定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年5月2日(木)

午前10時00分 午前10時55分


第2 出席者 長谷川、山本、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

官房長から、サイバー空間の安全確保のための体制、検視体制及び
暴力団対策を強化するための体制強化を図るための地方警察官の増員
を内容とする警察法施行令の一部を改正する政令案等について説明が
あり、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「京都府警察の巡査が、大麻を所持するなどして、
4月12日に現行犯逮捕された事案に関し、同府警察は、国家公安委
員会の了承が得られれば、5月9日、監督責任として、地方警務官の
前警察署長を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明があり、
原案どおり了承した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)警察庁長官に対する開示請求の決定について(行政機関情報公開法
関係)

官房長から、警察庁長官に対してなされた行政機関情報公開法関係
の開示請求に係る決定について報告があった。

(3)平成25年春の勲章伝達式等について

官房長から、4月29日付けで発令された平成25年春の叙勲に関
し、警察関係者の受章者に対する勲章の伝達式の予定等について報告
があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、1(2)で説明のあった京都府警察の巡査による
大麻取締法違反等事案に関し、「京都府警察は、5月9日、同巡査を
懲戒免職処分とする予定である」旨の報告があった。
 奥野委員より、「この職員は、採用されて6年経過しているが、そ
の間覚醒剤を使用していたのか」旨の発言があり、首席監察官から、
「採用前に他の職業に数年間就いており、その頃に使用を始めたとい
うことであり、警察官採用試験の受験を決めた頃から使用を止めてい
たが、現在の所属へ異動になって再び使用するようになったというこ
とである」旨の説明があった。

(5)平成24年中の「インターネット・ホットラインセンター」の運用
状況等について

生活安全局長から、「インターネット・ホットラインセンターでは、
平成24年中、196,474件の通報により、201,795件の
情報を受理し、通報された情報を分析した結果、違法情報は38,9
33件、有害情報は12,003件であり、また、センターからの通
報に基づく違法情報の検挙件数は、平成23年7月から本格実施した
「全国協働捜査方式」の定着化等により、3,303件で、前年比1,
704件増と大幅に増加した」旨の報告があった。
 奥野委員より、「平成24年中のインターネット・ホットラインセ
ンターの通報受理件数、同センターからの通報に基づく検挙件数がと
もに過去最高であったということであるが、これらの要因は同センタ
ーの存在が広く知られるようになったからなのか」旨の発言があり、
生活安全局長から、「そのような面もあると思われる。また、事件を
検挙した際も、インターネット・ホットラインセンターからの通報が
端緒となった場合には広報しているほか、同センターにおいてもかな
り広報啓発活動を進めていることから、広く知られるようになってき
たのではないかと思われる」旨の説明があった。
 奥野委員より、「一般の方から、『インターネット上に有害な情報
等が出ており、子供に悪影響を与えるので、どのようにすればいいだ
ろうか』という相談を受けることがあり、私もインターネット・ホッ
トラインセンターという存在がある旨説明はしているが、まだまだ知
らない方もいると思われるので、引き続き広報啓発活動は行っていた
だきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「全国協働捜査方式
による違法・有害情報の取締りがかなり定着し、効率的に捜査ができ
るようになったことから、検挙件数は増加しており、違法・有害情報
の削除率も向上しているが、依然として違法・有害情報がインターネ
ット空間に溢れていることから、インターネット・ホットラインセン
ターの広報啓発活動も含めて諸対策を推進してまいりたい」旨の説明
があった。
 長谷川委員より、「これまでインターネット・ホットラインセンタ
ーの費用負担の在り方について、民間による負担も含めて議論がなさ
れていたと思う。先ほど、「引き続きセンター業務の効率化を図る」
という報告があったが、どのように効率化が図られることになるのか」
旨の発言があり、生活安全局長から、「インターネット・ホットライ
ンセンターにおいては、様々な機材を整備することによって業務の効
率化を図り、以前に比べて従事者数も減っているところであり、その
ような意味での業務の効率化に引き続き努めていくということである。
また、費用負担の在り方については、総合セキュリティ対策会議等に
おいて事業者等により議論いただき、様々な意見が出されたことから、
引き続き検討していくこととしている」旨の説明があり、奥野委員よ
り、「通報件数が増加しているのに、人員を縮小するということで問
題はないのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「この業務は当
初からインターネット協会に委託しており、本年度は3年契約の3年
目に当たるが、かなり効率的な運用はできるようになってきている。
確かに、このまま通報件数が増加し続けると、業務の効率化だけで対
応できるのかということもあるとは思うが、可能な限りの効率化を図
りつつ、なるべく多くの方から情報提供を受けることができるよう、
工夫に努めたい」旨の説明があった。
 山本委員より、「違法・有害情報を掲載させない、掲載されたもの
は早く削除してもらうという観点から見た場合、サイトに違法情報等
が掲載されている場合には広告主等へ発注を控えるよう働きかけるこ
とは効果的であると思うが、これまで違法情報の削除依頼にほとんど
応じていなかったサイト管理者について、一時期、削除率は上がった
ものの、最近は下がってきているという状況を見ると、こうしたサイ
トへのアクセス数は多く、広告主等への働きかけもあまり期待できな
いのではないかという感じもする。こうした管理者の対応が、また以
前のように戻ることがないようにしていく必要があると思うが、現時
点でどのように考えているのか」旨の発言があり、生活安全局長から、
「インターネット上の広告配信については、業界団体において広告を
掲載する際の基準や手順というものがきちんと決められており、最初
にサイトに違法・有害情報がないか確認した上で発注するという流れ
になってはいるが、しばらくすると違法情報等が掲載されるようにな
ってくる状況も見られる。特に、匿名サイトであれば、違法情報等が
掲載されている場合の方がアクセスも多くなるので、悪質なサイト管
理者が、広告主等による当初の審査を通った後に掲載された違法情報
等をそのまま放置しておくという例もあり、総合セキュリティ対策会
議等において、その辺りの対策について議論されたが、悪質なサイト
は非常に多く、業界団体としても対応に困難を伴うため、インターネ
ット・ホットラインセンターから業界に対して悪質なサイトの情報提
供を行うことが提言されている。また、これまで違法情報の削除依頼
にほとんど応じていなかったサイト管理者については、一昨年末に捜
査に着手した影響からか、一時的には削除率はかなり上がったものの、
最近は徐々に下がってきているという実態も見られるところである。
このサイト管理者に限らず、今後、違法情報等をそのまま放置してい
るという状況があれば、様々な情報収集を行い、事件化も視野に入れ
て対策を講じてまいりたい」旨の説明があり、山本委員より、「イン
ターネットによる影響は大きいことから、是非力を入れて取り組んで
もらいたい」旨の発言があった。

(6)在留邦人及び在外日本企業の保護の在り方等に関する有識者懇談会
報告書について

警備局長から、4月26日に取りまとめられた在留邦人及び在外日
本企業の保護の在り方等に関する有識者懇談会報告書に関し、主な内
容、警察における取組等について報告があった。

(7)公共ブロードバンド移動通信システムの運用開始について

情報通信局長から、国内で初めて公共ブロードバンド移動通信シス
テムを警察庁が導入し、4月から運用を開始したことについて報告が
あった。