、「恐らく法定刑の上限の問題なの
で、うっかり失効による無免許の議論とは別であると思う。無免許運
転の罰則引き上げについて、今回は反対の議論はないのではないかと
思う。ただ、どこまで引き上げることができるかということについて
は、罰則の均衡という点から、いろいろな意見が出てくるのではない
かと思う」旨の説明があった。
 田尾委員より、「今年上半期の交通死亡事故の統計において、無免
許運転による死亡事故はどのようになっているのか」旨の発言があり、
交通局長から、「死亡事故の件数全体が減少していることから、無免
許運転によるものも減少している」旨の説明があった。

(6)平成24年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状
況について

交通局長から、平成24年上半期の交通死亡事故の状況について、
交通事故死者数は1,934人であり、12年連続で減少し、交通事
故発生件数及び負傷者数も8年連続で減少したことなどについて報告
があった。

(7)平成24年上半期における暴走族の動向及び検挙状況等について

交通局長から、平成24年上半期における暴走族の動向、検挙状況
等及び今後の対応について報告があった。

(8)野田内閣総理大臣の「広島平和記念式典」及び「長崎平和祈念式典」
出席等に伴う警護警備について

警備局長から、「野田内閣総理大臣は、8月5日から8月6日まで
の間、広島平和記念式典「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」
出席等のため広島県を、また、8月9日、長崎平和祈念式典「長崎原
爆犠牲者慰霊平和祈念式典」出席等のため長崎県を、それぞれ訪問す
る予定であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(9)防災対策推進検討会議最終報告について

警備局長から、防災対策推進検討会議最終報告について報告があっ
た。

(10)7.29脱原発国会大包囲の取組結果と警察措置について

警備局長から、7.29脱原発国会大包囲の取組結果と警察措置に
ついて報告があった。

(11)東日本大震災に伴う警察措置について

警備局長から、東日本大震災に伴う警察措置に関し、行方不明者の
捜索活動、福島第一原子力発電所周辺における警察活動等について報
告があり、関連発言として、刑事局長から、身元確認状況について、
生活安全局長から、防犯活動状況について、それぞれ報告があった。

3 その他

(1)監察官から、神奈川県大和警察署員らによるセクハラ事案の発生に
ついて、長野県松本警察署員・須坂警察署員による地方公務員法違反
事案の発生について、福岡県東警察署員による収賄事案の発生につい
て、大阪府布施警察署員による準強姦事案の発生について、それぞれ
報告があった。
 山本委員より、「長野県警察の事案では、漏洩した情報はどのよう
なことに使われたのか」旨の発言があり、刑事局長から、「現在捜査
中であるが、本件は、愛知県警察が暴力団担当警察官への脅迫事件を
端緒に行っている一連の捜査の過程で出てきたものであり、探偵会社
等が闇の情報を売買するネットワークがあって、最終的なユーザーに
は様々な需要があるのではないかと思う」旨の説明があり、田尾委員
より、「漏洩した警察官には金銭の授受があった旨の報道がなされて
いるが、収賄にはならないのか」旨の発言があり、刑事局長から、「
現在は地方公務員法違反ということで逮捕しているが、贈収賄につい
ても念頭に置きながら、現在捜査を行っているところである」旨の説
明があった。
 田尾委員より、「福岡県警察の事案では、長野県警察の事案のよう
に、情報漏洩のようなことはなかったのか」旨の発言があり、刑事局
長から、「そのような点も含め、現在捜査中である」旨の説明があっ
た。

(2)交通局長から、7月19日開催の定例会議において決定した社会資
本整備重点計画の閣議決定に関し、関係省庁の手続の遅延等により閣
議決定が延期されたことについて報告があった。