定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成27年3月26日(木)

午前10時00分 〜 午前11時45分

 

 

第2 出席者 山谷委員長、長谷川、山本、前田、奥野、川本各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、辻生活安全局長、

三浦刑事局長、鈴木交通局長、橋警備局長、川邉情報通信局長

野村国家公安委員会会務官

 

 

第3 議事の概要

 1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、4月9日付けを始めとする暴力団対策法審査専門委員2名の任命及び3月17日付け人事案件1名について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会行政文書管理規則の一部改正について

国家公安委員会会務官から、行政文書の管理に関するガイドラインの一部が改正され、秘密文書の管理に関する規定が整備されたことに伴う、国家公安委員会行政文書管理規則を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

 2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

奥野委員より、「国会の警備については、現在、警察は国会の外だけということでよいか。カナダにおける乱射事件を受けた対応はしているか」旨の発言があり、警備局長から、「基本は国会の外だが、国会開催中は、議長の要請に基づいて警察官を派遣しており、議長の指揮下で対応しているところである。ただし、カナダの事件を踏まえ、各国の国会の警備状況を調査するなどして、関係省庁と一緒に警備体制を見直しているところである」旨の説明があった。

 

(2)職員の勤務時間の弾力化について

官房長から、国家公務員におけるワ−クライフバランス推進に向けた「働き方改革」が政府全体として要請されていることを踏まえ、警察庁職員の服務に関する訓令を改正し、警察庁として職員の勤務時間の弾力化を図る旨の報告があった。

前田委員より、「職員の勤務時間は、事由の如何を問わず変更できることとなったが、それで警察活動が十分に機能できるのか。自由気ままということにはならないはず。一方で、理由を言わなければならないとすれば固すぎる。現場が混乱するのではないか」旨の発言があり、長官から、「現在、訓令で変更できる事由を定めているところ、それを外すことで、変更する事情は何でもよいものとなる。しかし、機能を害しないよう、所属長が個別に判断していくものである」旨、官房長から、「今までは、勤務時間の変更事由に十分な選択肢がなかったので、枠組みを広げたものである。また、どう決定するかは、職員が勝手にというものではなく、一方で、柔軟性を持たせるためにも、所属長が決定することとした。今、政府全体を挙げて夏の生活スタイル変革についての検討が進められているが、この夏に向けて、仕事をどう進めていくかという関係でも決めていくこととなる」旨の説明があった。

川本委員より、「勤務時間の変更は、本人の事情があって申請するわけなので、組織全体で理解しないと機能しないと思われることから、その点についてしっかりとサポートをしていただきたい。また、組織として時間の使い方に敏感になることが必要で、形式的なことをやめるとか、重要な会議は10時半から4時15分までのコアタイムにしか入れないとかしていく必要がある。人事院の調査によると、スウェーデンでは、政府機関も企業も、3時までしか重要な会議を入れないということが徹底されているとのこと。そのような工夫もしていただきたい」旨の発言があり、長官から、「職員の事情以外に、仕事の性質で所属長が勤務時間の変更を指示するというものがかなり出てくるのではないかと思う。例えば、夜遅く国会対応をするような職員は、朝早く出勤する必要はないなど、非常にフレキシブルな勤務管理になるのではないか」旨の説明があった。

 

(3)平成27年度会計監査実施計画について

官房長から、平成27年度会計監査実施計画について報告があった。

 

(4)平成26年中の児童虐待及び児童ポルノ事犯の検挙状況等について

生活安全局長から、平成26年中の児童虐待及び児童ポルノ事犯の検挙状況等について報告があった。

長谷川委員より、「児童虐待の被害児童については、子供といっても、5歳以下と18歳ではだいぶ状況は違うので、身体的・性的・ネグレクト・心理的の虐待の性質の別や、養父母がやったものかどうかとか、年齢別とかが分かる資料があれば、後ほどいただきたい。また、通告件数は、警察が児童相談所に通告したもので、検挙件数はその通告した事案の中の検挙というものか。さらに、通告した事案が、その後に検挙されるということもあるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「年齢別等の資料は、あれば提供させていただく。通告件数についてはそのとおりだが、検挙件数の中には、児童が亡くなられた虐待事案のように通告しないものもある。また、心理的虐待があったことで通告していた児童について、その後、身体的虐待が発生したようなケースでは、通告した後で事件検挙するということもある」旨の説明があった。

