定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年3月28日(木)

午前10時00分 午前11時15分


第2 出席者 長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)管区警察学校の各部の内部組織に関する規則等の一部を改正する規
則案等について

官房長から、国家公務員採用試験の改正に伴う管区警察学校の各部
の内部組織に関する規則等の一部を改正する規則案等の改正内容等に
ついて説明があり、原案どおり決定した。

(2)警察官の服制に関する規則の一部を改正する規則案について

官房長から、女性警察官の制服の制式等を改めることを内容とする
警察官の服制に関する規則の一部を改正する規則案について説明があ
り、原案どおり決定した。

(3)平成24年中の不正アクセス行為の発生状況等の公表について

生活安全局長から、「平成24年中の不正アクセス行為の認知件数
は1,251件、検挙件数は543件と、いずれも前年より増加し、
検挙人員は154人で、平成12年に不正アクセス行為の禁止等に関
する法律が施行されて以降、最多となった。同法第10条第1項の規
定に基づき、国家公安委員会、総務大臣及び経済産業大臣より公表す
ることとしたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。
 山本委員より、「これは、公表後、どのように利用されるのか」旨
の発言があり、生活安全局長から、「関係省庁において、それぞれ報
告をまとめているところであるが、警察では不正アクセス行為の発生
状況について、経済産業省では不正アクセス関連行為の関係団体への
届出状況について、総務省ではアクセス制御機能に関する技術の研究
開発の状況について記述している。警察としては、幅広く、利用者や
アクセス管理者等に対して十分に注意喚起していきたいと考えており、
この点については関係省庁においても同様と考えている」旨の説明が
あった。
 山本委員より、「例えば、弁護士会では法教育、税理士会において
も租税教育に関心を持ち、情報提供等学校と連携した活動を行ってい
る。今回の報告の中に、犯罪の被害に遭わないために気をつけるべき
事項に関する情報が盛り込まれているが、これがきちんと国民に届け
られているのかという観点からは、少し足りない点があるのではない
かと思う。例えば、振り込め詐欺等は依然として大きな被害が出てお
り、これまで警察官によるATMの警戒など様々な対策が講じられて
いるが、小中学生に対して、祖父母が振り込め詐欺の被害に遭わない
ようにするため、急な電話が架かってきたときは、暗号や合言葉を言
って、不審な電話かどうか判別するといった、わかりやすく具体的な
情報をもう少し社会に発信するという意識を持った方がよいのではな
いかと思う。今回の報告は記述もかなり多く、難しい内容も含まれて
いるだけに、スマートフォン等の利用に際し、『このようなことに気
をつけることが大事ですよ』ということを抽出して発信することは重
要であると思う。せっかくこれだけの情報を集めたのであるから、大
事な点は何かということが分かるような形にしてもらった方がよい」
旨の発言があり、生活安全局長から、「まさに不正アクセス禁止法は、
不正アクセス行為からの防御に資するため、不正アクセス行為の発生
状況等を公表するものとされている。伝わりにくい点もあるかと思わ
れるので、都道府県警察も指導しながら、利用者等にきちんと伝わる
ように努めていきたいと思う」旨の説明があり、山本委員より、「学
校等を通じて小中学生に防犯に関する知識を理解してもらうことを意
識して、文部科学省等と連携し、こうしたメッセージを伝えるルート
を構築することも大事ではないかと感ずる。我々は認識していても、
国民には届いていない情報もかなり多いのではないかと思われるので、
工夫した方がよいと思う」旨の発言があった。
 次長から、「委員御指摘のとおり、振り込め詐欺については、これ
まで、例えば、『携帯電話が変わった、カード預かりますという電話
は詐欺です』というような、わかりやすいコンパクトなメッセージや
犯行の手口を、マスコミや警察の広報等を通じて、被害者の多くを占
める60歳以上の女性をターゲットとして発信してきたところである。
他方、犯人は、子供等をかたって、親に、『お金をなくした』、『痴
漢をして捕まった』などと申し向けてくることから、若者に対し、祖
父母と電話で連絡するときは、例えば、合言葉を決めておくように注
意喚起したりしているが、小中学生向けの祖父母へのメッセージにつ
いても検討してみたいと思う」旨の説明があり、山本委員より、「子
供たちが興味を持つように伝えることができるなら、効果が出てくる
と思われるので、工夫してもらいたい」旨の発言があり、次長から、
「マスコミからの情報発信が最も影響力があると思う。最近、振り込
め詐欺の手口等について、あまり取り上げられていない状況にあるこ
とから、また協力が得られるようにしたいと思う」旨の説明があった。
 山本委員より、「おそらく、学校の先生等は、この不正アクセス行
為の発生状況等の報告の中で示されているような情報について、あま
り認識がないのではないかと思われるが、生徒が知っておくべきもの
であるということを理解してもらえれば、知らせてくれるであろうし、
そうすることによって、犯罪予防にも影響してくると思う」旨の発言
があった。

