定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成25年10月31日(木)

午前10時00分 午前11時15分


第2 出席者 古屋委員長、長谷川、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、警備局長、
情報通信局長
審議官(交通局担当)、首席監察官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)配偶者暴力防止法の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公
安委員会規則の整備に関する規則案に対する意見の募集について

生活安全局長から、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護
に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公安委員
会規則の整備に関する規則」を制定するに当たり、11月1日から
11月30日までの間、その規則案を一般に公表し、意見を募集す
ることについて説明があり、原案どおり決定した。
 長谷川委員より、「配偶者暴力防止法については、配偶者に加え、
生活の本拠を共にする交際をする関係にある相手についても適用対
象が拡大されているわけだが、当事者の関係如何によって適用が変
わってくるということがずっと腑に落ちなかった。例えば、交際し
ていた女性を襲撃するような事件については、この法律は適用され
ないということになると思われるが、法律上の関係はどうあれ、ス
トーカーもドメスティックバイオレンスも、自分から去っていこう
とする者の行為を嫉妬して厳しく制限しようとするといった点にお
いて共通するところがあり、動物行動学ではメイトガードと呼ばれ
ているものである。法律的にはなかなかそうはいかないのかもしれ
ないが、これを端的に犯罪とすることができるならば明快な対応に
なると思うのだが」旨の発言があり、生活安全局長から、「配偶者
暴力防止法は、配偶者による暴力に着目する一方、ストーカー規制
法は、つきまとい等を捉えて規制しているものであり、御指摘のと
おり、仮に前者の適用対象が広がってくると、後者との重なりが見
られるといったことになると思う」旨の説明があり、長官から、
「対処方法としてはいずれの場合も大変似ているところがあると思
う」旨の説明があった。

(2)行商従業者証等の特例様式の承認及び告示について

生活安全局長から、「古物営業法及び同法施行規則の規定により、
社団法人日本中古自動車販売協会連合会が国家公安委員会から承認
を受けていた現行の行商従業者証及び標識の特例様式について、同
法人が平成25年4月1日に一般社団法人に移行したことに伴い、
変更後の名称を用いた新たな行商従業者証及び標識を特例様式とし
て承認を受けたい旨の申請があり、内容について審査した結果、適
正であると認められたことから、これを承認し、告示することとし
たい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

(3)「道路交通法施行令及び自動車運転代行業の業務の適正化に関す
る法律施行令の一部を改正する政令案」等について

審議官(交通局担当)から、道路交通法の一部を改正する法律の
施行に伴い、所要の改正を行う「道路交通法施行令及び自動車運転
代行業の業務の適正化に関する法律施行令」等の下位法令の改正案
等に関し、9月20日から10月19日までの間実施した意見募集
の結果、同改正案等の内容について説明があり、原案どおり決定し
た。

(4)国家公安委員会委員長を代理する者の互選について

委員間の互選により、11月1日以降の「委員長を代理する者」
の順位について、第1順位山本委員、第2順位前田委員、第3順位
長谷川委員、第4順位奥野委員、第5順位髙木委員とすることとし
た。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)について

官房長から、本年5月の犯罪対策閣僚会議において決定された
「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画の策定の基本方針
について」に基づき、本年12月までに策定することを目途に、内
閣官房を中心に検討が行われている「犯罪に強い社会の実現のため
の新たな行動計画(仮称)」案の概要等について報告があった。

