定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年9月12日(木)

午前10時00分 午前11時35分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
情報通信局長
審議官(警備局担当)、首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)殉職事案の発生について

官房長から、「宮城県警察の巡査長が、平成25年8月29日午
後2時20分頃、宮城県黒川郡大郷町内の県道において、白バイに
より交通指導取締り中、対向車線にはみ出して、路外の街路灯に衝
突し、9月10日午前7時58分、入院加療中の病院において死亡、
殉職した」旨の報告があった。

(2)平成25年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察剣道選手権大
会結果について

官房長から、平成25年度全国警察柔道選手権大会及び全国警察
剣道選手権大会の結果について報告があった。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の警視が、信用失墜行為をした事
案に関し、同県警察は、9月13日、同警視を停職処分とする予定
である」旨の報告があった。
 委員長より、「国民の信頼に応える強い警察を構築するためには、
現場トップの署長のモラルは極めて高いものが求められている。選
挙の投票日当日に管内を離れてゴルフに行き、車を運転するにもか
かわらず飲酒するというのは、署長としてあるまじき行為であり、
厳しい処分を科すべきである。日本の警察のクオリティの分水嶺に
当たる時期に来ているとも言えるので、規律の保持や教育を含め、
徹底して取り組んでもらいたい」旨の発言があった。

(4)平成25年上半期の児童虐待及び児童ポルノ事犯の検挙状況等に
ついて

生活安全局長から、平成25年上半期の児童虐待及び児童ポルノ
事犯の検挙状況等について報告があった。
 山本委員より、「本年上半期における児童ポルノに係る被害児童
数が300人の大台を超えたとのことであるが、これだけ多くの児
童が心ない大人の欲望の餌食になっており、もはや放置できない状
況となっていると思う。こうしたことを敢行する大人をこれ以上増
やさないという意味でも、児童ポルノの単純所持を禁止する立法も
提言いただく必要があるのではないかと感じている」旨の発言があ
り、生活安全局長から、「児童ポルノの単純所持の禁止に関しては、
様々な議論があるなかで、前国会において、議員立法として法案が
提出され、継続審議になっており、その推移などを見守っていると
ころである」旨の説明があり、山本委員より、「そうした経緯があ
ることなども承知しているが、大変多くの児童が被害に遭っており、
対策の必要性を社会に発信する努力を是非していただきたい。先進
諸国と比べても、かなり異なる対応となっているようであり、危機
意識を持って取り組んでいただきたい」旨の発言があった。

(5)平成25年上半期の出会い系サイト等に起因する事犯の現状と対
策について

生活安全局長から、「平成25年上半期の出会い系サイトに起因
して犯罪被害に遭った児童は前年同期比で減少したが、コミュニテ
ィサイトに起因して犯罪被害に遭った児童については、無料通話ア
プリのIDを交換する掲示板に起因する犯罪被害の急増等により、
前年同期に比べて増加しており、今後も、事業者の自主的な対策を
進めるための具体的な要請・指導を行うほか、関係省庁等と協力し
て、更なるフィルタリングの普及徹底及び実効性のあるゾーニング
の更なる推進等のコミュニティサイト対策を推進してまいりたい」
旨の報告があった。
 奥野委員より、「出会い系サイトやコミュニティサイトに起因す
る児童の被害を減少させるためには、フィルタリングに関して、事
業者への働き掛け、保護者に対する啓発が重要であると思うが、保
護者に対してはどのような対応をしているのか」旨の発言があり、
生活安全局長から、「一つには、携帯電話を販売する際に、販売店
から保護者に対し、フィルタリングの必要性について説明してもら
うことが必要であり、事業者にはその旨働き掛けているところであ
る。これまでも、販売現場における保護者への説明状況についての
調査を行ったことがあるが、このような調査を行うこと自体がフィ
ルタリングの必要性に対する意識を啓発する上で有意義であると
考えており、今後とも取り組んでいきたい。このほか、様々な形で
保護者に対する広報啓発活動を行っており、例えば、新学期の機会
を捉え、防犯教室などにおいて、保護者に対し、フィルタリングの
必要性について説明しているところであり、今後とも継続して実施
してまいりたい」旨の説明があった。

(6)平成25年上半期の暴力団情勢について

刑事局長から、平成25年上半期の暴力団情勢について報告があ
った。

(7)東証一部上場企業元役員による不正競争防止法違反事件の検挙に
ついて(愛知県警察)

刑事局長から、東証一部上場企業元役員による不正競争防止法違
反事件の検挙についての報告があった。
 奥野委員より、「本事件の捜査においては、関係する外国公務員
への事情聴取を始め困難な面がいろいろとあったと思うがどうか」
旨の発言があり、刑事局長から、「刑法の贈賄罪であれば、必要的
共犯事件となるため、贈賄側、収賄側双方の捜査が必須となるが、
不正競争防止法においては贈賄側のみが処罰される規定となってい
るほか、あらかじめ立件に必要かつ十分な証拠は収集されたと判断
されたことから逮捕に至ったものである」旨の説明があった。

(8)「平成25年秋の全国交通安全運動」の実施について

交通局長から、「9月21日から30日までの10日間、『子ど
もと高齢者の交通事故防止』を運動の基本に、『夕暮れ時と夜間の
歩行中・自転車乗用中の交通事故防止』、『全ての座席のシートベ
ルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底』、『飲酒運転の根絶』
を重点とした秋の全国交通安全運動を実施する」旨の報告があった。

(9)貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会に
ついて

交通局長から、「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方につい
て、有識者による検討会を設置することとし、第1回目の検討会を
9月26日に開催する」旨の報告があった。

(10)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会連絡室の
設置について

審議官(警備局担当)から、「2020年東京オリンピック・パ
ラリンピック競技大会開催に伴う警察諸対策の推進に必要な事項に
ついて連絡調整を図るため、本日、警察庁に『2020年東京オリ
ンピック・パラリンピック競技大会連絡室』を設置した」旨の報告
があった。

3 その他

(1)官房長から、国家公安委員会委員長の海外出張予定について報告
があった。

(2)刑事局長から、9月9日にトルコ共和国において発生した邦人女
性観光客殺傷事件に伴う警察の対応等について報告があった。

(3)審議官(警備局担当)から、尖閣諸島周辺海域における情勢と警
察の対応について報告があった。

(4)審議官(警備局担当)から、国際テロ対策に係るデータのインタ
ーネット上への掲出事案に関する国賠訴訟の状況について報告が
あった。

(5)髙木委員より、「ここ数年、9月18日に、日本へのサイバー攻
撃を呼び掛けるインターネット上の書き込みが相次ぎ、本年もその
ような呼び掛けがなされているということが報道されていたが、警
察としてどのような対策をとるのか」旨の発言があり、審議官(警
備局担当)から、「警察庁としても、情報収集に努めており、内閣
官房情報セキュリティセンターと連携し、関係機関や重要インフラ
事業者等に情報セキュリティの強化に向けて情報提供を行ったり、
注意喚起を図るなど、必要な対応をしてまいりたい」旨の説明があ
った。