(4)無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に
関する報告について

警備局長から、平成24年中の無差別大量殺人行為を行った団体の
規制に関する法律の施行状況に関する国会への報告内容等について説
明があり、原案どおり決定した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)警察庁長官に対する異議申立てに係る決定について(行政機関情報
公開法関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係
の異議申立てに係る決定について報告があった。

(3)平成25年度警察庁暫定予算(案)の概要について

官房長から、平成25年度警察庁暫定予算(案)の概要について報
告があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視庁の警部補が、売春防止法違反及び地方公
務員法違反で逮捕された事案等に関し、警視庁は、3月29日、同警
部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司らを警視
総監注意等の措置とする予定である」旨の報告があった。

(5)平成24年中のサイバー犯罪の検挙状況等について

生活安全局長から、「平成24年中のサイバー犯罪の検挙件数は7
,334件で、前年と比べ27.7%増加し、過去最高となり、この
うち、ネットワーク利用犯罪の検挙件数についても6,613件で、
前年と比べ22.7%増加し、過去最高となった。また、サイバー犯
罪等に関する相談受理件数は77,815件で、前年と比べ3.1%
減少した」旨の報告があった。
 長谷川委員より、「ネットワーク利用犯罪のうち、非常に増えてい
るものと、それほど増えていないものがあるが、例えば、児童ポルノ
事犯では、平成20年中の検挙件数は254件だったものが、昨年中
は1,085件と非常に増加している。これは、このような事犯が本
当に増えているからなのか、それとも検挙できるようになってきたか
らなのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「児童ポルノ事犯に
ついては、相当増加し続けてきており、検挙件数についても毎年過去
最多を更新しており、ファイル共有ソフトの利用など、ネットワーク
を利用して行われているものが大半である。警察としては、サイバー
パトロール等により、こうした事犯の全国一斉の検挙にも努めており、
検挙件数の増加にもつながっていると考えているが、依然として悪質
な事犯がみられるところである」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「また、わいせつ物の頒布も非常に増えているが
どうなのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「全国協働捜査方
式により、かなり効率的に捜査ができるようになっており、そこでは、
わいせつ物頒布等がかなり多くなっている。捜査体制の充実という要
因も大きいと思われる」旨の説明があり、長谷川委員より、「引き続
き、徹底的に取り締まってもらいたい」旨の発言があった。

(6)平成25年春の全国交通安全運動の実施について

交通局長から、「4月6日から15日までの10日間、「子どもと
高齢者の交通事故防止」を基本に、「自転車安全利用五則の周知徹底
に重点を置いた自転車の安全利用の推進」、「全ての座席のシートベ
ルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」、「飲酒運転の根絶」
を重点とした春の全国交通安全運動を実施する」旨の報告があった。

(7)「構造改革特別区域計画の認定」について

交通局長から、「つくばモビリティロボット実験特区」に係る構造
改革特別区域計画について、構造改革特別区域の範囲の一部変更、新
たな規制の特例措置の追加等、同計画の変更認定申請に対して長官の
専決処理により同意したことについて報告があった。

(8)安倍内閣総理大臣のモンゴル訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「安倍内閣総理大臣は、3月30日から3月31日
までの間、日・モンゴル首脳会談等のため、モンゴルを訪問する予定
であり、所要の警護警備を実施する」旨の報告があった。

(9)サイバー攻撃特別捜査隊の設置について

警備局長から、4月1日付けで、13都道府県警察に新設されるサ
イバー攻撃特別捜査隊について報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、山口組若頭(弘道会会長)による恐喝事件の判決に
ついて報告があった。