定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年5月25日(木)

午前10時00分 〜 午前11時30分

 

 

第2 出席者 松本委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

貴志審議官(国際・調整担当)

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議における決定について

生活安全局長から、5月19日に開催された「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議」において決定された今後の対策について報告があった。

北島委員より、「海外におけるJKビジネスの実態調査を行うことは良いと思う。また、JKビジネスを規制する条例が全国の大規模府県で制定されるよう期待感を表明しておきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「各都道府県警察にアダルトビデオ出演強要問題の専門官を配置することに、大いに期待したい。合わせて、その問題についての相談体制、被害者への支援体制の充実も必要である。また、各省庁がそれぞれ所管する相談窓口とワンストップ支援センターが連携して対応できるようになればよいと思う」旨の発言があった。

木村委員より、「新たに掲げられた施策の時機を得て良いと思う。JKビジネスを規制する条例の制定支援と各都道府県警察にアダルトビデオ出演強要問題の専門官を配置することは、特に重要である。海外におけるJKビジネスの実態調査は、できるだけ早期に実施し、参考にしていただきたい。教育・啓発においては、教育委員会やPTA、保護者等との連携について、具体策を考えていただきたい。また、この種問題の認識がまだ周知されていないと思うので、テレビで特集番組を組んでもらうなどして積極的に周知させていく必要がある。最後に、ワンストップ支援センターの設置については、委員長からも働きかけてもらいながら早期に進めていただきたいと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「大人が守ることも必要だが、子供が自衛できるようにすることも重要なので、タレント等へのスカウト活動がアダルトビデオ出演強要問題に繋がる可能性があることも周知するべきである」旨の発言があった。

奥野委員より、「この種の業界は、まだ実態が不明な部分も多く、4月に集中的に実施した緊急対策でも、JKビジネスの実態を把握するために多くの店舗に立入調査する必要があった。アダルトビデオ出演強要問題についても、この業界で実際にどのようなことが行われているのか分からない部分もあるので、今後とも、できる限り実態を調査した上で有効な対策を講じてほしい」旨の発言があった。

 

(3)警察における取調べの録音・録画の試行の実施状況について

刑事局長から、平成28年度における警察における取調べの録音・録画の試行の実施状況について報告があった。

安藤委員より、「先日、警視庁本部における録音・録画ができる取調室を視察した。録音・録画の機材をあまり意識せずに取調べが可能な状況でよかったが、このような機材の整備が全国的にはまだ十分ではないとのことなので、是非とも全国的にも十分な整備を推進していただきたい。録音・録画制度の施行に向けて、有効、適切な取調べができるよう、録音・録画の実施状況の詳細な基礎データは保有しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「例えば、機材の設置が間に合わなかったといった録音・録画できなかった理由についてある程度把握している。約2年後までには全過程の録音・録画が義務化されることとなるので、把握した問題点をしっかり分析して第一線にフィードバックするとともに、個別に指導を行う際にも生かせるようにしていきたいと考えている」旨の説明があり、安藤委員より、「取調べの録音・録画は、被告人の供述の信用性・任意性の立証に資することが目的であるが、録音・録画された内容を見ることで立証できるよう精密なものになっていくのではと違和感も感じている。取調べに依存するのではなく、客観的証拠を補強、補充するものとなるよう、取調べの有効性、意義目的をしっかりと念頭に置きながら、録音・録画の試行が行われていくことに期待したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「録音・録画の実施率、時間ともに目標に近い水準に達し、態勢の整備は相当進んでいると理解している。一方、録音・録画が進む中で、被疑者が黙秘するケースが増えているのではないか。客観的証拠を積み上げて立証することもできるが、供述がなければ立証できない部分もあるので、供述を得ることの必要性は認められる。録音・録画が進む中で、それを踏まえた新たな取調べの手法は研究しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「御指摘のように、黙秘や否認をするケースが多くなっているのではないかとも言われている。これに対しては黙秘され供述が得られない場合でも、客観証拠をしっかり収集して立証することがまずは必要と考える。他方、例えば被疑者の供述によって、被害者の遺体が発見されるといったケースもあるところ、そうした供述を得るための取調べ技能の向上については、警察大学校に取調べ技術総合研究・研修センターを設置しているほか、実戦塾形式の会議を開催して実際の取調べの録音・録画を視聴し技能の向上を図るなどの取組を進めている」旨の発言があった。

 

(4)規制改革推進に関する答申について

交通局長、生活安全局長及び官房長から、5月23日に政府の規制改革会議が取りまとめ、内閣総理大臣に提出した規制改革に関する答申について報告があった。

北島委員より、「第二種運転免許受験資格の年齢要件の見直しは重要な問題だと思うので、関心を持ってフォローしてまいりたい」旨の発言があった。

木村委員より、「警察としては、第二種運転免許受験資格の年齢要件の見直しについて、しっかりとした論理を持って対応していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「第二種運転免許受験資格の年齢要件の見直しでは、脳科学における知見等も取り入れたことで、かなり議論が深まったと思うし、安全確保のためには、事業者の監督が重要だという点が盛り込まれたことも良かった。また、日本の規制改革の議論も規制影響分析を取り入れたものに進んだと思うので、今後も、分析を踏まえた論理的な対応をしていただきたい。なお、公共用周波数の割当・用途の開示、利用状況調査方法の見直しも検討対象となっているが、この機会に警察に割り振られた周波数を有効に活用できているか再確認してもらいたい」旨、木村委員より、「有効に活用していることをしっかりと公にして説明するべきである」旨の発言があり、情報通信局長から、「今度の答申では、調査方法が緻密になるとの話もあるので、それに応じて公表できるものは公表してまいりたい」旨の説明があった。

 

(5)英国・マンチェスターのコンサートホールにおける爆発事案について

警備局長から、5月22日に英国のマンチェスターのコンサートホールにおける爆発により少なくとも22人が死亡、59人が負傷した事件について報告があった。

木村委員より、「この種事案を防止するため、イベント会場での手荷物検査等において緊張感を持った警戒を徹底していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「海外では、テロの発生を受けて外出禁止令が出されることもあるが、日本ではどうか」旨の発言があり、警備局長から、「日本の場合は、外出禁止令を出す根拠法令は無いと承知している」旨の説明があった。

 

(6)天皇皇后両陛下の第68回全国植樹祭御臨場等に伴う警衛警備について

警備局長から、5月27日から29日までの間、第68回全国植樹祭御臨場等のため、天皇皇后両陛下が富山県へ行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

(7)安倍内閣総理大臣のイタリア共和国(G7)及びマルタ共和国歴訪に伴う警護警備について

警備局長から、5月25日から28日までの間、G7(G7タオルミーナ・サミット)出席等のため、安倍内閣総理大臣がイタリア共和国及びマルタ共和国を歴訪する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)刑事局長から、平成28年7月に福岡市博多区において金塊が窃取された事件について、福岡県警察が本年5月24日までに被疑者8名を窃盗罪等で逮捕した旨の報告があった。

 

(2)審議官(国際・調整担当)から、5月12日以降世界的に発生したランサムウェアの感染事案に関する前回の報告以降の状況について報告があった。