定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年2月16日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

 

第2 出席者 松本委員長、奥野、川本、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、

吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、2月28日付けを始めとする地方警務官145名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)犯罪被害者等給付金の裁定(大阪府3事案)に対する審査請求事案の審理状況及び裁決について

官房長から、犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状況及び裁決について説明があり、原案どおり決定した

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)平成28年における被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の施行状況について

官房長から、平成28年における被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則の施行状況について報告があった。

川本委員より、「深夜又は長時間にわたる取調べには事前承認が必要であることの周知が十分ではないようなので、規則の周知を徹底していただきたい」旨の発言があった。

 

(3)平成28年における人身取引事犯の検挙状況等について

生活安全局長から、平成28年における人身取引事犯の検挙状況等について報告があった。

北島委員より、「人身取引の問題は国際的にも非常に関心が高い分野であることから、今後とも積極的な取組、対応をお願いしたい」旨の発言があった。

 

(4)看護添乗員らによる児童買春・児童ポルノ禁止法違反等事件の検挙について

生活安全局長から、児童を対象にわいせつ行為を行った状況を撮影するなどして児童ポルノ画像を製造し、画像を仲間同士で相互に提供していた事案について、神奈川県警察ほか6県警察は、2月8日までに看護添乗員ら6人を強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反等で検挙した旨の報告があった。

木村委員より、「少子化が進む中、子どもを犯罪から守ることは社会の義務だと思う。その点を踏まえて、質問が三つある。一つ目は、この種事案の再発防止を具体的にどのように考えているか。二つ目は、一部の報道によると、本件は一昨年の夏に認知されていたとのことだが、このような事案は、できるだけ早く検挙するべきではなかったか。三つ目は、今回の被害児童の中には、ショックを受けている児童もいれば、被害に気が付いていない児童もいるかもしれないが、これらの被害児童に対する精神的ケアについてどのように考えているか」旨の発言があり、生活安全局長から、「児童の方から相談しやすい環境を整備することにより事件を早期に認知するとともに、しっかりと検挙して警鐘を鳴らすことが大切と思う。今回の事案は、端緒を得たのは一昨年の夏であり、その後、捜査によって関係者の逮捕を繰り返す中で、今回、広報に至ったものである。児童のケアについては、他機関との連携が大切であり、神奈川県警では、カウンセラー、児童相談所のほか、民間団体とも連携をして取り組んでいる。性感染症の被害が心配だとの声もあり、病院への付き添い、初診料を公費で手当てをするという制度も活用しながら、今進めている」旨の説明があり、木村委員より、「本件は非常に巧妙化していることもあり、社会への注意喚起のためにも、この種事案はできるだけ早く検挙して公表すべきものと考える」旨の発言があった。

奥野委員より、「この種事案は潜在化するために捜査が難しいので、時間はかかったものの、神奈川県警察ほか6県警察が連携して広域で合同・共同捜査を展開し、犯行グループを検挙できたことを高く評価したい。本件は、児童ポルノ事件というより、子どもに対する性的虐待事件と認識すべきだと思う。被疑者は小学校教員や看護添乗員等子どもを指導する立場で、子どもたちの信頼を利用した犯行であり、子どもたちが大人になっても精神的に大きな傷跡が残ることを考えると、極めて陰湿、悪質と言える。こうした性的虐待は諸外国でも以前から社会問題となっており、カトリック教会の神父や少年院の刑務官等がその権威を悪用して性的虐待を繰り返した事例が、新聞等のメディアで告発されたり、実話を題材に映画化もされている。今後は日本でもこうした犯罪が増えてくるのではないか。子どもを守るために、警察当局も厳しい姿勢で捜査、摘発に積極的に取り組んでほしい」旨の発言があった。

川本委員より、「被害児童のケアについては、専門家とも相談し、適切に対応していただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「今年度から、児童の性的搾取の問題については、内閣府から国家公安委員会・警察庁に業務が移管されたが、先ほど、それを踏まえた力強い説明が生活安全局長からあったと思う。従来以上に、この問題に対する警察の取組を強化していただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「委員御指摘のとおり、被害児童の特定の過程で、被害を顕在化させるおそれがあるので、各県警では、かなり慎重に接触し、ケアの必要性等も十分に見定めながら、丁寧に対応している。統一性を保つように、神奈川県警が被害者支援をリードしながら、各県警で丁寧に対応している。それから、これまでの統計上は、小学生被害児童に係る児童ポルノの検挙というのは全体に占める割合からすると少ないところ、今回の検挙は、非常に珍しい。それだけ潜在化しているということなので、現在策定中の児童の性的搾取に係る基本計画案の中にも、対応策を盛り込み、しっかりと取り組んでいきたい」旨の説明があった。

 

(5)右翼構成員らによる静穏保持法違反事件の検挙について

警備局長から、2月7日、警察官の命令に従わず、ロシア大使館周辺で右翼構成員3名が静穏を害する方法で拡声機を使用して街宣した事案について、警視庁は、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律違反で同人らを現行犯逮捕した旨の報告があった。

北島委員より、「静穏保持法違反での検挙は4年ぶりとのことだが、通常では、街宣行為に対しては是正措置命令の発出や警告を行っているのか」旨の発言があり、警備局長から、「現場では是正措置命令や警告を行っていると承知している。右翼が取締りを逃れるため音量を下げたりする状況もみられるところである」旨の説明があった。

奥野委員より、「今回の被疑者が所属する団体も含め、右翼団体に加入する若者は増加傾向にあるのか」旨の発言があり、警備局長から、「右翼団体自体に若者が増えているという一般的な状況まではみられない」旨の説明があった。