定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年5月30日(木)

午前10時00分 午前11時20分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備
局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)警察庁長官等の評価手続について

警察庁長官等の評価手続について実施した。

(2)「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の一部を改正する内閣府令案」
について

生活安全局長から、認知機能の低下の状況を判断する基準に係る配
点方法、計算式等の見直しを行うことを内容とする「銃砲刀剣類所持
等取締法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について説明があり、
原案どおり決定した。

(3)六代目山口組、稲川会及び住吉会の指定の確認について

刑事局長から、「兵庫県及び東京都公安委員会から受理した六代目
山口組、稲川会及び住吉会に対する指定暴力団としての指定の確認請
求について、審査専門委員の意見聴取を終えたことから、本日、国家
公安委員会による確認を求め、各公安委員会に通知することとしたい」
旨の説明があり、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を
要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内
容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)平成24年度における留置施設の巡察の実施結果について

官房長から、平成24年度における留置施設の巡察の実施結果につ
いて報告があった。

(3)警察における女性の視点を一層反映した対策の推進に関する報告書
について

官房長から、平成24年8月に発出された「「警察改革の精神」の
徹底のために実現すべき施策」のうち、「女性被害者等に対する対応
強化」及び「女性警察官の採用・登用の拡大」の推進に関して、部外
有識者によりとりまとめられた報告書の概要等について報告があった。
 前田委員より、「警察における女性の採用・登用の現状にかんがみ
ると、女性の登用を推進する責任者を組織の中で明示しなければ実効
性は上がらないのではないか。また、一定の女性幹部が養成されてい
なければ、将来像が見えてこないので、職員の不安、更には退職など
にもつながっていくおそれがあるのではないかと思う。また、警部昇
任時、現在は警察大学校において約4か月間の研修が義務付けられて
いるが、地方で勤務する既婚の女性警察官等にとって、長期間の入校
は困難と思う。こうした問題は改善されているのか」旨の発言があり、
官房長から、「この施策については、警察庁では長官官房、各都道府
県警察では警務部門が担当しているところである。6月の全国会議に
おいて、責任の明確化ということも含めてきちんと指示したいと思う。
女性の活力をいかに活用していくかということは非常に重要な課題で
あり、女性警察官の採用・登用を拡大していくためには、数値目標を
よく管理しながら推進していく必要があると思われ、警察庁としても
同じ問題意識をもって進めてまいりたい。また、幹部への登用に関し
ては、例えば、管区警察局を中心に、女性署長を招致して御自身の経
験等を話していただき、職員の参考としてもらう機会を設けるなどの
取組は既に始めている。県を越えて幹部女性警察官を招致して、その
話を聞くことができる機会を設けるなど、少しでも今後のキャリアス
テップが見えるような仕組みの構築に警察庁としてもサポートしてい
きたいと思う。また、管区警察学校への警部補、巡査部長の入校につ
いては一部緩和措置を講じているが、これを基に警部昇任時の研修期
間に関しては、警察大学校への入校についてどのような方法があるの
か、引き続き検討してみたいと考えている」旨の説明があり、前田委
員より、「前から言われている話であり、研修期間を分割して実施す
るなどの具体的な対策を早急に講じなければ、幹部登用につながって
いかないのではないか」旨、委員長より、「前田委員から研修に関す
る話があったが、女性警察官の幹部登用のためのソフト・ハード両面
の環境が整備されていないという実態があると思うので、是非長官が
先頭に立って、今後の対応を議論し、アクションプログラムを作って
もらいたい」旨の発言があった。
 長谷川委員より、「6年前の就任時に、女性専用トイレがない交番
が未だにあるという話を聞いたが、先日も同じ話を聞いた。そのとき
は、女性専用トイレの優先順位が低いわけではないものの、とにかく
お金がないので苦慮しているというお話を聞いたが、そうはいっても
それでよいという問題ではないと思われるので、喫緊の課題として対
処していただきたい。また、署長等管理職にある女性警察官の話を聞
く機会を設けるというような取組は有意義であると思うが、その際は
対象を女性に限定しないようにしていただきたい。女性警察官が幹部
となったとき、どのような苦労があり、どのようなことが必要であっ
たのかということを、一緒に働く男性のためにも考えていただきたい
と思う。また、前田委員から責任者の明示について御指摘があったが、
内閣府男女共同参画局の設置の頃から、学術団体や学会などでも男女
共同参画の担当係が置かれ、年次総会等の場において、年間の活動や
成果の報告、情報共有等の機会が設けられるようになってきていると
思う。警務部門内の既存の部署ということではなく、何かの看板を立
てた方がよいような気もする」旨の発言があり、官房長から、「警察
庁においても、警察庁男女共同参画推進会議を毎年開催し、年間の活
動状況の検証を行うとともに、女性職員の代表者も加わって、要望事
項等に対する議論を行っており、各都道府県警察においても同様の組
織が設けられているところであるが、御指摘のように、こうした組織
に明確に役割等を与え、更に意識して取り組んでいくということなど
についても考えてみたいと思う」旨の説明があった。
 髙木委員より、「男社会であるだけに、施策の策定だけに終わらな
いよう注意する必要がある。各委員から指摘があった責任者の明示や
やり方の問題もあるが、例えば、施設の改善等については、具体的な
数値目標を掲げて、各県ごとにどの程度達成したのか毎年検証を行う
ような踏み込んだ対策を講じなければ、現状は変わらないのではない
かと思う」旨、山本委員より、「女性警察官にとって、改善してもら
いたい施設や場所があっても、なかなかそれが言いづらい現状にある
のではないかと思う。例えば、シャワー室の施錠設備を何とかしてほ
しいというようなことを言いにくいという話も聞いたことがあり、女
性警察官からの改善要望について、上司に言うことができる雰囲気作
りが大事であると思う。男性もそうなのかもしれないが、女性はなお
さらであるということも意識していただきたいと思う」旨、奥野委員
より、「この報告書に示されている中身をいかに実行に移していくか
ということがポイントであると思う。従来より男社会と言われ、また、
力仕事を要する部分もあり、これまでは女性警察官を受け入れにくか
ったのではないかと思われるし、現場においては、この報告書で示さ
れた精神について理解はできても、男性警察官の負担が増えるのでは
ないかという抵抗感があるということも考えられるところである。最
も重要なことはやはり第一線も含めた意識改革であり、大変なことだ
とは思うが、全体的に発想を変えるということを幹部が不退転の決意
をもって取り組んでもらいたい」旨、委員長より、「国家公安委員会
委員長に就任してから一つのテーマについて全委員から発言があった
のは今回が初めてではないかと思う。それだけ今回の報告書の内容は
重要なものであると感じている。女性の登用については、私も出席し
た政府の男女共同参画会議において総理も発言されているが、全警察
官に占める女性警察官の割合は現在6.8パーセントということであ
り、各委員から示唆に富む御提案も出されたことから、是非長官の下
で、具体的なアクションプログラムを作成し、どのような取組を行っ
ていくのか、公安委員会に報告してもらい、委員の御意見も踏まえな
がら本当に実効あるものにしていくための取組を行ってもらいたいと
思う」旨の発言があり、長官から、「本日、この報告書をいただいた
ことを契機に、これまでの作業を加速化させるため検討を進め、改め
て報告させていただきたい」旨の説明があった。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「東北管区警察局の技官が、女性に強制わいせつ
行為をしたとして、5月1日に通常逮捕された事案に関し、同管区警
察局は、5月31日、同技官を停職処分とする予定である」旨の報告
があった。

