定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年2月7日(木)

午前10時00分 午後0時00分


第2 出席者 長谷川、髙木、山本各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3  議事の概要

1 議題事項

(1)国家公安委員会関係刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法
律施行規則の一部を改正する内閣府令案について

官房長から、国家公安委員会関係刑事収容施設及び被収容者等の処
遇に関する法律施行規則の一部を改正する内閣府令案に関し、平成2
4年12月21日から本年1月19日までの間に実施した意見募集の
結果、改正の内容等ついて説明があり、原案どおり決定した。
 髙木委員より、「結論はよいと思うが、喫煙したいという被留置者
もいるのではないか」旨の発言があり、官房長から、「これまで都道
府県警察から意見聴取も行い、数県で試行もしてきたが、特段問題は
生じていないということであり、原案どおり手続きを進めたい」旨の
説明があった。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「神奈川県警察の巡査部長らが、女性職員に着替
えを強要したなどとして、1月19日に通常逮捕された事案に関し、
同県警察は、国家公安委員会の了承が得られれば、2月8日、監督責
任として、地方警務官の警察署長を本部長注意の措置とする予定であ
る」旨の説明があり、原案どおり了承した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成24年第4四半期における地方警務官に係る贈与等報告書につ
いて

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から
平成24年第4四半期における贈与等報告書が国家公安委員会に対し
て提出され、これを国家公安委員会委員長が専決で受理し、このうち、
指定職以上の職員に係るものについては、その写しを国家公務員倫理
審査会へ送付することとしている」旨の報告があった。

(3)第2回「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」表彰式の開催
について

官房長から、2月9日、都内で開催される第2回「命の大切さを学
ぶ教室全国作文コンクール」表彰式について報告があった。

(4)平成24年度第3四半期監察の実施状況について

首席監察官から、警察庁等が都道府県警察等に対して行った平成2
4年度第3四半期における監察の実施状況について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった神奈川県警察の巡査部長
らによる強要等事案に関し、「神奈川県警察は、2月8日、同巡査部
長らを停職処分等とする予定である」旨及び「岩手県警察の巡査が、
酒気帯び運転の上、交通事故を起こした事案に関し、同県警察は、2
月8日、同巡査を懲戒免職処分とする予定である」旨の報告があった。
 長谷川委員より、「神奈川県警察の事案については、もちろんこの
ようなことをする男性職員が一番悪いが、このような状況になった場
合に、女性職員はどのように断ればいいのかといったことは教養して
いるのか」旨の発言があり、首席監察官から、「現在、女性職員相互
間による意見交換会等を活発に行うよう指導しており、先輩の女性職
員から話を聞くことができる機会となっている」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「私が大学で教えている女子学生達をみると、い
ろいろなことに遭遇したときに、どのように断ればいいのか分かって
いないことが多く、日本の女性は訓練されていないと思う。それで、
女子学生が海外に行く場合には、男性が言い寄ってきたときなどの対
処方法等をアドバイスしている。女性の方も、どのようにすれば男性
に悪い印象を与えず、後々揉めることにならないよう止めさせること
ができるのかといったことを考えなければならないと思う。今回のよ
うな事案は、もちろん男性職員が悪いことは言うまでもないが、女性
職員の方にも対応の仕方について知恵をつけて上げられれば、事件に
はならなかったのではないかと思う。本当にひどければ毅然と怒るこ
とが必要だが、最初から男性に対して怒ると男性もすごく反撃してく
ることが多いので、なるべく柔らかく対応し、その場にいる男性の中
に同調して一緒に反論してくれる男性を味方につけることである」旨
の発言があり、長官から、「確かに、今回の事案の被害者は、断れば
警察組織の中で仕事をしていくことに何か支障があるのではないかと
いうことで、なかなか被害意思を明確に出せなかったところがあった
ようなので、やはりきちんと教養するとともに、御指摘のように、味
方になってくれる男性職員がいるぐらいの職場づくりに努めていかな
ければならないと思う」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「今回の事案のようなことがあれば、柔らかく対
応して、同じことをしつこく言えないように他の話題に変えてみるこ
とも一案である。そして、他の話題に変えていくときに、その場にい
る他の男性職員が同調してくれれば、そらしやすくなると思う」旨、
山本委員より、「弁護士の世界においても、男女共同参画に取り組ん
でいるが、まだ無意識の差別感といったものがあるのではないか、切
迫感が欠けているのではないかという印象をもっている。警察は一般
社会より、ある意味では男社会であると思うので、やはり、幹部が強
い意識で、女性の立場の擁護、女性の尊重ということを発信していか
なければならないと思う」旨の発言があった。