奥野委員より、「検挙件数が増え、死亡児童数が減っており、政府全体での取り組みの成果が出ていると思う。特に、虐待死の危険があったものを寸前で阻止できたという事例があったが、このような事案は非常に意味があり、死亡児童数の減少は大きな成果だと思う。一方で、警察の戦線が拡大して、現場では大変だとは思うが、関係機関との連携、協力を得ながら、できるだけ現場で工夫していただき、積極介入、早期介入を引き続き進めていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「関係機関との連携は、昨年の副大臣会合の一番のテーマでもあった。また、よく連携して寸前で阻止できた事例については、しっかりと評価をしていきたい」旨、長官から、「失敗事例をみると、連携がうまくない。児童相談所は分かっていても、警察に連絡がなく、その後、子供の命を守ることができずに大問題になった事例もあり、副大臣会合でもかなり問題とされていた。また、児童相談所の体制不足のため、本来、警察の取扱いとはせず、児童相談所が保護すべき事案でも、夜間や休日には児童相談所では対応しないために警察が保護していることもある。児童相談所の体制強化についても副大臣会合でかなり重点的な議論となり、今後、体制強化を進めていくことが決まっている」旨の説明があり、奥野委員より、「やはり、現実問題として、児童相談所の体制が整っていないということで、とりあえず警察が積極介入、早期介入して行くべきという話になったと思う。児童相談所を含めて関係機関の体制が整備されていくかもしれないが、しばらくは警察が頑張らなくてはならないと思うので、よろしくお願いしたい」旨の発言があった。

山本委員より、「基本的には、警察の強制力は犯罪捜査や犯罪予防というところに限定されているところ、子供の保護においては、警察以外の部門による強制力を行使するための法律や体制が必ずしも十分ではなかったため、子供を守れなかったということが起きつつあるような感じもする。それらの問題事例については、関係省庁との会議等でしかるべき手当をしてほしい旨を述べていただき、必要なときにすぐに対応できるような背景を作ってあげることも必要だと思うので、配慮していただきたい」旨の発言があり、長官から、「児童相談所との現場対応の訓練も警察ではしっかりと行っており、また、警察OBを児童相談所に派遣するなど児童相談所の機能強化について警察に期待されていることが結構あり、それらに応えるべく努力もしているところである」旨の説明があった。

 

(5)平成26年度「総合セキュリティ対策会議」報告書について

生活安全局長から、平成26年度「総合セキュリティ対策会議」報告書について報告があった。

奥野委員より、「私は、以前からサイバー分野における官民の人事交流について必要性を訴えてきたのだが、警察庁に任期付職員を民間から採用することについては、他の官公庁と異なり、報酬の問題、階級の問題、守秘義務の問題もあり、なかなか難しいと思っていた。それらの問題をクリアしてせっかく採用に至ったのだから、将来的に是非とも成功させてもらうためにも、彼らの力ができるだけ発揮されるような環境を作るとともに、間違っても排他的になって職員をつぶしてしまわないよううまく指導していただきたい」旨の発言があり、官房長から、「民間の方々の中途採用は、都道府県警察でも財務捜査官に公認会計士の方を採用したり、ハイテク犯罪の分野でも採用したりしているが、ご懸念のようなことはないと思う。しかし、我々も心してやりたい」旨、長官から、「都道府県警察がサイバー関係で民間から100人ほど中途採用しているが、全て終身であり、基本的に任期付というものはなかった。よって、今回のものは新たなパターンということとなる」旨の説明があった。

 

(6)南海トラフ地震発生時の交通規制計画について

交通局長から、南海トラフ地震発生時において災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため、「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」を踏まえて定めた交通規制計画について報告があった。

 

(6)平成26年中の機動隊・管区機動隊の特別派遣活動状況等について

警備局長から、平成26年中の機動隊・管区機動隊の特別派遣活動状況等について報告があった。

 

(7)安倍内閣総理大臣のシンガポール共和国・リー・クアンユー元首相の国葬参列に伴う警護警備について

警備局長から、安倍内閣総理大臣は、3月29日、シンガポール共和国、リー・クアンユー元首相の国葬参列のため、シンガポール共和国を訪問予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

(8)チュニジアにおけるテロ事件について

警備局長から、チュニジアにおけるテロ事件について、3月23日、警察庁長官指示により、警視庁公安部長を本部長、埼玉県警察警備部長を副本部長とする警視庁・埼玉県警察合同捜査本部を設置、翌24日、死亡者3名の御遺体が帰国し、その後、3名の御遺体の検視・司法解剖を実施した旨の報告があった。

 

(9)各府省庁対抗インシデント・ハンドリング戦技競技会の結果について

情報通信局長から、「サイバーの日」の3月18日、「各府省庁対抗インシデント・ハンドリング戦技競技会」が開催され、12省庁が参加する中、警察庁が総合優勝したことについて報告があった。

川本委員より、「優勝おめでとうございます。お聞きして、とても誇らしかった。毎年続くようなので、よろしくお願いしたい」旨の発言があり、次長から、「来年は他省庁も頑張ってくると思われることから、負けないようにしたい」旨の説明があった。

 

10)平成26年における情報技術解析の実施状況について

情報通信局長から、平成26年における情報技術解析の実施状況について報告があった。

 

 3 その他

(1)生活安全局長から、総合法律支援法の改正案の概要について報告があった。

(2)交通局長から、新たな速度違反自動取締装置の試行運用結果について報告があった。