定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年8月23日(木)

午前10時00分 午後0時10分


第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「9月10日付けを始めとする地方警務官等53名の
人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どお
り決定した。

(2)指定講習機関に関する規則第5条第5号の規定に基づき、国家公安
委員会が指定する講習を定める件の一部改正について

交通局長から、指定講習機関に関する規則第5条第5号の規定に基
づき、国家公安委員会が指定する講習を定める件の一部を改正する国
家公安委員会告示案について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)殉職事案の発生について

官房長から、「栃木県警察の巡査長が、8月21日午後1時33分
ころ、栃木県塩谷郡高根沢町内の県道において、白バイにて交通指導
取締中、普通貨物自動車と衝突し、同日午後3時07分、搬送先の病
院で死亡を確認、殉職した」旨の報告があった。

(3)第30回オリンピック競技大会結果について

官房長から、第30回オリンピック競技大会に参加した警察職員の
選手・役員の結果について報告があった。

(4)平成24年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大会
の開催について

官房長から、平成24年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣
道選手権大会の開催について報告があった。

(5)「平成25年度予算の概算要求組替え基準」について

官房長から、「平成25年度予算の概算要求組替え基準」について
報告があった。

(6)自殺総合対策大綱の見直しについて

生活安全局長から、自殺総合対策大綱の見直しが進められているこ
とについて報告があった。

(7)平成24年上半期における主な生活経済事犯の検挙状況等について

生活安全局長から、平成24年上半期における主な生活経済事犯の
検挙状況等について報告があった。

(8)中国人による尖閣諸島への上陸事案について

警備局長から、中国人による尖閣諸島への上陸事案について報告が
あった。
 田尾委員より、「今回の事案では、入管法第70条第1項第2号に
該当するということで、沖縄県警察が5名を逮捕したということであ
るが、どの時点で「上陸」という要件に該当することになるのか」旨
の発言があり、警備局長から、「7名が上陸したことから、その時点
で入管法違反と認定し、上陸者に対して警告を行ったところであり、
2名は直ちに漁船へ戻ったが、残りの5名は警告に従わず退去しなか
ったことから現行犯逮捕したものである」旨の説明があった。
 田尾委員より、「海上保安庁でも逮捕しているが、これは入管法第
70条第1項第2号の共犯ということではないのか」旨の発言があり、
警備局長から、「海上保安庁の方は上陸ではなく不法入国ということ
で、漁船を追跡し、上陸後船に戻った2名を含め、入管法第70条第
1項第1号の罪で逮捕したものである」旨の説明があり、田尾委員よ
り、「それは領海内に入った時点で不法入国となるという判断か」旨
の発言があり、警備局長から、「そのようだと思われる。海上保安庁
では、漁船の海上での排除により上陸を阻もうといろいろやったが、
海に飛び込んで上陸されてしまったという経緯がある」旨の説明があ
った。
 田尾委員より、「警察としても、入管法第70条第1項第1号で逮
捕することもできたのか」旨の発言があり、警備局長から、「可能で
あったとも思われるが、警察においては、基本的には、上陸すれば入
管法違反で逮捕し、適切な処理を行うという方針であったものである」
旨の説明があった。
 田尾委員より、「入管法第65条の関係で様々な議論がなされてい
るが、同条第1項の「その者が他に罪を犯した嫌疑」というのは、形
式的に嫌疑があるかないかということを意味するのか、それとも立件
に値する嫌疑があるかないかということなのか、どのように解釈する
のか」旨の発言があり、警備局長から、「これについては、平成16
年に中国人が上陸した際の取扱いをめぐって、法務省から見解が示さ
れており、その見解によれば、「「その者が他に罪を犯した嫌疑のな
いとき」というのは、検察官に送致するまでの間に、特定の者につい
て具体的に特定の犯罪の犯人であるという嫌疑がなくなった場合はも
ちろんのこと、その者について当該特定の犯罪について公訴を提起す
るに足りる嫌疑があることを明らかにし得る可能性が著しく乏しいこ
とが判明した場合も、同条にいうその者が罪を犯した嫌疑のないとき
に含まれる」という解釈である」旨の説明があった。
 田尾委員より、「今回の事案の後に日本人が上陸したということで
は、軽犯罪法違反で事情聴取されているが、中国人については軽犯罪
法違反の点についてはどうなのか」旨の発言があり、警備局長から、
「今回の事案では、観念的競合で入管法違反と軽犯罪法違反が成立す
ると言えるものの、軽犯罪法違反については拘留又は科料しか科され
ず、また、今回の事案の被疑者はいずれも初犯であることなどから、
公訴提起に値せず、先ほどの解釈で、公訴を提起するに足りる嫌疑が
あることを明らかにし得る可能性も低いということで、入管法第65
条第1項に当たるという解釈である」旨の説明があった。
 髙木委員より、「上陸時のビデオ映像の公開を求める声があるが、
どうなのか」旨の発言があり、警備局長から、「現在、国会において、
警察のビデオを含めて公開するように要求がなされ協議が行われてい
るところである。警察としては、捜査上撮影したビデオであり、捜査
の内容にわたることから、基本的には公開を前提にしていない」旨の
説明があった。
 髙木委員より、「警察では、事案に対応できる船舶を保有している
のか」旨の発言があり、警備局長から、「警察が保有するのは小型警
備艇で、尖閣諸島までは行けないので、今回も海上保安庁の船に同乗
して現場に行き、被疑者の護送も海上保安庁の船で行っている」旨の
説明があった。

(9)邦人による尖閣諸島への上陸事案について

警備局長から、邦人による尖閣諸島への上陸事案について報告があ
った。

(10)防災基本計画の修正について

警備局長から、防災基本計画の修正について報告があった。

(11)平成24年度警察庁総合防災訓練について

警備局長から、「警察庁及び都道府県警察では、9月1日の「防災
の日」を中心とした防災週間期間中に、関係機関と連携の下、総合防
災訓練を実施する」旨、交通局長から、警視庁が9月1日に実施を予
定している交通規制訓練の概要等について、それぞれ報告があった。

(12)サイバーインテリジェンスに係る最近の情勢(平成24年上半期)
について

警備局長から、平成24年上半期のサイバーインテリジェンスに係
る最近の情勢について報告があった。

3 その他

(1)長官から、シリアにおける邦人ジャーナリスト殺害事件の概要につ
いて報告があった。

(2)首席監察官から、新潟県胎内警察署長の自殺及び同署長の前職であ
る機動捜査隊長当時の隊員の手帳紛失等に係る事案について報告があ
った。
 山本委員より、「手帳を紛失したときの状況はどうだったのか」旨
の発言があり、首席監察官から、「隊員がコンビニエンスストアに立
ち寄った際、手帳を結束していなかったために紛失し、夜中に紛失に
気付いたため、捜索に当たるとともに、隊長にも報告を行った。これ
を受けた隊長は本部報告のため機動捜査隊を出発したが、本部に向か
う途中で手帳発見の連絡を受けたため、正規の報告を行わなかった」
旨の説明があった。
 田尾委員より、「手帳紛失に係る処分が重いのではないか」旨の発
言があり、官房長から、「紛失そのものよりも、その後の隠蔽を重く
評価した」旨、首席監察官から、「隊員の始末書の書き直しの指示や
箝口令を敷くなど、積極的な隠蔽があったと評価した」旨の説明があ
った。

(3)官房長から、平成24年人事院勧告について報告があった。