定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年8月4日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

 

第2 出席者 松本委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

金長官、坂口次長、栗生官房長、種谷生活安全局長、

三浦刑事局長、井上交通局長、沖田警備局長、川邉情報通信局長

白川審議官(国際・調整担当)、古谷首席監察官

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、8月10日付けを始めとする地方警務官42名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律の施行に伴う所要の政令の制定等について

官房長から、国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律の施行に伴い、同法の施行期日を定める政令の制定等について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成29年度警察庁予算概算要求の取りまとめ状況について

官房長から、平成29年度警察庁予算概算要求及び平成28年度補正予算の取りまとめ状況について報告があった。

川本委員より、「政府の経済対策についての説明は、従来は、警察庁が関連する部分に焦点が当てられていたが、今後は、訪日外国人の増加等といった社会全体、警察行政全般に影響を与えることが警察にどのように影響してくるのか、警察はそれらに対してどのように対応するのかということにまで視野を広げて説明していただきたい」旨の発言があった。

 

(3)第36回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の開催結果について

審議官(国際・調整担当)から、7月26日から28日までの間、マレーシアにおいて開催された第36回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の結果について報告があった。

北島委員より、「我が国の警察の国際協力を考えると非常に重要な会議だと思うので、今後とも大事にしていただきたい。その上で、このような機会を活用して、普段は行うことがないバイでの協議を行ってはどうかと思う」旨の発言があった。

 

(4)監察の取扱い事案

首席監察官から、7月4日、福岡県警察の巡査長が強制わいせつ未遂で通常逮捕された事案等に関し、8月4日、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨、並びに7月16日、兵庫県警察の巡査が業務上横領で通常逮捕された事案に関し、8月5日、同県警察は、同巡査を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(5)平成28年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について

刑事局長から、平成28年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について報告があった。

北島委員より、「最近、刑法犯認知件数が減少している中で特殊詐欺は増加傾向にあったが、本年上半期は対前年比でかなり減少した。警察のこれまでの取組が功を奏したのかもしれない。そうであれば、これからが正念場ということで、各種対策をしっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

 

(6)相模原市緑区千木良における多数の死傷者を伴う殺人等事件について

刑事局長から、7月26日、神奈川県相模原市緑区における障害者支援施設において発生した多数の死傷者を伴う殺人等事件について、同日、神奈川県警察が被疑者を建造物侵入・殺人未遂罪で緊急逮捕した旨の報告があった。

木村委員より、「以前、川崎市内でも入院中の高齢者3人が職員に殺害される事件も発生しているが、障害者支援施設や高齢者介護施設等で勤務する方は、ストレスを抱えやすいと思われる。今後、本件のような事件を防止するための対策が関係省庁と連携して検討されていくと思うが、後日、その結果についても教えていただきたい。警察は、事件の捜査を終了すれば終わりということではなく、再発防止の面においても警察の在り方を考えていくべきではないかと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「被害者の氏名が興味本位で公になることは問題だと思っていたので、今回、神奈川県警察が被害者の氏名を公表しなかったことは正しい判断だったと思う」旨の発言があった。

長谷川委員より、「襲撃する旨の手紙を書くなど前兆が把握されており、かなり本気で警戒する必要があったと思うが、せっかく防犯カメラをたくさん設置してもどのように機能するかなどが見えていなかったことが問題だと思う。できるだけ早く阻止できていれば、ここまでの被害者は生じなかったはずである」旨の発言があり、長官から、「防犯カメラを常時モニタリングできる設備はあったが、そこまでの体制はなかった。また、通常であれば、発生直後からパニックになり、誰かが110番通報するなどして早期に外部に把握されるが、本件ではそのような動きがなく、なかなか外部に伝わらなかったという点が大きな特徴である」旨、刑事局長から、「最後まで気がつかなかった職員もいたようである。速やかに危険性を認識できるようにすることも課題だと思う」旨の説明があった。

奥野委員より、「本件は、特定の集団を襲撃しており、無差別殺人事件とも違うが、被疑者に精神障害があったのか、または危険な思想というよりも思い込みのようなものがあったのか、あるいは社会に対する不満、恨みが背景にあったのかなど様々な要因が考えられる。それでも、これほどの大量殺人事件を起こすに至った背景としては説明できず、あまりにも不可解な部分が大きい。警察は、被疑者の供述だけではなく、被疑者からの押収物を分析するとともに、周辺の関係者からも時間を遡って事情を聞き、被疑者の心の闇を含めて事件の全容解明に努めてほしい。また、被疑者は2月に措置入院となり、その後、指定医が「他害のおそれなし」として措置入院を解除しているが、この際、警察は十分な資料を医師側に提供するなどして、警察と医師側とで十分な情報の共有ができていたのか」旨の発言があり、刑事局長から、「そういった危険な言動を前提として相模原市に通報しているので、病院等の当局側も、危険性を認識していたと思われる。病院で検査をしたところ、尿から大麻の成分が出たため、医師は、こういった言動は、大麻の影響によるものという見立てをしたようである。2人の医師が、そのような判定をしたが、時間の経過と共にその影響が薄れ、危険性についても低下したであろうという判断で退院させたという流れである。施設との面談においても、「安楽死させる」、「抹殺されるべきである」などと、終始一貫して同じ事を職員や施設側に対して言っているので、そういった言動は相模原市にも伝わっている」旨の説明があった。

 

(7)熊本地震に係る警察の対応の確認結果について

警備局長から、平成28年熊本地震に係る警察の対応の確認結果について報告があった。

北島委員より、「熊本地震に対し、警察はよく対応したという印象である。今回の確認で洗い出された反省点を踏まえ、大規模地震に備えていただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「初動及びその後の救出・救助活動、または被災者支援、交通路の確保等、熊本地震における警察活動はおおむね順調だったと見ている。大災害の発生時に、全国から応援部隊を投入、総力を挙げて救助、救援活動を展開するという形が定着してきたようにと思う。想定外の事態に対し、多くの部隊を動かすのが災害対応であり、その意味で、警察の組織力が一番問われるものだ。そのためには、警察庁の総合対策本部が司令塔として機能しなければならないが、一部で情報の混乱もあったと聞く。現地対策本部との連絡、連携に問題はなかったのか」旨の発言があり、警備局長から、「現地の政府対策本部と我々の関わりとしては、主として支援物資の関係やそれに対する交通誘導等が主であり、救出救助活動は、直接自衛隊、消防、自治体と共同して対応していたので、そういう面では、大きな齟齬はなかったと考えている」旨の説明があり、奥野委員より、「今後は、警察庁の対策本部の体制、練度を強化するためにも本部要員の研修、訓練を通じて能力強化を図っていただきたい」旨の説明があった。

川本委員より、「課題を見ていかないと対応策は高度化していかないので、今回、このような形で課題をまとめたことに賛意を表する。やはり、マスターマインドの部分に改善点があると思うので、今後、検討していただきたい」旨の発言があった。

 

(8)安倍内閣総理大臣のブラジル連邦共和国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、8月20日から23日までの間、オリンピック・リオデジャネイロ大会閉会式出席等のため、安倍内閣総理大臣がブラジル連邦共和国を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

(9)安倍内閣総理大臣のケニア共和国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、8月25日から30日までの間、TICAD Y(第6回アフリカ開発会議)出席等のため、安倍内閣総理大臣がケニア共和国を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

10)警察庁CSIRTの最近の活動状況等について

情報通信局長から、警察庁CSIRTの最近の活動状況等について報告があった。