定例委員会の開催状況


第1 日 時 平成26年10月16日(木)

午前10時05分 午前11時05分


第2 出席者 山谷委員長、長谷川、山本、前田、奥野各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備
局長、情報通信局長
総括審議官


第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、10月13日付け人事案件1名について説明があり、
原案どおり決定した。

(2)平成27年警察白書の構成について

総括審議官から、平成27年警察白書の構成案について説明があ
った。
 前田委員より、「トピックスの項目案の中には、一般国民の目から
見ると、警察の方できちんとやってくれればよく、あえてトピック
スとして白書に掲載するほどの施策でもないのでは、というものが
あるように思う。警察としては大変な仕事なので是非掲載したいと
いう意欲は分かるのだが、国民にはそれでどうしたの?と思われな
いか。発刊までまだ時間があるので、今後の作業の中でトピックス
としてふさわしい題材をよく検討していただきたい。環状交差点の
ように関係省庁や地方自治体と連携しなければ進められない施策や
今年社会問題となった危険ドラッグ対策のようなものは、正にトピ
ックスにふさわしいテーマではないかと思う。トピックスは白書を
手に取った国民が真っ先に目を通すところである。トピックスで読
者の関心を引くことができなければ白書全体を読んでくれなくなる
ので、工夫していただきたい」旨の発言があった。
 奥野委員より、「同感である。警察白書は以前に比べると、ビジュ
アル化が進むなど年々読みやすいように改善されてきていると思う。
ただ、前田委員から御指摘があったように、トピックスについては、
警察側から是非国民の皆さんにお伝えしたいことを書くだけでなく、
他方で、国民の側が知りたい、読みたいテーマというのも必要では
ないか。警察行政は行政機関の中でも特に市民生活に密着した仕事
をしているので、社会的に関心の高いテーマを取り上げ、それらに
ついて警察の目できちんと分析し、丁寧に書いていただきたい。例
えば、認知症の高齢者の行方不明問題、児童虐待、危険ドラッグな
どは今年大きな社会問題となったテーマだと思う。白書はそうした
社会問題に対する警察の見解を示す場として絶好の機会であると思
うので、そういう視点に配慮して編集をお願いしたい」旨の発言が
あった。
 山本委員より、「構成そのものについて特段の意見はないが、『現
場での労苦や仕事のやりがい等についての率直な思いをつづった警
察職員の手記』を掲載することに関して、この種のものはどうして
も優等生的なニュアンスになりがちであるが、あまり優等生的に過
ぎると現場の課題が率直に伝わってこないこともあろうかと思う。
一般の国民の方に、警察の姿を知ってもらい、警察の在り方を考え
てもらうためにも、できるだけ本当の現場の実情が伝わる手記にな
るよう配慮していただきたい」旨の発言があり、長官から、「御指摘
を踏まえ、工夫することとしたい」旨の説明があり、前田委員より、
「その意味では、都道府県公安委員会の委員に書いてもらうのがよ
いと思う。内部の職員が書くと、どんなに立派な意見であってもど
うしてもお手盛りに見られやすい。その点、県の公安委員さんたち
は、現場の実態をよく御存知でありつつ、内部の職員とは一歩違っ
た立場にあるので、辛口なコメントも含め、現場の実態に即した率
直な意見を書いてくれるのではないか」旨の発言があり、官房長か
ら、「これまでも都道府県公安委員会の委員の方に手記を御執筆いた
だいてきたところであるが、検討したい」旨の説明があった。
 これらの議論を経て、今後、各委員からの意見を踏まえつつ、総
括審議官から説明のあった構成案を基に編集作業を進めていくこと
を決定した。

(3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正
する法律案について

生活安全局長から、客にダンスをさせる営業に係る規制の見直し
等を内容とする「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法
律の一部を改正する法律案」の概要及び政策評価法に基づき実施し
た事前評価の結果について説明があった。
 山本委員より、「原案に異存はないが、一言だけ申し上げておきた
い。新たなルールを定めたのであれば、それに反する違法な営業が
出てきた時にはきちんと摘発して封じていく、若年者の立入り規制
についても基準を決めたのであれば、その基準に反した立入りがあ
った時にはそれを封じていくといったような対策をきちんと行うこ
とが大切である。新たなルールを決めておきながら実際上は抜け道
の営業がまかり通るということにならないよう、是非、この点を意
識しながら進めていただきたい」旨の発言があった。
 長谷川委員より、「今回の改正案には、ゲームセンターへの年少者
の立入規制を緩和し、保護者同伴であればもう少し夜遅くまで入れ
るようにしようというものが盛り込まれている。これも規制緩和を
求める要望が多かったことを踏まえ、この機会に見直したいという
ことだが、どういう人たちがこのようなことを要望しているのか」
旨の発言があり、生活安全局長から、「業界の御要望等を踏まえたも
のであるが、確かに青少年育成条例により年少者の立入規制をして
いるボウリング場等他の施設と比較すると、ゲームセンターだけ保
護者同伴であっても早い時間に立入りできなくなるという厳しい規
制になっている。せめて親御さんと一緒に外食をした後にちょっと
遊んでいくくらいのことはいいのではないかという声もあり、今回
見直そうとするものである」旨の説明があり、奥野委員より、「今ど
きの16、7歳の子供が親と一緒にゲームセンターに行きたがるの
か」旨、長谷川委員より、「子供は早く寝るべきである」旨の発言が
あり、生活安全局長から、「確かに御指摘のような面もあるのだが、
やはり他の施設等と比べてゲームセンターだけかなり重い規制とな
っているのも事実であり、条例である程度横並びの規制ができるよ
うに措置しようとするものである」旨の説明があった。
 これらの議論を経て、生活安全局長から説明のあった法律案及び
事前評価の結果について、原案どおり決定した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答
を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ
の内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

(2)FATF対日審査フォローアップへの対応について

刑事局長から、FATF対日審査フォローアップへの対応につい
て報告があった。
 山本委員より、「FATFの勧告を踏まえて行う対策の中にはテロ
資金供与対策が含まれており、日本としては、この対策を行うこと
自体はFATFの求めに応じたものなのでやむを得ないということ
なのだろうが、当の国際テロ組織の側は今回日本がこのような措置
をしたことをどう捉えているのだろうか。そのあたりについて、い
ずれかの機関が調査分析を行っているのか」旨の発言があり、警備
局長から、「警察庁では、外事情報部を中心に、関係国との情報機関
と国際テロリストに関する情報交換は常に行っており、御指摘のよ
うな動向があるかどうかといったことも含め、日本に関連する情報
を幅広く収集しているところである」旨の説明があった。

(3)貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に対する意見の募集結果
等について

交通局長から、7月10日に「貨物自動車に係る運転免許制度の
在り方に関する有識者検討会」から提出された「貨物自動車に係る
運転免許制度の在り方に関する報告書」を踏まえ、8月8日から9
月6日までの間に実施した貨物自動車に係る運転免許制度の在り方
に対する意見の募集結果について報告があった。