定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成28年12月15日(木)

午前10時00分 ~ 午前11時00分

 

 

第2 出席者 松本委員長、長谷川、奥野、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、種谷生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、川邉情報通信局長

 

 

第3 議事の概要

 

1 議題事項

(1)国外において不慮の犯罪被害を受けた被害者等に対する特別給付金の支給決定について

官房長から、国外において不慮の犯罪被害を受けた被害者等に対する特別給付金の支給について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)「遺失物法施行規則の一部を改正する規則案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、拾得物の費用請求権等の権利の放棄等に係る規定の改正等を内容とする遺失物法施行規則の一部を改正する規則案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した

北島委員より、「利便性の向上や業務負担の軽減という観点から見直されたことを歓迎したい」旨の発言があった。

長谷川委員より、「規則で規定されている遺失届一覧簿を廃止し、必要事項を書面に記載又は電磁的に記録することとしているが、電磁的記録のバックアップはとらないのか。コンピュータが故障するなどして電磁的記録が消去することがあるので、バックアップについては課題として残してもらいたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「今回の改正は、鉄道会社を始め一般の公共機関や施設での遺失物取扱手続にも影響を与えるのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「特例施設占有者という制度があり、鉄道の駅は全てそうなっている。特例施設占有者は、自己保管や処分ができるが、するかしないかは、その特例施設占有者の裁量、判断である。自己保管については、警察からもお願いしているところであるが、今回のこの規則を改正することによって、法的に変わるということはない」旨の説明があった。

 

(3)「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」に対する意見の募集について

交通局長から、「一時停止」等の道路標識に英字を併記することなどを内容とする、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した

木村委員より、「国際化の推進を踏まえ、道路標識に英字を併記することはよいことである。この際、道路標識だけではなく路上に表記している「止まれ」等も英字を併記するのもよいのではないか」旨の発言があり、交通局長から、「「止まれ」の路面表示は、この命令に規定のない、いわゆる「法定外表示」である。英字の併記が可能であるかどうかは訪日外国人のレンタカー利用状況等を踏まえつつ、慎重に検討する必要があると考えられる」旨の説明があった。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

北島委員より、「いわゆるIR推進法が成立した。1年以内に実施法を制定しなければならないが、その中では警察庁の役割は大きく、期待されていると思うので、しっかりと対応してもらいたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「IR推進法の成立を受けて、今後、実施法の制定を始めとする作業が始まるが、論点整理のためにも、特にカジノ問題等警察関連の課題について一定の段階で報告をお願いしたい」旨の発言があった。

 

(2)平成29年度警察庁予算の査定状況について

官房長から、平成29年度警察庁予算の査定状況について報告があった。

長谷川委員より、「新たな業務も増えているだろうが、一方で、刑法犯の認知件数が減少し、コンピュータシステムの導入による業務の合理化等もある中で、なぜ警察の予算が増加しているのか、その点について、別の機会に改めて説明してもらいたい」旨の発言があり、官房長から、「それほど潤沢という訳ではなく、様々な需要がある中で経費の節減等いろいろな見直しをしながら対応している」旨の説明があった。

北島委員より、「相応の予算が確保されたと思う。特に、3つの府令職が新設又は時限撤廃された点を評価したい」旨の発言があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

官房長から、11月29日、福島県警察の警部が道路交通法違反で通常逮捕された事案に関し、同県警察は、12月15日、同警部を免職処分とする予定である旨の報告があった。

奥野委員より、「警察署の交通課長が起こした事故でもあり、同情の余地はないだろう。一方で、この人物がこれまで勤勉な警察官であったとすると、この過ちにより、これまで積み上げてきた警察官人生を一瞬で失ってしまったわけで、不幸な話でもある。警察官の飲酒運転防止には本人の自覚を待つより仕方ないが、それでも、こうした飲酒運転が後を絶たず、物理的に飲酒運転ができなくなるような方法はないのかと考えたりもする。例えば、呼気中のアルコールを検知するとエンジンがかからないような装置を警察官の車両に取り付けるような防止策を検討したことはないか」旨の発言があり、官房長から、「今回の事案は、交通安全対策の中心である交通課長による事案であり、深刻に受け止めている。物理的な防止策としてアルコールチェッカーを導入している県はかなりあり、所属に据え置き型のアルコールチェッカーを設置し、出勤時にチェックを行っているところもある。本件事案を受け、福島県警察においても全所属に据え置き型のものを設置して、チェックを行う予定と聞いている。呼気中のアルコールを検知するとエンジンがかからないような装置の導入については、予算上の問題もあり、まだ具体的に検討しているところはないと思う」旨の説明があった。

北島委員より、「その事案では、午前3時半くらいまで会合が続けられていたようだが、飲酒の仕方としてやり過ぎではないかと思う」旨の発言があり、官房長から、「車を運転するか否かにかかわらず、翌日の仕事に支障を及ぼすような飲酒の在り方は改めていかなければならないと考える」旨の説明があった。  

 

(4)「児童の性的搾取等に係る対策の基本計画(案)」に対する意見の募集について

生活安全局長から、国家公安委員会の総合調整の下、関係府省連絡会議において策定する「児童の性的搾取等に係る対策の基本計画(案)」に対する意見の募集について報告があった

 

(5)指名手配被疑者捜査強化月間の実施結果について

刑事局長から、28年11月に実施した指名手配被疑者捜査強化月間の実施結果について報告があった。

 

(6)天皇誕生日一般参賀及び新年一般参賀に伴う警備について

警備局長から、天皇誕生日の一般参賀及び新年の一般参賀に伴う警備について報告があった。

 

(7)第17回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の開催結果について

情報通信局長から、12月5日から7日までの間、東京都内において開催された、第17回アジア大洋州地域サイバー犯罪捜査技術会議の結果について報告があった。

北島委員より、「これまで十数年にわたり行われており、立派な会議だと思う。来年は参加国を拡大していく意向であるが、是非、発展させてもらいたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)木村委員より、「警察においても生産性向上等に意を用いるべきだと思う。どのようにして組織を活性化させていくのか、職員が仕事をしやすい環境整備といった観点から、警察庁の組織の在り方をどうしていくべきかなどについて、別途定例会議で説明をしてもらい、議論することとしたい」旨の発言があり、官房長から、「とりまとめ、改めて報告させていただく」旨の説明があった。