定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年2月23日(木)

午前10時00分 〜 午前10時55分

 

 

第2 出席者 松本委員長、長谷川、奥野、川本、北島、木村各委員

坂口長官、栗生次長、吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

斉藤総括審議官、鈴木審議官(生活安全局担当)

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

長官から、3月15日付けを始めとする地方警務官171名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国外において不慮の犯罪被害を受けた被害者等に対する特別給付金の支給決定について

総括審議官から、国外において不慮の犯罪被害を受けた被害者等に対する特別給付金の支給について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)不動産特定共同事業法の一部を改正する法律による犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部改正について

刑事局長から、不動産特定共同事業法の改正により同法上の事業者類型に小規模不動産特定共同事業者等が追加されることから、疑わしい取引の届出等の各種義務が課される特定事業者にこれらの事業者を追加することを内容として、犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する旨の説明があり、原案どおり決定した。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

総括審議官から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

総括審議官から、九州管区警察局大分県情報通信部の事務官によるパワー・ハラスメント事案に関し、3月3日、同管区警察局は同事務官を減給1月の処分とする予定である旨、及び1月25日、長崎県警察の巡査長が酒酔い運転をしたとして現行犯逮捕された事案に関し、2月24日、同県警察は同巡査長を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)平成28年における交通死亡事故について

交通局長から、平成28年における交通死亡事故について報告があった。

川本委員より、「分析がとても向上しており、資料の分かりやすさに目を見張るものがある。都道府県警察に視察に行くと、それぞれの事故実態の分析をしっかり行い、その結果を踏まえた対策に一生懸命に取り組んでいることが感じられ、よいことである。各都道府県警察における分析結果については他の県警とも共有を進めていただくとともに、分析に基づく対策とその効果についても警察庁で把握していただきたい。今回の分析で明らかになった、正面衝突等死亡事故の原因別では高齢者と若年層に操作不適の割合が高いことや、横断中死亡事故について高齢者の交通違反が多いことなどはとても印象的なので、この点を様々な機会に公表するべきである。また、分析結果を周知させる場合には、業種や年齢層等でターゲットを絞り込んで、適切な情報発信や指導をしていただきたい。さらに、飲酒死亡事故の発生時間については、深夜0時を回ってから翌朝までが6割を占めていることは一般的な感覚と異なっていると思うので、その点もしっかりと広報していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「交通死亡事故の発生件数も前年比で減少、死者数も前年比5.2%減少で、昭和24年以来、初めて四千人を割ったことを改めて評価したい。死者数のうち、高齢者の比率が増えているので、今年は死者数が再び増加に転じないよう、気を緩めずに抑止対策に取り組んでいただきたい。道路交通法違反の取締り状況については、告知・送致件数が前年比較で4.5%減少しており、これは取締りの形が変わったのか、あるいは運転者の安全意識が高まった結果なのかは分からないが、いずれにしてもよい結果として受け止めたい。死亡事故の分析は、今回は前年よりも更に細かく、例えば正面衝突事故の深掘り分析や高齢者の法令違反の分析等参考になるものも多い。事故分析は年々レベルが上がっていると思う。問題は、詳細に分析したデータをどのようにして現場に生かすかということだが、抑止対策、取締り、交通安全教育等でもこの分析データをきめ細かく反映させた多様なものにしてほしい。以前のように、とにかく死亡事故を減らせというマスの対策ではなく、きめ細かく、ターゲットを絞り込んだ施策を講じていかなければならない。速度違反の取締りや春秋の全国交通安全運動等も、一律、漫然と続ける時代ではない。先日、新潟県警察が独自に開発した交通事故分析システムを視察したが、たいへんよくできており、県警で事故データをかなり細かく分析して、交通の取締りや抑止対策に反映させていた。他の都道府県警察でもこのようなシステムを既に開発して運用しているようだが、各都道府県警察の現場でもデータを様々な角度から分析し、きめ細かな交通事故対策を講じなければならないという意識が浸透してきているという印象を持った」旨の発言があり、交通局長から、「今回の事故分析の結果については、マスコミ等を通じて広く周知することも重要であるが、分析結果について交通安全教育を始め、様々な関係機関への働き掛け等によって現場に活かしてもらうことが最も重要であると考えている。今回の分析結果については本日、速やかに各都道府県警察に情報提供するほか、今後も全国会議等の機会を通じて、県警の幹部も含めて広く周知徹底を図ることとしている。すでに一部の県警では、警察庁の分析結果を参考に、各県の事故分析等の把握を行う取組が始まっており、例えば横断中の歩行者が左から進行する車両に衝突する事故が多いこと、ハイビームが使用されていない事故が多いこと等の分析が地方紙に掲載されているということも承知している。いずれにせよ、警察庁が行った事故分析の結果について、全国にどのように広く周知を図っていくのか、現場においてどのようにいかしていくのか等について、更に検討を進めたい」旨の説明があり、奥野委員より、「交通事故対策は地域に密着したローカル性の強い問題なので、地元メディアの協力を得て、広報啓発を図ることが大切だと思う」旨の発言があった。

