定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年4月20日(木)

午前10時00分 〜 午前11時30分

 

 

第2 出席者 松本委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

加藤外事情報部長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、4月10日付けを始めとする地方警務官3名の人事案件並びに犯罪被害者等施策推進会議の委員及び専門委員の任命に係る申請、基本計画策定・推進専門委員等会議の議長指名手続について説明があり、交通局長から、自動車安全運転センター役員の選任の認可について説明があり、いずれも原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)犯罪対策閣僚会議(第27回)について

官房長から、4月18日に開催された犯罪対策閣僚会議(第27回)について報告があった。

北島委員より、「警察庁が中心となって対策に取り組むものが多いが、マスコミでは取り上げられなかったようなので、広報に工夫すべきではないかと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「本会議は、警察活動や社会的な課題を閣僚の方々に正しく理解してもらう非常に貴重な機会だと思うので、資料の内容も含めて、発信力の強化に一層努めていただきたい。そうすれば、マスコミでも取り上げられるようになると思う」旨の発言があった。

 

(3)平成28年における相談の状況等について

官房長から、平成28年における相談の状況等について報告があった。

北島委員より、「相談取扱件数が増加しているが、警察改革の中で相談対応の充実強化が求められたことを踏まえ、体制を強化し、教養も進めてきたことの結果だと思う。今後とも、しっかりとした対応をお願いしたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「相談取扱件数が前年より若干増加して過去最多を更新したとのことだが、これは社会不安の増大、相談窓口の拡充等の要因もあるだろうが、同時に「困ったことがあれば警察へ」という警察に対する国民の信頼度が高まっている結果ともみてとれる。一方で、警察の業務負担が増加していることも事実かと思う。友人間、職場内、家庭内でのトラブル等様々な問題が持ち込まれ、現場の担当者は大変だと思うが、やはり相談の中に犯罪、捜査に繋がる情報が隠されていないとも限らないので、丁寧に話を聞いて対応してほしい」旨の発言があり、官房長から、「365日、24時間対応可能な公的機関は警察しかないため、本来は警察に来る話ではないようないろいろな話が警察に持ち込まれているというのが実態としてはあると思う。また、相談窓口で関係機関を紹介して上手に振り分けるということも必要だと思う。警察の現場の負担の軽減という点でも、そこはきちんとやっていこうと思う」旨の説明があった。

安藤委員より、「相談取扱件数が200万件を超えているということは、社会に警察への相談を必要とする不安定な状況もあるということと、一方では、警察側の相談体制の充実等で相談しやすくなったこととの両面から考えられる。質的に対応が困難なものも増えていると思うが、この質的な困難さを統計的に分析、把握することはできないのか。また、相談業務は、漠然とした内容の中から、具体的に何を相談したいのかを相談者に寄り添って聞き出していく難しい作業であり、しかも、内容に応じて警察の担当部門や関係機関に取り次いでいく総合窓口の機能を求められるため、担当者は柔らかく対応でき、広範な業務の知識も備えていることが必要になる。よって、そうした心構えや知識、技能をより向上させるための担当者への教養、訓練の充実を図っていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「相談に関しては、今は相談システムに載せて、それをちゃんとフォローアップできる形になってきているが、相談内容をどれくらい点検、分析できているかというとなかなか難しいと思うところがある。それから、総合相談窓口的な機能ということに関しては、相当程度定着してきており、今は、本部又は各警察署の相談窓口で話を承り、更に専門的な対応が必要又は事件化が必要ということであれば専務部門の方に、あるいはより適切な他の機関があれば、そちらを紹介するというようなことで、相談窓口で振り分けをするという機能も持たせている。ただ、相談も千差万別であり、警察が対応するべき話なのかという相談も、実際のところは相当混じっており、時間的にというよりは精神的にハードなところがあると認識している。体制の方では警察職員、警察官に加えて警察OBである非常勤職員を相談窓口に置いて対応することで、割合適正な対応ができているのではないかと感じており、研修についても、より充実させていかなければいけないとは思っている」旨の説明があった。

川本委員より、「相談を取り扱う担当者へのトレーニングはとても大事である。また、民間企業では、事業所内で最も環境の良い場所に相談担当係を配置する例もある。警察改革の柱として開かれた警察を構築するために相談業務を実施しているわけなので、相談業務に取り組む効果についてもう少し考えてみてはどうか。さらに、相談者の年齢層等についても分析してみてはどうか」旨の発言があった。

木村委員より、「相談取扱状況の件数の推移を示すだけではなく、相談取扱状況を分析して、相談によりどのような効果がもたらされたのかなどを示すことができないか。単なるイメージアップに留まらず、例えば、相談による情報が事件検挙に繋がったなど、警察活動に役立った面も分析してはどうか」旨、安藤委員より、「相談に適切に対応することで、住民の不安が解消されたり、犯罪を未然に防げたりしたことなどは、警察でも相談の効果として把握されているのではないか」旨の発言があった。

 

