定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年10月27日(木)

午前10時00分 ~ 午前11時20分

 

 

第2 出席者 松本委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、種谷生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、川邉情報通信局長

斉藤総括審議官、古谷首席監察官

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の整備(案)等について

官房長から、国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の見直しについて説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)警察法施行令の一部を改正する政令案について

官房長から、沖縄県警察の地方警察職員である警察官の定員を100人増員することを内容とする警察法施行令の一部改正案について説明があり、原案どおり決定した

長谷川委員より、「沖縄県警察に100人が増員され、パトカー20台も増強されるが、これは事件事故への初動対応やパトロールを強化することに特化したものか」旨の発言があり、官房長から、「そのとおりである。警察本部のパトカー勤務が増強される」旨の説明があり、長谷川委員より、「政策としてとても明確であることから、増強前と増強後でのデータを採取するなどして、エビデンス・ベースドで施策の効果を評価していただきたい」旨の発言があった。

 

(3)平成29年警察白書の構成について

総括審議官から、平成29年警察白書の構成案について説明があり、原案どおり決定した。

川本委員より、「警察庁は、問題に気が付くと素早く対応しており、警察白書も日進月歩に進化している。今、政府全体で統計の問題が盛んに議論されているが、警察庁はいち早くそれについても取り組んでおり、誇らしいと思う」旨の発言があった。

 

(4)国家公安委員会委員長を代理する者の互選について

委員間の互選により、11月1日以降の「委員長を代理する者」の順位について、第1順位奥野委員、第2順位川本委員、第3順位北島委員、第4順位木村委員、第5順位長谷川委員とすることとした。

 

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成28年度全国警察逮捕術大会及び全国警察拳銃射撃競技大会の開催について

官房長から、11月8日に平成28年度全国警察逮捕術大会及び全国警察拳銃射撃競技大会が開催される旨の報告があった。

 

(3)会計検査院の平成27年度決算検査報告(見込)について

官房長から、会計検査院の平成27年度決算検査報告(見込)のうち、警察庁に関して掲記される予定の事項の概要等について報告があった。

川本委員より、「長期間未使用のヘリコプターの備品の情報が都道府県警察間で共有されず、備品が活用されていない点を指摘されているが、昨年度の決算検査でも情報共有が不十分であった点を指摘されていたと思う。情報共有は言葉では簡単だが、実際に行うのはとても難しいものであり、それまでとは違う発想が必要である」旨の発言があり、次長から、「昨年度は情報通信システムの基板を各管区警察局ごとで調達、管理していたことから、未使用の基板は他の管区警察局でも活用するべき旨の指摘があった。情報共有すること以前に、管区を超えて全体で考える発想があれば、そのような運用も可能であった。一方、工藤會対策を強化するために、国有物品の高性能のビデオカメラを他の都道府県警察から管理換して福岡県警察に集中させることなども行っている。引き続き、効率的な運用が図れるよう努力してまいりたい」旨、官房長から、「ヘリコプターは、警察庁が一括して調達して各都道府県警察に配付している。よって、配付したものがどのような状況にあるのか警察庁が把握できるようにすれば、有効な活用ができるものと考えられるため、その方向で改善を図ってまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、9月18日、新潟県警察の事務職員が窃盗で通常逮捕された事案に関し、11月2日、同県警察は、同事務職員を免職処分とする予定である旨の報告、及び9月24日、静岡県警察の警部補が酒気帯び運転で現行犯逮捕された事案に関し、11月10日、同県警察は、同警部補を免職処分とする予定である旨の報告があった。

木村委員より、「現金の取扱いについては、複数人がチェックするなど管理の方法について検討するべきである」旨の発言があり、首席監察官から、「チェックについては、現在行っているダブルチェックが適正になされているかも含めて確認していきたい」旨の説明があった。

川本委員より、「このような事案は昔からあった。民間企業や他の行政機関ではどのように現金を管理しているかについて、参考にするべきである」旨の発言があり、首席監察官から、「留置業務では、拘置所の現金管理を参考にして、現在改善策を検討中である」旨の説明があった。

奥野委員より、「拾得金等の管理状況を定期的に署長自らが点検する警察署もあるようだが、署長でなく事務方レベルでよいので、点検頻度を高くするなどの対策を検討できないか」旨の発言があり、首席監察官から、「既に署長によるチェックを行っている都道府県もあるが、署長自らか副署長等の幹部によるかはともかく、抜き打ちチェック等については、職員に緊張感を持たせる意味で有効だと考えている」旨の説明があった。

 

(5)宇都宮市本丸町地内における殺人未遂等事件の発生について

刑事局長から、10月23日、栃木県宇都宮市内の公園において、男が爆発物を爆発させて自殺を図り、3名に重軽傷を負わせた殺人未遂等事件が発生した旨の報告があった。

奥野委員より、「本件は、正にテロ事件と見紛うような同時多発爆破事件であり、被疑者は死亡したが、動機をはじめ被疑者の過去の行動経歴等をしっかりと解明してほしい」旨の発言があり、刑事局長から、「引き続き、全体の事件捜査の過程で、背景事情、動機等も含め事案を解明してまいりたい」旨の説明があった。

 

(6)皇太子殿下の第31回国民文化祭・あいち2016御臨場等に伴う警衛警備について

警備局長から、10月28日から29日までの間、第31回国民文化祭・あいち2016御臨場等のため、皇太子殿下が愛知県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

(7)皇太子殿下の第19回全国農業担い手サミット御臨席等に伴う警衛警備について

警備局長から、11月9日から10日までの間、第19回全国農業担い手サミット御臨席等のため、皇太子殿下が岐阜県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)警備局長から、10月27日午前8時34分、三笠宮崇仁親王殿下が御入院先で薨去され、これに伴い、所要の警衛警護警備を実施する旨の報告があった。

 

(2)木村委員より、「10月25日、東北管区内公安委員会連絡会議に出席してきた。様々な意見交換を行った中で、先日、国家公安委員会でも報告を受けた交通の方法に関する教則の改正等の内容については、テレビの活用等により県民への周知を図るなどしており、現場では懸命に頑張っているとの印象を受けた。また、非違事案が発生すると警察に対する県民の信頼も失われることが懸念されるが、中でも警察官の採用に大きく影響しかねないとの意見もあった。良い施策は全国に情報提供するとともに、問題意識や業務改善の在り方についての意識も互いに共有するように努め、みんなで一緒に頑張っていこうという意識をもっていただきたいと思う」旨の発言があった。

 

(3)川本委員より、「10月26日、韓国警察委員会委員が来庁され、国家公安委員会委員との意見交換を行ったが、大変勉強になった。今後も、国家公安委員会委員に対する訪問があったときには、可能な限り対応したい」旨の発言があった。