定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成27年4月16日(木)

       午前10時00分午前11時05分

 

 

第2 出席者 長谷川、山本、前田、奥野、川本各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、辻生活安全局長、

三浦刑事局長、橋警備局長、川邉情報通信局長

濱審議官(交通局担当)

 

第3 議事の概要

 

1 議題案件

(1)人事案件について

官房長から、4月13日付け人事案件1名について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

 (1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

 (2)インターネットバンキング不正送金ウイルスによる被害の拡大防止措置について

生活安全局長から、警視庁サイバー犯罪対策課が、警察庁及び民間事業者と連携し、インターネットバンキングを利用した不正送金ウイルスの無害化等を行うことにより被害拡大防止措置を実施した旨の報告があった。

山本委員より、「今回の被害拡大防止措置については、新しい方法を見出して成果を上げたということで、敬意を表したい」旨の発言があった。

前田委員より、「インターネットバンキング不正送金ウイルスの無害化は、よくやっていただいたと思う。一方、指令サーバまで判明させた後、不正行為をしている者まではたどり着いているのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「捜査側としては、不正行為の実行者まで判明させることは大きな目標であるが、残念ながら、今のところそこまでは至っていない。その意味では、今回の施策は、捜査的な意味では新たな一歩とまでは行かなかったが、対策的な意味では新しいことを実施した、ということである。引き続き、捜査面でも強力に推進してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)平成26年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について

生活安全局長から、平成26年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに起因する事犯の現状と対策について報告があった。

山本委員より、「少女の出会い系サイト等による被害の防止ということについて、警察は警察なりにできることを一生懸命やっていることはよくわかるが、関係省庁の知恵というか権限の利用ということが、成果を上げるのに有効な部分があるということを感じる。通信行政の中で、子供たちに通信機器を使わせる範囲を制限するなり規制していくという方向で、そもそも被害の発生を防ぐということも可能ではないかという気がする。こういう工夫で被害の発生を封じることができるのではないかというようなアナウンスを規制官庁にもしていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「以前報告した青少年インターネット利用環境整備法に基づく計画を策定した際にも、警察庁以外の関係省庁も参加して、それぞれの省庁がしっかりと対策を進めていくことになっている。現在、新しい計画を作成している途中だが、ただ今の御指摘を踏まえ、関係省庁に対して積極的に情報提供するなどして、取組をお願いしてまいりたいと思う」旨の説明があった。

長谷川委員より、「児童ポルノや児童買春の被害に遭う児童は、出会い系サイトやコミュニティサイトに起因するものと、直接の人間関係に起因するものとではどちらが多いのか。出会い系サイト等に起因するものの方が圧倒的に多いのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「児童買春では、26年中、全被害児童は466人で、そのうち、出会い系サイト等に起因して被害に遭った者は334人と全体の約7割であった。他方、青少年保護育成条例違反では30%くらいであり、児童福祉法違反、青少年保護育成条例違反、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の3つでは、被害児童の合計は4,150人で、出会い系サイト等に起因する者は1,531人と約37%となっている。このように、児童買春による被害は、圧倒的に出会い系サイト等に起因している状況にある」旨の説明があった。

川本委員より、「コミュニティサイトの利用について、保護者や学校による注意・指導を受けていた被害児童の割合を示したものは、何を示したいものか。注意・指導を受けても被害に遭っている者がいることから、注意・指導の仕方を見直す必要があるということか」旨の発言があり、生活安全局長から、「注意・指導があっても、被害児童は相当数いることから、注意・指導の仕方が十分ではなかった可能性はある。また、不登校のために指導を受けなかった児童も相当いるが、これらに対しては、サイバー補導を通じるなどして、警察が直接指導していくことが必要であるといえる。元々、この調査では、どういう児童が被害に遭っているか、どの程度の注意・指導を受けていたかという点を把握するためのものである」旨の説明があり、川本委員より、「被害児童の4分の3は不登校ではないことから、現段階で不登校にばかり注目が行くのは好ましくないと思う。分析は、まだ一次的なものにとどまっているようなので、今後も継続して、分析を進めていく必要があるのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「今回の調査では、不登校の被害児童がどのくらい家庭で注意を受けていたかなどの分析までできるようにはなっていないので、今後の調査では工夫してまいりたい。家庭的・環境的な要因も把握できるよう、今後分析を進めていかなければならないものと思っている」旨の説明があった。

 

(4)第18回統一地方選挙における違反取締状況について

刑事局長から、第18回統一地方選挙における違反取締状況ついて報告があった。

 

(5)広島空港における航空機事故の発生について

刑事局長から、4月14日に広島空港で発生した、韓国アシアナ航空の旅客機が着陸時に事故を起こし、乗客等多数名が負傷した航空機事故について報告があった。

奥野委員より、「専門捜査員は、警視庁や大阪府警察だけに配置されているものなのか。また、派遣される事件は、飛行機や列車等の事故だけか」旨の発言があり、刑事局長から、「警視庁、大阪府警察が多いがそれ以外の道府県警察にも配置されている。また、飛行機事故、列車事故以外でも、大きな体制を必要とする事件・事故の際に派遣されている。専門的知識を有する捜査員が、アドバイザー的な立場で派遣されるものである」旨の説明があった。

 

(6)国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案に関する国賠訴訟の控訴審判決結果について

警備局長から、4月14日に下された、国際テロ対策に係るデータのインターネット上への掲出事案に関する国賠訴訟の控訴審判決の結果について報告があった。

奥野委員より、「ネット社会での情報管理の難しさを踏まえた対策はとられていると思うが、今後もしっかりと対策を続けていただきたい。また、この事件は、公訴時効が成立して捜査は終わった形にはなっているが、実態解明についてはこの後も続けていただきたい」旨の発言があり、警備局長から、「情報管理が完全ではなかったとみられたため、様々な対策を講じてきたが、情報技術が大きく進化してきていることから、これに対応できるように情報管理を徹底してまいりたい。また、本件事件については送致しているものの、海外とのかかわりが完全には解明できていないことから、関係国への捜査共助要請等も継続しながら、事案を解明してまいりたい」旨の説明があった。

 

(7)安倍内閣総理大臣のインドネシア共和国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、安倍内閣総理大臣は、4月21日(火)から23日(木)までの間、アジア・アフリカ会議出席等のため、インドネシア共和国を訪問予定であり、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)生活安全局長から、総務省が電気通信事業者に対し、通信の秘密や個人情報保護の具体的な取扱いの指針として示す「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」等の改正に関する検討状況について報告があった。