(5)自動車安全運転センター評議員の任命の認可について

交通局長から、自動車安全運転センター法の規定に基づき、同セン
ターから国家公安委員会に対し、評議員任命についての申請がなされ、
適正であると認められたことから、長官決裁の上、評議員の任命につ
いて認可を行ったことについて報告があった。

(6)通学路の交通安全の確保に向けた取組状況について

交通局長から、昨年5月以降に実施した通学路の緊急合同点検の結
果を受けた通学路対策の平成24年度末における推進状況及び今後の
通学路対策に関する取組について報告があった。

(7)第5回アフリカ開発会議に伴う警衛警護警備について

警備局長から、5月31日から6月3日までの間、横浜市内で開催
される第5回アフリカ開発会議等に伴う警衛警護警備について報告が
あった。

3 その他

(1)官房長から、野党共同提案による「犯罪被害者等給付金の支給等に
よる犯罪被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律案」の国
会提出について報告があった。

(2)生活安全局長から、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及
び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」の国会提出に
ついて報告があった。
 山本委員より、「毎年数百名の子供が新たに児童ポルノの被害に遭
っているという実態にあり、被害を防ぐためには、このような法改正
がどうしても必要であると思う。是非実現に向けて力を入れてもらい
たいと思う」旨の発言があり、委員長より、「今週開催された犯罪対
策閣僚会議において、私からも、児童ポルノの単純所持の禁止という
国際的規制の流れに合わせるべきであるとお話ししたところである。
G8諸国で単純所持の法規制がないのはロシアと日本だけであり、グ
ローバルスタンダードから外れていると言える。そのような意味から
も、今回のような議員立法の提出の動きが出てきたということは良い
ことであり、関係省庁と連携して取り組んでいけるように働きかけて
まいりたい」旨の発言があった。

(3)交通局長から、自動車安全運転センターの役員人事に係る方針とし
て、公募の実施、役員出向の活用等を引き続き行うことについて報告
があった。