(3)平成25年秋の勲章伝達式等について

官房長から、11月3日付けで発令される平成25年秋の叙勲及
び褒章に関し、警察関係者の受章者に対する勲章及び褒章の伝達式
の予定等について報告があった。

(4)平成25年度第2四半期監察の実施状況について

首席監察官から、警察庁が都道府県警察に対して行った平成25
年度第2四半期における監察の実施状況について報告があった。

(5)東ティモールへのJICA短期専門家の派遣について

官房長から、東ティモールへのJICA短期専門家の派遣につい
て報告があった。

(6)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「千葉県警察の巡査が、平成25年10月、ひ
ったくりをしたとして、10月11日に緊急逮捕された事案等に関
し、同県警察は、11月1日、同巡査を懲戒免職処分とする予定で
ある」旨及び「長崎県警察の警視らが、パワー・ハラスメントを行
った事案に関し、同県警察は、10月31日、同警視らを減給処分
とする予定である」旨の報告があった。
 山本委員より、「千葉県警察の事案については、警察官の信用を
失墜する影響の大きい事案であると考える。本人の浪費癖が原因と
のことだが、同僚など周囲の者が全く分からなかったのか気になっ
た。この種の不祥事を防止するためには、私生活上の指導を要する
職員であることが分かったときにはブレーキをかけるよう働き掛け
ることが大切だと思うが、周囲は全く分からなかったのだろうか」
旨の発言があり、首席監察官から、「警視庁在籍当時、上司から浪
費癖に関する注意を受けていたとのことであるが、本人は口では分
かりましたなどと言いながら、改善することができなかったとのこ
とである」旨の説明があり、山本委員より、「浪費癖というのは、
不祥事を防止するために警戒しなければならない事象であるという
ことを周囲の人も理解し、そういう兆候が見えたときには的確に対
応していくことが求められる。本件を通じた教訓事項として指導し
ていただきたいと思う」旨の発言があった。
 奥野委員より、「確認されたひったくり事件以外に余罪はないの
か」旨、委員長より、「自宅付近での犯行であるが、転居前は自宅
付近で類似した手口による犯行はなかったのか」旨の発言があり、
首席監察官から、「そうした点も含めて捜査は行われている」旨
の説明があった。
 前田委員より、「長崎県警察の事案に関しては、かなり特異なケ
ースであると思う。民間では、支店長や所長といった現場の責任者
を発令するときには、少なくともネガティブチェックをする。こう
いうパワー・ハラスメントを突然やり始めるということはまずない
と思う。こうした人は、もともとそういう性格であり、いくら実績
を挙げたからといって上位ポストに上げてはならず、しっかり見抜
く必要があり、他の都道府県警察にも注意喚起をしていただきたい。
部下の人が病気になったり入院してしまうということは重いことと
受け止める必要がある」旨の発言があり、首席監察官から、「署長
への登用についての検討は、かなり慎重に行われていると考えられ
るが、パワー・ハラスメントの兆候のような情報はそもそも人事部
門が把握しておくべきであり、こうした状況になるまで把握できな
かったということが問題であると思う。この点については、改めて
全国にきちんと注意喚起をしたい」旨の説明があった。
 長谷川委員より、「問題が生じる前に内部通報がなされるという
ことはなかったのか」旨の発言があり、首席監察官から、「事態が
深刻になるまで認知されなかったものであり、反省点の一つである」
旨の説明があり、前田委員より、「内部通報をしようと思っても、
特に対象が人事権を持っているような場合には、なかなか難しい面
があると思う」旨の発言があった。
 奥野委員より、「内部通報という仕組を設けてある上に、大きな
コミュニティでないので普通ならば噂などが入ってくると思うが、
それでも情報が入らないとなれば、警察は閉鎖的という印象を受け
てしまう」旨の発言があり、官房長から、「大府県の場合は、こう
した情報を吸い上げるルートがいくつもできていたりするが、本件
の場合、地理的に孤立していたりするようなところも背景としてあ
ったのかもしれない。ブロック単位での署長会議、本部長等による
視察などを通じて、意識して情報の吸い上げに努める必要があると
いうことを全国会議においても注意喚起をしておきたい」旨の説明
があった。
 委員長より、「長崎県警察の事案については、各委員が同じ問題
意識を持っていると思う。チェックシステムが徹底していないとい
うことに問題があり、全国会議で指示をされるということであるが、
こうしたことが起こらないよう対策の万全を期していただきたいと
思う」旨の発言があった。

(7)第82回国際刑事警察機構(ICPO)総会の開催結果について

刑事局長から、10月21日から24日までの間、コロンビア共
和国において開催された第82回国際刑事警察機構(ICPO)総
会の概要について報告があった。

(8)FATF対日審査フォローアップ結果(第7回報告)について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップ結果(第7回報
告)について報告があった。

3 その他

(1)官房長から、国家公務員法等の一部を改正する法律案の概要等に
ついて報告があった。