(4)平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について

生活安全局長から、平成28年におけるコミュニティサイト等に起因する事犯の現状と対策について報告があった。

北島委員より、「事業者による協議会の活動に対して、強い期待感を表明しておきたい。また、フィルタリングの普及促進を図っていただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「分析結果を見ると、女児が被害に遭わないようにするにはどうしたらよいかが大きな課題となると思うが、調査結果では、指導を受けたことがなかった、指導を覚えていないという被害児童が過半数となっていることから、学校、PTAとの連携を強化して、効果的な指導を行う必要がある。従来から指導を行ってはいるものの、なかなか進まない面もあるようだが、様々なアイディアを出しながらチャレンジしてみてほしい。また、他機関との連携は簡単には進まないものだが、こちら側が一生懸命にやらないと相手側もその気になってくれないので、しっかりと説明をして連携強化を図っていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「今回、ツイッターの被害が突出して多かったことなどを公表した。広報を通じ、文部科学省を始め、関係者にもこの実態をよりしっかりと汲んでもらい、教育行政の立場から児童に対する指導をこれまで以上にしっかりとやっていただきたいと思っている。これは、大臣にとりまとめていただいた性的搾取の基本計画の内容そのものである。基本計画では、我々警察庁がある意味主導できる立場になっているので、文部科学省をはじめ教育行政をしっかりと巻き込みながら、児童被害防止への取組を進めていきたい。一方で、御指摘のとおり、被害の実態を最も知っている我々が直接的に伝えていくことも必要である。サイバー防犯ボランティアと連携した形での取組では、ボランティアに学校へ行ってもらい、ボランティア活動で得た生の話を伝えることによって、子どもたちの目、あるいは親たちの目を開かせているという好事例もあるので、こうした手法も展開していきたい。いずれにせよ、いろいろと新たな工夫をしていくことが大切だと思っているので、アイディアを出しながら取り組んでいきたい」旨の説明があった。

安藤委員より、「交通安全教育のノウハウを活用して、自分たちの安全は自分たちで守ろうという意識が芽生えるようなサイバー空間の利用に関する教育を行ってみてはどうか」旨の発言があった。

奥野委員より、「コミュニティサイトを使用した援助交際等は、児童が親や教師に絶対見つからないようにするので、外部からは分かりづらい。児童の側で、そのような行為が極めて危険だという自覚を持ってほしいが、これには警察や学校だけではなく、社会全体で教えていくべきだ。警察としては、援助交際等の相手となる被疑者を検挙することで、児童買春が大きな罪になるのだという認識を社会に持たせることが必要である」旨の発言があった。

川本委員より、「万引きから始まり自動車盗に進むなど犯罪に手を染めていく経路があるようだが、同様に、子どもがこの種被害に遭うようになる経路があるのではないか。最初は、オンラインゲーム等の利用から始まって、ミニメール等で他の人と交流を持つようになっていくことで被害に遭いやすくなるなどが考えられるが、そうした経緯を明らかにすることで、親や学校にも具体的に注意喚起できるようになるのではないか。親は、オンラインゲームが児童買春に繋がるとは思っていないはずである」旨の発言があり、生活安全局長から、「確かに被害に至るにはいろいろなプロセスがある。モバゲーなどでは、以前、被害が多かったが、最近は被害がほとんど発生していない。ゲームや人々との交流から入り、そのうちに特定の人とのみ交流するようになり、出会ってみたら相手が男性で買春の被害に遭うという例もあるし、ツイッターの書き込みのように児童の側からの不適切な書き込みが被害に至る例もある。このようにいろいろなケースがあるということを分かりやすく情報発信するように工夫したい」旨の説明があった。

 

(5)我孫子市北新田における死体遺棄事件の検挙について

刑事局長から、3月26日、所在不明となっていた小学女児の遺体が千葉県我孫子市内で発見された事件について、4月14日、千葉県警察が自称不動産賃貸業の男を死体遺棄罪で通常逮捕した旨の報告があった。

北島委員より、「本事件について、日本に住んでいるベトナム人コミュニティでも非常にショックを受けているのではないか。今後、日本在住の外国人が増加する場合、ベトナム人は大きなグループになってくるのではないかと思っているが、そのような状況下において、早期に被疑者を逮捕できたことは良かった」旨の発言があった。

奥野委員より、「社会的反響も大きい悲惨な事件で、地域社会にも不安を与えただけに、被疑者を早い段階で逮捕できたことを評価したい。この後も、しっかりと証拠を固めて、犯行の詳しい態様、動機等を解明してほしい」旨の発言があった。

安藤委員より、「本件の発生を契機に、警察庁から各都道府県警察に対して通達を発出したようだが、どのような内容のものか」旨の発言があり、生活安全局長から、「本件は登下校時において子供が被害者となった事件であり、地域住民を始め、社会に大きな不安を与えたものと思う。事件発生地を管轄する千葉県警察においては、移動交番車を現場に投入するなど見せる警戒活動を実施した。全国警察においても、4月6日から15日まで春の全国交通安全運動が行われることを踏まえ、新学期を迎えるに当たり、登下校時における地域警察官等による見せる警戒活動や自治体、学校、防犯ボランティア等と合同した見守り活動等に重点的に取り組むよう4月5日に通達により指示した。これらを通じ、子供の犯罪被害の防止や、国民の安心感の醸成に努めてまいりたい」旨の説明があった。