定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成24年10月11日(木)

午前10時00分 午前11時35分


第2 出席者 小平委員長、長谷川、田尾、髙木、山本、前田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「10月22日付けを始めとする地方警務官等3名の
人事案件について発令していただきたい」旨の説明があり、原案どお
り決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「長野県警察の巡査部長が、探偵業者に車両の使
用者情報を漏洩するなどの便宜を図り、現金等の供与を受けるなどし
て、9月13日に懲戒免職となった事案に係る監督責任として、同県
警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、10月12日、地方警
務官の警察署長らを本部長訓戒の措置とする予定である」旨の説明が
あり、原案どおり了承した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)「重大な犯罪を防止し対処するための協力強化に関する協定」に係
る意図表明文書の署名等について

官房長から、「重大な犯罪を防止し対処するための協力強化に関す
る協定」に係る意図表明文書の署名等について報告があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の巡査部長が、酒気帯び運転で人身
事故を起こした事案に関し、同県警察は、10月12日、同巡査部長
を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本部長注意
の措置とする予定である」旨及び「愛知県警察の警部補が、酒気帯び
運転で物損事故を起こした事案に関し、同県警察は、10月12日、
同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司を本
部長注意の措置とする予定である」旨の報告があった。
 髙木委員より、「飲酒運転による非違事案が多いのではないか」旨、
長谷川委員より、「これだけ飲酒運転はしてはいけないと言っている
のであるから、皆分かっているはずなのに、それでも飲酒運転をする
ということは、当該職員たちはアルコール中毒なのではないか」旨の
発言があった。

(3)平成24年上半期の「インターネット・ホットラインセンター」の
運用状況について

生活安全局長から、「インターネット・ホットラインセンターでは、
平成24年上半期において、99,052件の通報により、101,
715件の情報を受理し、通報された情報を分析した結果、違法情報
は17,791件、有害情報は4,613件であった」旨の報告があ
った。
 髙木委員より、「これまで違法情報の削除依頼にほとんど応じてい
なかったサイト管理者による削除率が向上したということであるが、
どのような理由があるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「
明確な理由は分からないが、昨年末から本年初めにかけて警視庁が捜
査に着手するなどしたこともあり、早期に削除するという努力をした
のではないかと推測される。引き続き今後の対応に注目してまいりた
いと思う。違法情報等が早期に削除されるようになれば、違法情報を
書き込む者等による利用が低下していくのではないかと考えている」
旨の説明があった。
 山本委員より、「他方、それに代わって、新たなサイトにおいて、
本年上半期の未削除件数が最も多くなっているということであるが、
違法行為を助長する形で儲けるという実態が現れているのではないか。
違法情報等を削除するための対策をきちんととっていけば、相応のコ
ストがかかり、手を緩めれば未削除のものが残っていくということに
なると思う。削除のための努力が十分にみられないような場合には、
警察は立件も辞さないという姿勢を早く示すことが、結果的にはサイ
ト管理者に違法情報等を削除するための努力を更に促すということに
つながるし、違法行為の助長によって儲けさせないようにすることで
抑止効果があるのではないかと思う。これまで違法情報の削除依頼に
ほとんど応じていなかったサイト管理者による削除率が向上したとい
うことは、警察の努力の結果であると評価するが、新たに未削除件数
が最も多くなったサイト管理者についても、今後このような状態が続
くことがないように対策を講じてもらいたい」旨の発言があり、生活
安全局長から、「新たに最も違法情報の未削除件数が多くなったサイ
ト管理者についても、広告を掲載して収益を上げていることが考えら
れるため、こういうものが見合わないようにするなど、今後の対策に
ついて、総合セキュリティ対策会議においても、民間事業者を含めて
検討していきたいと考えている。また、個別具体の事案に応じて困難
は伴うが、この2年間で約20のサイト管理者を幇助犯あるいは共同
正犯で検挙しており、引き続き検挙面でも努力してまいりたい」旨の
説明があった。

(4)平成24年上半期におけるインターネット・ホットラインセンター
からの通報による違法情報の検挙状況等について

生活安全局長から、「平成24年上半期におけるインターネット・
ホットラインセンターから通報を受けた違法情報を端緒として検挙に
至ったものは1,988件であり、前年同期比で1,413件増と大
幅に増加した。今後も、取締り結果に関する積極的かつ効果的な広報
啓発活動及び違法・有害情報の排除対策を推進するとともに、「全国
協働捜査方式」による違法・有害情報の取締りを継続して推進し、サ
イバー空間の環境浄化を図っていく」旨の報告があった。

(5)遠隔操作の疑いのあるネット利用業務妨害事件等について(大阪府
警察・三重県警察・警視庁)

刑事局長から、遠隔操作の疑いのあるネット利用業務妨害事件等に
ついて報告があった。
 髙木委員より、「今回問題となったウイルスを検知する新たなウイ
ルス対策ソフトができたということであるが、これで今回のような事
態は防ぐことができるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「この
ウイルス対策ソフトは、今回の一連の事案で発見されたウイルスにつ
いては検知できるが、新たなウイルスが出てくれば、また新たな対策
ソフトが必要となり、ある意味でイタチごっこのような状況にある」
旨の説明があった。
 髙木委員より、「第三者による遠隔操作が可能なウイルスによって、
一般人が誰でも今回のような事態に遭遇する可能性があり、各都道府
県警察は、『誤認逮捕になるかもしれない』という不安を常にもちな
がら捜査しなければならないのか」旨の発言があり、刑事局長から、
「今後、この種事案の捜査はこれまで以上に慎重に行っていく必要が
あると思う。また、何と言っても、このようなウイルスの対策ソフト
を開発する事業者等との連携を更に密にしたり、パソコンを使う方に
も不審なファイルは無闇に開かないなど自ら防御していただくよう注
意を喚起したりしていかなければならないと思う」旨の説明があった。
 髙木委員より、「慎重に捜査するよう指示されても、都道府県警察
はどのようにすればいいのか分からないのではないか」旨の発言があ
り、刑事局長から、「これまで以上にチェックを厳しくするというこ
とにならざるを得ないが、その分負担はかなり重くなると思う。今回
の一連の事案は現在も捜査中であるが、大阪府警察の事案については、
捜査員が既存のウイルス対策ソフトを用いて、犯行に使用されたパソ
コンがウイルスに感染していないか綿密に調べたものの検知されなか
ったことから逮捕に踏み切ったところ、その後の捜査によって、結果
として第三者による遠隔操作を可能とする新たなウイルスが発見され
たというものである」旨の説明があった。

(6)天皇皇后両陛下の東日本大震災被災地御訪問に伴う警衛警備につい

警備局長から、「天皇皇后両陛下は、10月13日、東日本大震災
被災地御訪問のため、福島県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、
所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

(7)皇太子殿下の第12回全国障害者スポーツ大会御臨場等に伴う警衛
警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、10月12日から10月14日ま
での間、第12回全国障害者スポーツ大会御臨場等のため、岐阜県へ
行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨
の報告があった。

(8)皇太子殿下のルクセンブルク国御訪問に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、10月18日から10月21日ま
での間、ルクセンブルク国皇太子殿下の婚礼式典御参列等のため、ル
クセンブルク国を御訪問される予定であり、これに伴い、所要の警衛
警備を実施する」旨の報告があった。

3 その他

(1)交通局長から、10月6日及び7日の2日間の日程により、茨城県
ひたちなか市所在の自動車安全運転センター安全運転中央研修所にお
いて開催された第43回全国白バイ安全運転競技大会の結果について
報告があった。