定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年8月3日(木)

午前10時00分 午前11時05分

 

 

第2 出席者 松本委員長、奥野、川本、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、吉田刑事局長、井上交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

小田部審議官(生活安全局担当)

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、8月28日付けを始めとする地方警務官46名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)平成30年度警察庁予算概算要求の取りまとめ状況について

官房長から、平成30年度警察庁予算概算要求の取りまとめ状況について報告があった。

川本委員より、「調査研究については、高齢運転者の交通事故防止対策等新しい政策課題で早期対応が必要なものばかりだと思うので、財務当局によく理解をしてもらい着実に予算を獲得した上で、政策を進めていただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた準備に関わる予算は、準備段階からかなりの規模になるのか」旨の発言があり、官房長から、「そのとおりである。一度に準備できないため、年度計画を立てて段階的に準備する必要がある」旨の説明があった。

安藤委員より、「地方に視察に行くと、警察の無線通信システムの重要性の話を聞くことが多い。警察基盤の充実・強化にとって不可欠なIPR型移動無線通信システムの整備については、その必要性、重要性をよく財務省に説明し、予算獲得を図っていただきたい。また、今回は地方警察官の増員要求をしないとのことだが、警察職員の質の更なる向上を図り、これまでの増員分が有効に活用されていることを説明できるようにしていただきたい」旨の発言があり、官房長から、「IPR型移動無線通信システムについては、相当の予算規模となるために、東京オリンピック・パラリンピック大会を控えている警視庁及びその周辺の県警には先だって整備を始め、その他の道府県警察にはその後順次整備するというような年度計画を策定しながら整備を進めている。警察にとって無線通信は重要なインフラなので、着実に整備を進めることとしたい。また、増員については、その効果をよく検証しながら有効性の有無について常に考えていきたい」旨の説明があった。

木村委員より、「税制改正要望は、国民生活の安全を確保するために活用できるのではないかと思うので、来年度以降、よく検討していただきたい。また、前にも申し上げたが、「東日本大震災からの復旧・復興の支援」は警察庁の重点項目として掲げる必要があるのか、来年度以降、検討していただきたい」旨の発言があり、官房長から、「来年度以降どうするかについては、検討させていただきたい」旨の説明があった。

 

(2)「性犯罪被害相談電話番号の統一化」について

官房長から、性犯罪被害者がより相談しやすくなるよう、8月3日より、各都道府県警察の性犯罪被害相談電話番号につながる全国共通の短縮ダイヤル番号「#8103」を導入することとした旨の報告があった。

安藤委員より、「認知度の向上、アクセスがしやすくなる点は良いが、夜間でも被害相談電話にきめ細やかな対応ができるよう、工夫をしてもらいたい。むしろ、夜間の方が被害相談は多いのではないかという気もする」旨の発言があり、官房長から、「夜間でも当直が対応している都道府県警察もあるが、留守番電話対応としている県警察もある。しかし、今回を機に当直対応に切り替える県警察もあり、段々と当直が対応するようにしているところであるので、警察庁からも指導して、切り替えを進めていきたいと考えている」旨の説明があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

官房長から、山梨県警察の警部補による道路交通法違反等事案に関し、8月3日、同県警察は、同警部補を免職処分とする予定である旨並びに徳島県警察の巡査による窃盗事案に関し、8月9日、同県警察は、同巡査を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(4)平成29年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について

刑事局長から、平成29年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について報告があった。

 

(5)特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめについて

刑事局長から、特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめについて報告があった。

川本委員より、「マネー・ローンダリング対策においては、一定額以上の現金取引の報告を義務付けしているが、ビットコイン等各国の中央銀行の管理下に無い決済についてはどのような対策を講じるのか」旨の発言があり、刑事局長から、「基本は現金取引を想定しているので、CTR(Cash Transaction Report)で当局が把握するということだが、それ以外の決済手段についても、その内容に応じて、この制度に乗せていくかどうかということを検討していくということが、内閣官房の考え方であると聞いている」旨の説明があった。

木村委員より、「カジノはぱちんこ以上に依存症が出てくる可能性があると思うので、入場回数の制限や入場料の賦課等各種依存症対策を徹底していただきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「カジノ管理委員会がどのような方で構成されて、どのような役割を果たすのかのイメージがまだよく分からないが、しっかりと機能するかどうかという心配がある」旨の発言があった。

奥野委員より、「取りまとめでは、カジノの廉潔性を確保するために、世界最高水準のカジノ規制として各種対策が盛り込まれているが、これらの規制が有効に機能しなければ形だけのものになってしまう。特に、カジノ事業・カジノ施設からの反社会的勢力の排除やマネー・ローンダリング対策等は、情報力、調査能力を考えると、警察の対処に期待がかかるのではないか。カジノには、既存のギャンブルとは違って、巨大な利益を求めて様々な犯罪集団が群がるおそれもあるので、警察としてのカジノ対策を研究していただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「暴力団等の反社会的勢力の排除については、この推進会議でもかなり議論されていたところである。警察としても、カジノ事業とカジノ施設から反社会的勢力を排除するスキームについては、その実効性も含めて、証券業界や銀行業界等からの既存の暴力団排除の仕組みを参照しつつ、内閣官房と連携してしっかりとした仕組みができるよう取り組んでいきたい。カジノ管理委員会についても、今後、新法が作られる中で具体的な仕組みが検討されていくと承知しているため、十分に推移を見守っていきたいと考えている」旨の説明があった。

 

(6)一般道路における最高速度規制の点検・見直し結果について

交通局長から、平成21年度以降の一般道路における最高速度規制の点検・見直し結果について報告があった。

川本委員より、「最高速度規制の点検・見直しにおいては、規制速度が守られないから規制速度を引き上げたり、規制速度を引き上げることが良いことだという雰囲気になったりしないように進めていただきたい。この施策は、正にエビデンス・ベースドで検討されるべきものであり、分析結果に基づいて見直しの可否をしっかりと検討していただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「今回の点検・見直しは、規制速度を引き上げた路線の多くで事故の増加傾向は見られず、また現状維持とされた路線でも速度抑制対策の結果、実勢速度と規制速度とのかい離が小さくなるなど、一定の成果があった。今後も、道路環境、交通事情の変化により速度規制の見直しが必要と認められる路線については、通達が無くても継続して点検・見直しはしていくのか」旨の発言があり、交通局長から、「一般的に、交通情勢の変化を考慮して、常に見直しを行うこととなるが、一般道路の最高速度規制については、今後も今回同様に新しい通達を発出したいと考えているところである。具体的には、各都道府県により実情が異なることから、十分な検討の上、一定の期間を区切って、集中的に見直しを行うこととしていきたい」旨の説明があった。