定例委員会の開催状況

第１日　時平成２６年１２月４日（木）

?????????????午前１０時００分〜午前１１時００分

第２　出席者　山谷委員長、長谷川、��木、山本、前田、奥野各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、

警備局長、情報通信局長

首席監察官

第３議事の概要

１議題事項

（１）人事案件について

　　　官房長から、「１２月１１日付け地方警務官１名の人事案件につい

て発令していただきたい」旨の説明があり、原案どおり決定した。

（２）特定秘密に係る業務の適正の確保及び国家公安委員会における保

護に関する規程について

　　　警備局長から、特定秘密の保護に関する法律の適正な運用を図る

ため、警察庁長官並びに警視総監及び道府県警察本部長に対し、特

定秘密の保護の実施の状況等について、国家公安委員会及び都道府

県公安委員会に対する報告を義務付けることを内容とする「警察に

おける特定秘密に係る業務の適正の確保に関する規則」の案につい

て説明があった。また、警備局長から、特定秘密の保護に関する法

律施行令第１２条を踏まえ、国家公安委員会における特定秘密の保

護に関し、必要な措置を定めることを内容とする「国家公安委員会

における特定秘密の保護に関する規則」の案について説明があった。

　　　奥野委員より、「確認だが、国家公安委員会が、規則に基づき特定

秘密の指定及び解除について警察庁から報告を受けた場合において、

各委員は、警察庁を管理するという国家公安委員会の役割に基づき、

質問や提言ができるということでよいか」旨の発言があり、警備局

長から、「そのとおりである」旨の説明があり、奥野委員より、「他

方、都道府県警察について見れば、特定秘密の指定や解除を行う権

限は警察庁長官に一元化されているため、警視総監及び道府県警察

本部長は、指定及び解除以外の、適性評価の実施状況などについて

都道府県公安委員会に報告することになるのか」旨の発言があり、

警備局長から、「御指摘のもののほか、都道府県警察で管理している

特定秘密の管理や保護措置の状況についても当然報告の対象となる」

旨の説明があり、奥野委員より、「いずれにしても、警察の場合には、

公安委員会という、他の機関にはない独自の組織があるので、特定

秘密の保護措置の実施状況について、疑問を呈したり提言すること

によってチェックする場が特に設けられているという理解でよいか」

旨の発言があり、警備局長から、「御指摘のとおりであり、その意味

では他省庁にはない独特のシステムであるといえる」旨の説明があ

った。

　　　��木委員より、「今の話に関連して、警察における特定秘密は、オ

ール警察を舞台に警察庁長官が一元的に指定することとされ、各都

道府県警察の本部長は、長官の通知を受けた範囲内で特定秘密を保

護し、都道府県公安委員会に報告することとなるが、そういう仕組

みの中で、都道府県公安委員会としては、どういう役割を果たし、

責任を負うことになるのか」旨の発言があり、警備局長から、「警視

総監及び道府県警察本部長は、指定された特定秘密について必要な

範囲内で通知を受けて保護することになるが、その保護措置の実施

状況や適性評価の実施状況については都道府県警察の業務として行

うものであり、都道府県公安委員会の管理に服するものである」旨

の説明があり、��木委員より、「法案が審議中のころ、いくつかの県

の公安委員から、都道府県公安委員会はこの特定秘密についてどう

いう関わり方をすればよいのかという質問を受けた。都道府県公安

委員会に報告する内容や都道府県公安委員会の関わり方については、

警察庁が都道府県警察に対して明確に示した方がよいと思う」旨の

発言があり、長官から、「都道府県警察も特定秘密を取り扱い、その

業務は都道府県公安委員会の管理を受けるものであることは間違い

ないので、それをどのように行うのかについては、警察庁がある程

度目安を示さないと難しいかもしれない」旨の説明があった。

　　　これらの議論を経て、警備局長から説明のあったそれぞれの規則

の案について、原案どおり決定した。

　（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答

を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、そ

の内容を了承した。

２報告事項

（１）監察の取扱い事案について

　　　首席監察官から、「警視庁の警部補が、１１月３日、公務執行妨害

で現行犯逮捕され、同月１４日に児童買春で再逮捕された事案に関

し、警視庁は、１２月５日、同警部補を懲戒免職処分とする予定で

ある」旨及び「警視庁の巡査が、１１月４日、住居侵入及び窃盗で