(6)平成24年中における人身取引事犯について

生活安全局長から、平成24年中の人身取引事犯の検挙状況及び被
害状況等について報告があった。

(7)法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」における「時代に即
した新たな刑事司法制度の基本構想」の取りまとめについて

刑事局長から、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」にお
ける「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」の取りまとめに
ついて報告があった。

(8)平成24年中における死体取扱状況について

刑事局長から、平成24年中における死体取扱状況について報告が
あった。

(9)平成24年中の捜査本部設置事件の捜査状況について

刑事局長から、平成24年中の捜査本部設置事件の捜査状況につい
て報告があった。

(10)上野市ビジネスホテルにおける強盗殺人事件被疑者の逮捕について
(三重県警察)

刑事局長から、「三重県警察は、平成9年4月に発生した上野市内
のビジネスホテルにおける強盗殺人事件に関し、2月1日、被疑者を
逮捕した」旨の報告があった。

(11)FATF対日審査フォローアップへの対応(第5回報告)について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップへの対応(第5回
報告)について報告があった。

(12)外為法違反事件被疑者の逮捕について

警備局長から、「三重県警察及び兵庫県警察は、1月31日、北朝
鮮に不正に貨物を輸出した外為法違反(無承認輸出)事件の被疑者を
逮捕した」旨の報告があった。

3 その他

(1)交通局長から、愛知県警察における交通事故統計問題に関する調査
結果と再発防止策について報告があった。
 長谷川委員より、「そもそも交通事故の定義はどのようになってい
るのか」旨の発言があり、交通局長から、「道路交通法第2条第1項
第1号に規定する道路上において、車両、路面電車及び列車の交通に
よって起こされた人の死亡又は負傷を伴う事故としている。また、交
通事故から除外するものとして6類型を定めており、明らかに自殺・
傷と認められる者であって、自ら自殺・傷へ能動的な行動を起こした
者、確定的故意により死傷させられた者、建物、陸橋等から転落し、
これによって車両等に衝突し、接触し、又はれき過されて死傷した者、
上空、建物等からの落下物の直撃によって死傷した車両等の運転者・
同乗者、崖崩れ、道路の陥没、流失等に直接巻き込まれて死傷した車
両等の運転者・同乗者、その他これら以外で、高波等の災害に直接巻
き込まれた場合など交通事故統計上計上するのが適当でない当事者に
ついては、交通事故における死傷がないものとして取り扱っている。
例示を加えるなどの改正はあるが、原則、この考え方で昭和55年か
ら運用しているところである」旨の説明があった。
 山本委員より、「自殺や病気との推測だけで除外したことが問題だ
ということか」旨の発言があり、長官から、「そこは厳格に判断しな
ければならないものである」旨の説明があった。
 髙木委員より、「平成14年から、計上されていない交通事故死者
数が急に増えている理由は何か」旨の発言があり、交通局長から、「
資料の保存期限があることから、調査可能な範囲を調べ確認できた結
果である」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「自殺と推測して除外したものが死亡事故200
件に対して50件。死亡事故の5分の1に当たる数が自殺というのは
あり得ないとは思わなかったのか」旨の発言があり、交通局長から、
「自殺との推測だけではなく、病気の介在や道路外事故としたものな
どもある」旨の説明があった。
 髙木委員より、「各県ごとに統計計上の判断が違っているとすれば、
昨年中の全国の交通事故死者数約4,400人という数字への信頼性
に疑問が生じるのではないか」旨の発言があり、交通局長から、「そ
のように見られてしまう懸念があるが、個々のケースで判断に迷うこ
とはあっても、愛知県警察のように一定の類型のものを大きく抜いて
しまうということは他では見られない」旨の説明があった。
 山本委員より、「故意でやってきたということであれば問題である」
旨の発言があり、交通局長から、「以前から、いわば愛知のローカル
・ルールとしてこのような考え方を踏襲してやってきたようである」
旨、長官から、「全国統計においてローカル・ルールはあり得ない」
旨の説明があった。

(2)生活安全局長から、少年法の改正動向について報告があった。

(3)交通局長から、平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子
トンネル(上り線)天井板崩落事故に伴い一部区間で通行止めを実施
中のところ、2月8日の全面開通予定等について報告があった。