定例委員会の開催状況

第１　日　時　平成２８年３月１０日（木）

午前１０時００分 〜 午前１１時３０分

第２　出席者　河野委員長、長谷川、奥野、北島、木村各委員

金��長官、坂口次長、栗生官房長、種谷生活安全局長、

三浦刑事局長、川邉情報通信局長

松本外事情報部長、掛江審議官（交通局担当）

第３　議事の概要

１　議題事項

（１）人事案件について

官房長から、３月２２日付けを始めとする地方警務官２２名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

（２）「古物営業法施行規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、古物商が古物の買受け等を行う際の相手方の真偽の確認方法を追加することを内容とする、古物営業法施行規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。

（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

２　報告事項

（１）国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

（２）平成２７年における生活経済事犯の検挙状況等について

生活安全局長から、平成２７年における生活経済事犯の検挙状況等について報告があった。

北島委員より、「消費者安全法の改正に基づき設置される予定の消費者安全確保地域協議会における警察の役割は大きく、生活経済事犯の防遏に向けた活躍が期待できるので、是非とも頑張っていただきたい」旨の発言があった。

（３）六代目山口組分裂後の状況と対策について

刑事局長から、昨年８月の六代目山口組の分裂以降の同団体及び神戸山口組の状況と対策について報告があった。

木村委員より、「同じように山口組から分裂した一和会との対立抗争の時には、死者が多数生じるなど様々な事件が発生していたが、当時のような状況は回避されている。また、市民の生活の安全を守ることは当然ではあるが、組織を弱体化させる機会でもあるので、組織の弱体化を徹底していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「一般市民が巻き込まれる大型の抗争事件が起きるおそれは今後も十分にあり、これを阻止するためにも、神戸山口組を暴力団対策法上の指定暴力団として指定するよう手続を急いでいただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「既に手続を始めており、急ピッチで作業を進めている」旨、長官から、「特に、サミットも抱えており、開催中に名古屋市内等で発砲事件が発生することなどが無いよう、指定後には、指定暴力団として可能な手続を最大限取りながらしっかりと抗争の鎮圧を図ってまいりたい」旨の説明があり、奥野委員より、「指定暴力団として指定された後、特定抗争指定団体としての指定も視野に入れているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「指定暴力団として指定した後にどのような状況になっているかという点が大きな要素となるが、状況をよく見ながら前向きに対応してまいりたい」旨の説明があった。

（４）平成２７年における薬物・銃器情勢について

刑事局長から、平成２７年における薬物・銃器情勢について報告があった。

北島委員より、「警察庁が主催しているアジア・太平洋薬物取締会議は非常に立派な会議であるが、今年は、中国からは在京の大使館職員の参加だったので、来年は、中国本国の担当者に参加してもらうよう働きかけをしていただきたい。また、最近、中学生が大麻事犯で検挙されるなど、大麻事犯が若い人の間で非常に増えていることに懸念を表明しておきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「覚醒剤の密輸入事犯の検挙件数が減少、手口も巧妙化しているということは、流通量が相当増えているのではないかとみられる。摘発が十分に進まない背景には、銃器の押収と同様に、現場で端緒となる情報をとるのが難しくなっているという現状があるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「検挙状況を見ながら密輸組織も手口を変えてきており、警察が十分に対応できていない部分はある。また、銃器について、摘発が進まない理由としては、端緒情報が入手できなくなっていることが最大の要因だが、暴力団組長が共謀共同正犯として拳銃所持事件で逮捕されて以降、暴力団が拳銃を携帯しなくなったことや、拳銃の隠匿方法が巧妙化していることも挙げられる」旨の説明があり、奥野委員より、「拳銃１１０番報奨制度は、運用開始当初から「報奨金目当てに拳銃所持の情報を通報する者がどれほどいるのか」とその効果が疑問視されていたと思うが、昨年の架電数は１，９７７件との報告を受けた。しかし、この中で、どの程度拳銃の押収につながっているか」旨の発言があり、刑事局長から、「通報を端緒とする押収は１丁のみであり、極めて少ない」旨の説明があった。

木村委員より、「危険ドラッグ事犯が非常に減ったことは良かった。しかし、薬物常習者は様々な薬物に手を出しがちであり、危険ドラッグでは、店舗をオープンに構えているので比較的取締りをしやすいものの、他の薬物では取引が地下化してしまい取締りが困難化するので、その点が心配である」旨の発言があった。

（５）天皇皇后両陛下の東日本大震災復興状況御視察に伴う警衛警備について

外事情報部長から、３月１６日から１８日までの間、東日本大震災復興状況御視察のため、天皇皇后両陛下が福島県及び宮城県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

３　その他

（１）刑事局長から、平成９年１１月に北海道警察が検挙した銃刀法違反（拳銃加重所持）事件について、本年３月３日に札幌地裁が再審開始を決定したが、同月７日、検察庁が即時抗告した旨の報告があった。

（２）刑事局長から、ＧＰＳを用いた捜査を巡る最近の情勢について報告があった。

（３）外事情報部長から、３月６日に発生した、三笠宮彬子女王殿下が御臨席したスキー大会における破裂音発生事案について報告があった。

（４）長谷川委員より、「本日欠席している川本委員から、先日の定例会議で報告された、平成２７年における交通死亡事故の特徴に関する報道についての意見をうかがっているので紹介する。新たな形で分析し、高齢者の違反が事故死につながっている件数が多いことを指摘するなど非常に良い内容だったものの、残念ながら報道ではそれが取り上げられていない。今後は、新たな施策とともに効果的な広報にも努力していただきたいとのことである。私も、報道を見て残念に思ったので、もっと効果的な広報に力を入れていただきたいと思う」旨の発言があり、次長から、「交通安全対策については、４月の全国交通運動の実施等様々な機会があり、それらの機会を活用してもう少し詳細な広報も可能である。今後は、対策につながるような広報について都道府県警察にも指導しながら、戦略的な広報をしっかりと行ってまいりたい」旨の説明があった。