通常逮捕され、同月２１日に住居侵入及び強盗強姦で再逮捕された

事案に関し、警視庁は、１２月５日、同巡査を懲戒免職処分とする

予定である」旨の報告があった。

　　　奥野委員より、「住居侵入等で逮捕された警視庁の巡査について、

相当悪質な事案だと思うが、動機については何か言っているか」旨

の発言があり、首席監察官から、「現在捜査中であり、動機の点も含

め、今後捜査を尽くして解明することとしている」旨の説明があっ

た。

　（２）大手食品会社に対する恐喝未遂事件の検挙について

　　　　刑事局長から、「大阪府警察及び警視庁合同捜査本部は、大手食品

会社に対して毒物を混入するなどの脅迫文を郵送し、現金を脅し取

ろうとした事件で、１１月３０日、被疑者を恐喝未遂罪で逮捕した」

旨の報告があった。

（３）首都圏における放火事件の検挙について

　　　　刑事局長から、東京都多摩市内及び埼玉県三郷市内でそれぞれ発

生した放火事件に関し、１２月３日までにそれぞれの事件の被疑者

を逮捕したことについて報告があった。

（４）中古自動車を利用した米国からの覚醒剤密輸入事件の検挙につい

　　て

　　　刑事局長から、「神奈川県警察及び横浜税関は、合同捜査を実施し、

本年１２月１日までに、米国からの輸入中古自動車を利用した覚醒

剤密輸入事件において、覚醒剤約１７キログラムを押収するととも

に、被疑者７人を逮捕した」旨の報告があった。

（５）第１５回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の開催につ

いて

　　　情報通信局長から、「アジア大洋州地域の各捜査機関におけるサイ

バー犯罪捜査技術力の向上を図ることを目的とした第１５回アジア

大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議が、１２月８日から１０日ま

での間、東京都内において開催される予定である」旨の報告があっ

た。

３　その他

　（１）議事終了後、委員長より、「御案内のとおり、��木委員におかれて

は、任期満了により近く御退任になる。��木委員より御退任に当た

っての御挨拶を賜りたい」旨の発言があり、��木委員より、「本日の

会議への出席をもって、５年間の任期を終えさせていただくことに

なった。この５年間は短いようで長い、長いようで短かった印象で

あり、世の中は５年経つとこれほど変わるのか、ということを警察

の仕事を通じて実感し、その意味で、世の中の在りようを考えさせ

られた５年間だったのではないかと思う。在任中に一番印象に残っ

ているのは、委員になって１年数ヶ月の時に起こった東日本大震災

である。私は地震が発生した３月１１日、たまたま地方視察で佐賀

県を訪問しており、玄海原子力発電所における警備実施状況の視察

の後、佐賀市内に向かう車の中で佐賀県警察の担当の方から第一報

を受けた。夕方前に警察本部に着いて本部長を訪問すると、被災地

では津波により甚大な被害が発生しており、既に支援部隊の派遣を

検討されているということで、非常に早い対応だなと感心した。そ

して、翌１２日の土曜日には国家公安委員会の臨時会議が急遽開催

されることになり、急ぎ東京に戻ってきたことが思い出される。そ

の後、地震や津波被害への様々な警察の対応があったことは御案内

のとおりである。在任中、きちんと役目を果たせたかどうかという

ことについては忸怩たる思いがあるが、いろんな方々に大変お世話

になり、感謝申し上げる」旨の挨拶があった。

委員長より、「私からも御礼を申し上げたい。��木委員が就任され

た平成２１年は、刑法犯認知件数などにおいて治安の改善が見られ

る一方で、振り込め詐欺の被害が多発するなど、国民の体感治安は

依然として改善しているとは言えない状況にあり、警察を中心に政

府を挙げて治安対策を推進している時期であった。��木委員におか

れては、御就任以来、現在に至るまで、豊富な御経験と高い御見識

に基づいて、治安対策上の諸課題について多角的な視点から御指摘

を頂くとともに的確な御示唆を賜った。とりわけ、警察のあるべき

姿や組織のリーダーのあり方については、厳しい中にも温かみのあ

る貴重な御意見を多数頂いた。また、大変御多忙の中、全国各地で

公安委員会委員との意見交換を積極的に行われたほか、各都道府県

警察の視察を通じて、職員の士気高揚にも配意していただいたとこ

ろである。特に、先日開催された全国都道府県公安委員会連絡会議

においては、各都道府県の公安委員の皆様と話し込んでおられる姿

が大変印象的であった。国家公安委員会の審議を大変充実したもの

としていただいたことに深く御礼を申し上げ、今後益々の御健勝、

御活躍をお祈りするとともに、これからも御経験をいかされた大所

高所からのお導きをいただきたいと思う。本当にありがとうござい

ました」旨の送辞があった。