定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年10月10日(木)

午前10時05分 午前11時20分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、髙木、山本、前田、奥野各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備
局長、情報通信局長
首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)犯罪被害者等給付金の裁定(東京都・茨城県)に対する審査請求
事案の審理状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の
審理状況及び裁決案について説明があり、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会・警察庁新型インフルエンザ等対策行動計画の策
定について

警備局長から、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき策
定される「国家公安委員会・警察庁新型インフルエンザ等対策行動
計画」の案について説明があり、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)産業競争力強化法案について

官房長から、産業競争力強化法案の概要について報告があった。

(2)平成26年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合
格者)の内定について

官房長から、平成26年4月1日採用予定の国家公務員採用総合
職・一般職採用候補者の内定状況について報告があった。

(3)全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭の開催について

官房長から、「全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭が10
月24日、東京都内で開催される。今回新たに合祀されるのは、殉
職警察職員10柱、警察協力殉難者7柱である」旨の報告があった。

(4)「全国犯罪被害者支援フォーラム2013」の開催について

官房長から、10月18日に開催される「全国犯罪被害者支援フ
ォーラム2013」の概要について報告があった。

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「警視正による職務専念義務違反等事案に関し、
警察庁は、10月10日、同警視正を停職処分とする予定である」
旨及び「大阪府警察の巡査長が、痴漢をするなどした事案に関し、
同府警察は、10月10日、同巡査長を懲戒免職処分とするととも
に、監督責任として、上司らを所属長注意の措置とする予定である」
旨の報告があった。

(6)サイバー補導の実施について

生活安全局長から、「インターネット上のサイト等を介して行わ
れる援助交際等の福祉犯被害を防止するため、インターネット上の
不適切な書き込みをサイバーパトロールによって発見し、書き込み
を行った児童と直接接触して注意・指導を行うサイバー補導を実施
することとした」旨の報告があった。

(7)FATF対日審査フォローアップへの対応(第7回報告)について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップへの対応(第7
回報告)について報告があった。

(8)八王子市内における飲食店経営者に対する殺人等事件の検挙につ
いて(警視庁)

刑事局長から、「警視庁は、平成22年に八王子市内から所在不
明となっていた男性について捜査した結果、本年9月、関係被疑者
8名を死体損壊・遺棄罪及び同幇助罪で逮捕し、さらに10月9日、
拳銃を使用して被害者を殺害したとして、そのうち3名を殺人及び
銃砲刀剣類所持等取締法違反の事実で再逮捕した」旨の報告があっ
た。
 奥野委員より、「非常に難しい事件だったと思うが、よく事件解
決に至ったということで素直に拍手を送りたい。本当に限られた物
証を追い求めて地道に丹念に捜査を続けた結果であり、御苦労も多
かったと思う。こういう捜査をやっていれば刑事警察も希望を持て
ると感銘を受けており、今後もこうした捜査を続けていただきたい」
旨の発言があった。

(9)三鷹市における女子高校生被害殺人事件の発生・検挙等について
(警視庁)

刑事局長から、10月8日、東京都三鷹市において発生した女子
高校生被害に係る殺人事件の発生及び被疑者の逮捕について報告が
あり、生活安全局長から、本件被害者及びその両親からなされた本
件被疑者に関する相談への警察の対応状況について報告があった。
 山本委員より、「警察がしっかりしないといけないということだ
けではなくて、被害を未然に防止するためには、どのような情報が
必要となるのか、どのような情報が警察に伝えられると安全確保の
上で効果的であるのかということについて発信していく必要がある
のではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「どういう状
況であればどのような危険性があるという判断ができるのかなど、
精神医学の専門家の御意見もいただきながら研究しているところで
ある。専門家の御知恵を拝借しながら、正しく適切に見極めること
ができるようにレベルを上げてまいりたい」旨の説明があり、山本
委員より、「例えば、メールに『殺す』というような文言があるか
ないかについては、対応を検討する上で大きな材料になると思われ、
具体的な情報発信が必要であると思う」旨の発言があった。
 奥野委員より、「改正ストーカー規制法が今月施行されたばかり
のところで、こうした事件が起きて非常にショッキングである。警
察は危険性・緊急性を認知できなかったのか。犯人の男の動きなど
事前に情報はあった。被害者本人の申告で緊急性を求めていなかっ
たとしても、警察官のプロの目で危険が差し迫っていることを判断
できなかったのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「いろい
ろな報道がなされているが、どのようなことが警察に伝えられ、警
察として把握できていたかということについては確認ができておら
ず、当時の対応がどうであったのかということについてよく確認し
てまいりたい」旨の説明があり、奥野委員より、「様々な事情はあ
ったとしても、結果的に被害者の生命を守ることができなかったこ
とは事実である。結果論となってしまうが、社会から見ると、警察
はなぜ未然に防ぐことができなかったのかという認識になると思う。
被疑者を検挙したばかりで、まさに捜査中であると思うが、相談へ
の対応などについて、よく検証してもらいたい」旨の発言があり、
生活安全局長から、「相談を受けた職員からの聴き取りも含め、警
視庁において確認を行っているところである。同じような事案が生
じることのないようきちんと対応してまいりたい」旨の説明があっ
た。
 前田委員より、「こうした事案については、被害に遭われた方に
おいてどれだけ危険を察知することができたかということが原点で
あり、こうした点を確認しつつ、相談を受けた際に、例えば、シェ
ルターに避難したり、自宅から退避するなど、シビアな対応を考え
てもらうことを検討するべきではないかと思う」旨の発言があった。
 長官から、「今回の事案については、警視庁において全容の解明
に向けて捜査を推進するとともに、警察の対応の経緯についても確
認を進めているところである。なぜ尊い命を救うことができなかっ
たのかという観点とともに、同種の事案をどうすれば防げるのかと
いう観点も含めて徹底した確認を進めてもらいたいと思うし、警察
庁としても指導してまいりたい」旨の説明があった。
 委員長より、「一昨日発生した事件であり、まだ事実関係がよく
判明していないところがあるが、極めて悪質であり、かつ、社会的
な影響も大きなものがあり、しっかりと検証をしていただいた上で、
再発防止の点も含め、改めて報告いただきたいと思うのでよろしく
お願いしたい」旨の発言があった。

(10)天皇皇后両陛下及び皇太子殿下の第13回全国障害者スポーツ大
会御臨場等に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、10月11日から13日までの
間、第13回全国障害者スポーツ大会への御臨場などのため東京都
内を行啓に、また、天皇皇后両陛下は、10月14日、同大会の水
泳競技を御覧になるため東京都内を行幸啓になる予定であり、これ
らに伴い、所要の警衛警備を実施する」旨の報告があった。

3 その他

(1)刑事局長から、日米地位協定に基づく刑事裁判等の処分結果の相
互通報制度に関する新たな枠組みの合意について報告があった。
 髙木委員より、「今日報告していただいた合意の他に課題として
は、どのようなものがあるのか」旨の発言があり、刑事局長から、
「米国が第一次裁判権を行使する場合、日本側、特に被害者には各
審級の裁判の結果や懲戒処分の状況が分からず、警察において把握
した情報を被害者に連絡するという運用が行われてきたところであ
る。これが制度化されていなかったということが課題となっていた
が、今回この点が制度化されることとなったものである。なお、日
米地位協定については、一定の場合には米国に第一次裁判権があり、
米国から日本側への身柄の引渡しについて、平成7年に制度運用を
改める合意がなされたという経緯がある」旨の説明があった。