木村委員より、「たいへん分かりやすく分析しており、敬意を表したい。交通安全対策にも、公助、共助、自助の考え方が当てはまるのではないかと思う。インフラの整備等行政機関による各種対策が公助の部分になるが、この点は警察庁から関係省庁への働きかけを進めることが必要である。共助については、民間との連携が重要であり、例えば、今回の分析結果を活用して、運転者を多数抱える企業で講話をするなどしていただきたい。警察には、交通安全協会等を通じた企業との関係が既に構築されているので、これを活用して、交通弱者に配慮できるよう運転者の意識改革を強力に進めていただきたい。自助の部分は、例えば、子どもが横断歩道を渡るときには、手を挙げるだけではなく左右を確認することなどを子どもに理解してもらう教育を教育委員会と連携して徹底するなどがある。運転免許更新時に配付される交通安全の教則本もとてもよい内容であるが、運転者は読もうという意識が無いのではないかと思う。いずれの場合でも、運転者側、歩行者側、それをとりまく企業や家庭も意識改革を進めないと、交通安全対策の効果が上がらないと思うので、関係機関・団体と連携しながら、しっかりと進めていただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「高齢者だけでなく、子どもの安全確保についても重要な課題であると認識しており、春の交通安全運動等の機会も活用しつつ、子どもの事故防止について更に対策を進めてまいりたい。また、警察庁においては、現在、子どもの事故に係る分析について検討を進めており、これについてはとりまとめ次第、御報告したいと考えている」旨の説明があった。

北島委員より、「私もよい分析であると思う。昨年に引き続き正面衝突等死亡事故、横断中死亡事故を分析したほか、新たに出会い頭衝突死亡事故も分析し、その結果を踏まえた対策を打ち出している。それらの対策をしっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

長谷川委員より、「よい分析であるが、どこにどう伝えるかが問題である。各都道府県警察にも、どのような分析をしたからこの結果が出た、だからこのように考えてもらいたいということをしっかりと伝えるとともに、マスコミに発表するときにも、この分析結果が示す意味が正確に伝わるように広報してほしい。飲酒死亡事故の分析では、飲酒の数時間後でも相当の割合があった点は知られていないと思うので、どのくらいの飲酒量で何時間経った後ではどの程度判断能力が低下するかなどの実験結果等も示せば共感しやすくなると思う。このように心に響く伝え方をするためには、やはりデータが非常に大事だと思う」旨の発言があった。

 

(4)天皇皇后両陛下のベトナム国御訪問及びタイ国お立ち寄りに伴う警衛警備について

警備局長から、ベトナム国政府からの招請を受け、国際親善のため、2月28日から3月5日までの間、天皇皇后両陛下が同国を御訪問になり、また、同国御訪問の帰途、3月5日から6日までの間、昨年10月に崩御されたタイ国前国王プミポン・アドゥンヤデート陛下の御弔問のため、同国にお立ち寄りになる予定であり、それらに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。